ライオンの身だしなみ
シュっシュっ。
シュっシュっ。
シュっシュシュシュっ。
シュっシュシュシュっ。
おではライオンのボブぞ。
身だしなみには、まぁまぁ気をつけてる方なんだよね。
おで、リンくんのおひざの上で、ハダカのオナカをでーんと出して、毛づくろいしてもらってるの。
「なーあなーあ、リーンくーん!今週はさ、お出かけする予定あるでしょ?おで、身だしなみちゃんと整えたいんだよね。」
「ボブぞ、言うことがずいぶんとオニーさんになったねぇ!でも、そのまんまでも十分かわいいし、かなりカッコいいライオンだよ?」
「あはん、それは知ってるぅけどぉ。そういうことじゃなくてぇー!ちゃんとしたいのよぉぉぉ。」
「ふむふむ。ちゃんとするってどんな感じを目指してるの?」
「うむ。何ていうの、あれよ、セーケツカンってやつよ。清潔感をにじませたいわけ。お手入れしてある感だよ。爪がちゃんと整ってるとかさ、唇が荒れてないとかさ、目くそ鼻くそなんてもってのほかよ!リンくん、わかる?」
「あぁー、ニベアフォーメン的な?ウーノ的な?お手入れしてる感、出したいのね?」
「んー。たとえがわかりにくいけど。まぁ、そんな感じよ・・・。とにかく、ブラッシングぷりーず。」
「まぁ、どう頑張っても、ボブぞは竹野内豊にはなれないと思うけど。お天気もいいからみどりテラスでブラッシングひなたぼっこしよーか。」
シュっシュっ。
シュっシュっ。
ニーちゃんもネーちゃんも、おれらライオン三兄弟、はだかんぼの生まれたままの姿になって順番待ち。
シュっシュっ。
シュっシュっ。
「あぁぁれぇー?オーヤビーン!なんか気持ちよさそぉー!すずも混ぜてー!」
「ぷかぷか?あれーすずちゃんがいないよー!どこー?どこー?・・・アッ!なんか気持ちよさそぉだぁ!フクも混ぜてー!」
あれまぁ。ウサギのすずもアザラシのフクもやって来た。みんな、みんな、はだかんぼだ。
シュっシュっ。
シュっシュっ。
お日さまの光が強くてまぶしすぎて、おでは半分目を閉じていた。
みーどーりーテーラースーはこーこーちーよーしーーー🎵
はなうたを歌いながらうっとりと日の光の暖かさを楽しんでいたら、ブラシの手を止めたリンくんに話しかけられた。
「おきゃくさまぁ。かゆいところや気になるところございますかぁ?」
「おお、そうだなぁ。おでは自分の毛並みには多少の自信があるけどね、指先は念入りにやってもらおかね。うふふん。あと、それから、あごの白いところは真っ白くしてほしいな。丁寧に、ね。」
「ハイ。ボブぞくん・・・あいや、おきゃくさま。承知いたしました。もうしばしリラックスしてお過ごしくださいな。」
シュっシュっ。
シュっシュっ。
ふわぁぁぁあ。
みーどーりーテーラースーはこーこーちーよーしーーー🎵
「そうそう、リンくん。リンくんこそ、ちゃんと身だしなみ整えてよね。朝起きるとさーぁ、髪の毛あっちゃこっちゃ飛びまわってるからね。帽子で隠そうったってダメだよ。ちゃんとおでを見習って、せめて寝ぐせくらい直してくれよな。身だしなみ、大事よ。」
「ボブぞに言われるとは・・・。気をつけまーす。ちゃんとヘアセットとメイクくらいはするつもりだもん。」
「そうだよ、セーケツカン!清潔感だからね。あっメイクは、ちゃんと顔洗ってからしてよ!」
「はーい・・・。(あたりまえだよ・・・どこまでライオンに言われなきゃいけないんだ・・・ブツブツ)。」
おで、身だしなみにはそこそこ気をつかうライオンだもの。
「ほら、リンくん。ブラッシングの手が止まってるよー。」
シュっシュっ。
シュっシュっ。
シュっシュシュシュっ。
シュっシュシュシュっ。
ボブぞ
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