集合は朝10時 – 正月の約束を果たす in ZOZOマリンスタジアム その1
「いぇぇぇぇぇぇい!おで、マリンスタジアムにやってきたぞー!」
JR海浜幕張駅から20分ほどをテクテクと歩いてスタジアムに到着したのは、朝9時55分頃だった。
カシャッカシャッカシャッカシャカシャ
スタジアム真っ正面のロゴの前でリンくんと記念撮影をしていると、5mほど先、ナナメ上から見下されるように視線を感じた。
パッとおでが振り向くと、そこには千葉ロッテマリーンズのキャップをかぶった背の高いオッサンがいた。
「オマエ・・・どっかで見たことあると思ったら・・・連れて来たのかよー。」
「おー!生リンアニだ!おはーにです!おで、ボブぞって言います。今日はよろしくお願いしますなの!」
そう。ココ、マリンスタジアムで、リンアニことリンくんの兄貴と待ち合わせをしていたのだった。
本来の約束は10時。リンアニからの指示では「着いたらグッズショップの前か喫煙所あたりにいるから来て」と言われていたらしいのだけど、ちょっとだけ早めに着いて写真を撮ってはしゃいでいる姿をバッチリ目撃されてしまったのだった。
オトモダチのみんなー、こんにちわーに!ライオンのボブぞです。
おでね、野球大好きライオーン!我が家のライオンボブ家三兄弟の中で、おでは特にスポーツ担当で、将来の夢は、オータニさんみたいなスーパープレイヤーになることなんだ。
あ。そうそう。リンアニのこと。
リンくんいわく、リンアニはね、子供の頃から野球が大好きなんだって。プレイヤーとしては下手の横好きで草野球くらいしかしてないけれど、むしろプロ野球観戦をライフワークとしていて、おおげさじゃなく、年間数十試合は観に行っているそうだ。
最推しは横浜DeNA。それ以外にもセパそれぞれ2球団ずつ、在首都圏の計4球団のファンクラブに入って、野球シーズン中は毎週末どこかの球場で生ビールを大量消費する生活を送っている。
そんなリンアニの計らいにより、おで、今日は、ココ、ZOZOマリンスタジアムで開催される、千葉ロッテマリーンズと楽天イーグルスのオープン戦を観に来たんだよ。
時をさかのぼること、3ヶ月あまり。
2024年、今年の元日の夜のこと。
「今年はさぁ、今江さんが楽天の監督になったから、マリン戦だったら観に行きたいなー!亅
リンママちゃんちで恒例の新年会が開かれていた。ニンゲンはリンママちゃん、リンアニ、そしてリンくんの3人、それからそれぞれのオハナ(ぬい)たちが食卓に集う。お正月料理のおせちや、焼きガニやらチーズやらをつまみつつ、ワインがすぽんすぽんと空いていく。
そして、酔いが回ってくると、リンアニ(リンくんの兄貴)は、いつもお決まりの野球談義を始めたのだそうだ。
「だそうだ」、というのはね、つまり、おではその場にはいなかったということ。おで、実はね、これまでリンアニの話をリンくんづてに聞くことはあっても、直接会ったことはなかったんだ、今日マリンスタジマムで会うまでは。だから、このお正月のできごとは、リンくんから聞いた話なの。
それで、リンくんは月に1回くらいリンアニと会うのだけど、いつだって、そう、特にお酒を飲んでるときは、8割がた、野球の話題らしい。
「ボブぞ、違う違う。9割5分、野球の話だよ。とにかく野球の話をしとけばいいんだよ。逆に他の話題なんて・・・ンー・・・っと、あ。オハナ(ぬいぐるみ)の話はよくしてるね。ゴメーン、やっぱり訂正しなおすよ。兄貴との話題、8割野球で、2割はオハナだったわ。」
・・・アハッ!リンくんの訂正が入りましたが。
そうそう、ついでに言っておくと、リンくんの兄貴は、リンくん同様、いや、リンくん以上かもしれないくらい、ぬいぐるみ好きらしいぞ。子供の頃から変わらず、一緒にゴハンも食べるし、一緒に寝るし、一緒におでかけもするらしいよ。
そんなわけだから、当然、新年会のテーブルにはたくさんのオハナ(ぬい)たちがごちそうをほおばっていた。おではお留守番してたから、あとから写真で見せてもらっただけだけどさ。
えっと、あ、話を戻してと。
「おー。今江さんな。3月にマリンで、楽天とのオープン戦あるぞ。えーっとたしか、17日だったかな。」
今江さん、というのは、元千葉ロッテマリーンズおよび元楽天イーグルスの選手だった今江敏晃さんのこと。2024年シーズンから楽天の監督になったんだよ。リンくん自身は、今江さんのファンだったとかそういうことではなかったのだけど、リンアニが今江さんの大ファンだったことを覚えていて、きっとリンアニが盛り上がるだろうと思って、酒のツマミになると思って話題を振ったまでだ。
とはいえ、事実、ZOZOマリンスタジアムなら我が家からはいちばん近い球場だし、リンアニもときどき来てるらしいから、もし万が一、一緒に観戦しに行くならマリンかな、という予防線は張ったみたい。
「オマエ、一緒に行くか?確か日曜日だぞ。」
「なんと!まじで?行こっかなー!さすがに3月の予定はまだ何も入ってないし。」
「おー。じゃあ、チケット取れたら連絡するわ。」
「オッケー!スケジュール、開けとくよ。」
・・・ってわけ。
リンくんも自分で話題を振った以上、断る理由を見つけられなかったんだって。リンアニとふたりで野球観戦に行くのなんて、子供の頃以来らしい。
そんなわけで、今年の正月、酔っ払った勢いで、リンアニと野球観戦に行く約束をして帰ってきたのだった。
「だってさぁ、ボブぞ聞いてよ。ましてや一緒に出かけるなんてお墓参りや法事くらいで、そういうときって兄貴は外食さえしないで帰っちゃうんだもん。その家に帰る理由だってね、自分の部屋でケーブルテレビで野球中継見たいからなんだよ?ホンットあきれるくらい、ある意味徹底してるよね。」
リンくん、翌日リンママちゃんちからチーバに帰ってきて、そんなことをブツブツ言っていたけれど、これまでになかった機会にちょっとだけわくわくもしているらしい。
少なくとも、おでにはそう見えたぞ。
「ねぇねぇボブぞ、一緒に行くでしょ?野球だもんね?」
「エー・・・行きたいような気もするけど・・・おで、リンくんの兄貴にかわいがってもらえるかな?」
「オハナ好きだからダイジョブでしょ。」
「うーん。考えとくよ。」
「えぇ、是非とも前向きにね。わたしも兄貴とふたりじゃ時間が持たないかもしれないし、ボブぞについてきてもらいたい。」
「あーい。」
そして、迎えた3月17日ニチヨービ。いよいよその日がやってきた。
予報によれば気温が20℃近くまで上がるという快晴の朝。起床は7時、家を出たのは、8時過ぎだよ。
「野球観戦って、そんな朝早かったっけ?」
おでは眠たい目をこすってリンくんのリュックのなかから話しかける。
「だってさぁ、わたしだって、一昨日兄貴から来たLINEにビビったんだよ。”集合は現地に10時な”、ですってよ。」
「ひええ。早っ!」
「試合開始は13時。開門は11時。なぜ、10時・・・って思うでしょ?そしたら、”ソトさんのタオル買いたいしな”、だって。もうさ、今日イチニチは、文句を言わず兄貴にすべてを委ねることに覚悟を決めようと思う。」
(※Rin注: ソトさんというのは昨年シーズンまで横浜DeNAにいた助っ人外国人選手で、今期からは千葉ロッテマリーンズに移籍した。我が兄貴は、その最新グッズであるタオルをいち早く入手したいらしく、グッズショップのオープン10時に並んで買おうという魂胆だということがわかった。)
同じチーバ県の北西部とはいえ、我が家からZOZOマリンスタジマムまではなんやかや1時間半ほどはかかるんだよね。途中、乗り換え駅の立ち食いそば屋さんに寄って、朝ゴハンのかけそばをいただく。ココはJRのチェーンのおそば屋さんだからさほどの特徴はなかったけれど、温かいおだしを飲めて、おで、ホッとおなかもココロも落ち着いたんだ。
京葉線のホームに行ってみると、ニンゲンたちでごった返していた。
あぁそっか?えーっと・・・?一瞬、夢の国へ行く人たちなのかと思ったけど、あんまりそういう雰囲気でもないみたい。じゃぁ、そんなにみんな幕張へ行くのかな?エーッ?と驚いてしまったの。
人混みのニガテなリンくんとおでは、ギュぅっと小さくなって、ホーム上の列ともいえない列に並んだ。ふと見ると、目の前のご夫婦は、真っ黒なリュックをお揃いで背負ってる。よくよく見てみると、お、Mのロゴ。
「マリーンズのロゴだね?」
リンくんに小声で話しかけると、リンくんがすでに半分疲弊した声で返してきた。
「はぁー・・・。こんなに朝早くスタジアムへ行く人なんて、うちの兄貴くらいかと思ってたよ。いるんだねぇ・・・。多分ファンクラブのグッズのリュックだよね、ガチファンだぁね。」
逆にいえば、試合開始ギリギリに行こうとすればもっと大変な混雑に見舞われたのかもしれなかったってことだよね。もしそうだったら、おで、電車のなかでもみくちゃくっちゃーにされてたかもしれなかったから、リンアニが早い集合時間にしてくれたことにはむしろ感謝しなくちゃいけなかったのかもしれない。
9時半に海浜幕張駅に降り立つと、リンアニからLINEが来ていた。
“マリンスタジアムのペットボトル、超高級素材使ってるらしくて値段高いから、どっかで買ってきたほうがいいぞ。”
「へいへい、”そう思ってもう買ってきた”、っと。」
「リンくん、なぁリンアニのいう、”超高級素材”ってナンダ?」
「あぁ、それはリンアニなりの独特な皮肉っていうか?単なる表現の問題だね。」
「フーン、わかりにくいな。めんどくせっ。」
「うん、そういう人なのよ。まぁイチニチがんばって付き合ってやって。」
「へーい。」
おでらは連れ立ってスタジアムまでの約20分の道のりをテクテクと歩いていった。同じ方向へ向かっていくニンゲンたちがたくさんいるはいるのだけれど、どうやらすべてが黒いMマークをまとった野球ファンばかりというわけではなさそうなんだ。
むしろ、hololiveっていうロゴのついたグッズや推しぬいを持った人たちがいっぱいいた。マリンスタジアムよりも手前にある幕張メッセ方面へ人の流れができあがっていた。
「あで?マリンスタジアム方面へ抜ける人は少ないんだね?」
「ホントだぁー!京葉線の混雑は、むしろ幕張メッセだったんだね。なんかイベントやってるみたい。」
メッセの歩道橋を降りて、その先にあるホテルニューオータニやアパホテルの前を通過する頃には、スタジアム方面へ向かう人はかなり少なくなってきた。
「うー。風強いなぁ・・・。いくらマリンスタジアムは海風が強いといっても、今日はヤバそうだ。」
「おで、飛ばされちゃうよ!」
「ホントだねぇ。気をつけてよ。」
「気をつけるのはリンくんのほうでしょ。おでのこと、ちゃんと抱っこしててよ?いい?」
「はいな。お任せくださいね。ギュぅっとね。」
そんなこんなで、おでらはZOZOマリンスタジアムの真正面にて無事に待ち合わせをすることができた。身長185cmののっぽアタマにはご多分にもれずMマークの黒いキャップ、そして、背中にはMマークの黒いリュックを背負っていて、なかには応援グッズが詰まっているらしい。
かたや、リンくんは超丸腰、千葉ロッテマリーンズのグッズは、ひとつも持っていない。
「おい、ショップ並ぶぞ。」
「へーい。」
時計はまだ朝10時をまわったばかり。本日の風速予報は10m、屋台メシののぼり旗がバタバタと音を立てている。
さぁ、暴風吹き荒れる中、リンアニとの長いイチニチが始まったよ。
「ある意味・・・プレイボール!か?」
ボブぞ
「ライオンボブぞ vs リンアニのオハナたち – 正月の約束を果たす in ZOZOマリンスタジアム その2」
https://bobingreen.com/2024/03/26/8727/
「初めてのサシ飲みでゲームセット – 正月の約束を果たす in ZOZOマリンスタジアム その3」
https://bobingreen.com/2024/04/04/8810/
千葉ロッテマリーンズ 公式ホームページ
https://www.marines.co.jp/
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