すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第16回お不動さんのお庭でヤマガラさんに出会う

ニーニーニー！
ニーニーニー！

本堂のお参りを終えて裏にまわる。石段を登って「成田山公園」の看板をくぐるとすぐ、大きく声を張り上げる一羽の小鳥さんにお出迎えされたの。頭上左手、白い花を満開に咲かせたゴツゴツとした梅の木の枝に、オレンジ色のおなかをぷっくりとさせた、あの独特の鳴き方は、そう！ヤマガラさん！

「うわぁぁぁぁぁっ！ヤマガラさん、いるよ、いるよ！やっと会えたぁ！」

とってもうれしくて、コーフンするキモチをなんとかおさえて、小声でリンくんに教えたの。

オトモダチのみなさーん！こんにちわーに。

鳥さん大好き、野鳥レポーターのウサギのすずこと鈴之助でっす。

さぁぁぁさっそくいってみよー！
すずちゃんのぉぉぉぉぉっ野鳥にびっくりでSHOWぉぉぉぉぉっ！
第16回はチーバは成田からお送りします。

お不動さんのお庭こと成田山公園は、不動明王のいらっしゃる成田山新勝寺の広大な敷地のなかにある緑豊かな公園なんだ。我が家は年に数回来るのだけど、今回は昨年11月の紅葉まつり以来の参拝、2024年に入ってからは初めてだよ。

季節はちょうど梅の盛り。先月から始まった梅まつりが今週末で終わりということで、参道も境内も、朝早くからニンゲンたちでにぎわっているよ。

ニーニーニー！
ニーニーニー！

すず、野鳥観察を始めて約1年、これまでいろんな鳥さんを探しては、知らなかった種類を図鑑とかで調べてひとつひとつ覚えてきたの。この数週間、特に会ってみたいなって思ってたのが、まさに、いま目の前にいるヤマガラさんなんだ。

それはね、先月、2月22日のこと。
リンくんがやってるTwitter・・・じゃないや、Xってやつでね、2月22日はヤマガラの日、って教わったんだ。もともと、”ニャーニャーニャー”で猫の日、というのが有名だと思うのだけどね、実は鳥好きさん界隈では、”ニーニーニー”と鳴くからヤマガラの日っていう話題のほうが盛り上がっていたんだ。リンくんがこっそりファンなのが、いろんな鳥さんを精密にデザインしたアイシングクッキーを作っている鳥類菓子図鑑さんと、さまざまな鳥さんを精巧な刺繍小物で表現する羽と糸＊鳥の刺繍作家＊さん。もちろん野鳥写真家さんたちもたくさんアップしていたけれど、このおふたりのアカウントでヤマガラの日を紹介してくれていたから、すず、ヤマガラさんを知ることができたんだよ。

それからね、ヤマガラさん見てみたいなぁってリンくんにXでつぶやいてもらったら、鳥さんに詳しいオトモダチが、「シジュウカラさんやコゲラさんの混群によく混じってるよ」って教えてくれたの！

もぉ、それからというもの、すずね、近所をお散歩したり野鳥観察にお出かけしたりするたびに、ニーニーいないかな？ニーニーニー！って探してきたんだ。

今日のお出かけの本来の目的は、我が家に新しいオハナ（家族）が増えたから、その報告と出世のお願いのために、新勝寺のお不動さんと出世稲荷のお稲荷さまへのお参りにやってきたはずだった。去年11月にやってきたスズメのうづめ、そして、今年2月にやってきたハシビロコウのパブロヲ、このふたりが、我が家に仲間入りして、これから活躍できますように、ってね、そういう目的だったのだけど。

ニーニーニー！
ニーニーニー！

すず、ヤマガラさんに、大歓迎されちゃったよぉ！

生で聞くニーニーは、どちらかというと、「ねぇねぇ！」とも聞こえる気がする。
それはまるで、「ねぇねぇすずちゃーん！ねぇねぇすずちゃーん！会いに来てくれてアリガトぉ！ねぇねぇねぇ！すーずちゃん、あーそぼ！」って、すずに呼びかけてくれているようなの。

ねぇねぇねぇ！
ねぇねぇねぇ！

アハッ！すず、とってもうれしいの！

「リンくーん、ヤマガラさんのお写真、撮れそう？」

「うん・・・、頑張ってみる！」

小声でリンくんに話しかけると、すでにカメラを構えてカシャカシャと連写しまくっていた。

成田山にお参りするのにどのカメラを持って行くのか、という相談は昨日のうちに済ませておいた。野鳥撮影を目的としたお出かけじゃない場合は、普段なら、ミラこ（レンズが野鳥向きじゃないミラーレス一眼）か、もしくはいちばん身軽なソニお（ソニーの超コンパクト）のことが多い。だけれど、すずがひとこと、「もしかしたらお不動さんのお庭で鳥さんに会えるかもしれないよ。ねぇねぇ。」って言ったから、いま、リンくんはルミぞう（パナソニックLUMIXの超ズームできるネオ一眼）を頭上に構えている。

「はぁー！すず、良かったねぇ。もしかしたら、ヤマガラさんに会える予感があったのかもねー？」

カシャカシャカシャ
カシャシャシャシャシャッ

複雑にぐねぐねと節くれだった梅の枝をよけながら、ヤマガラさんにかぶらないような角度で撮るのは結構難しいらしかった。リンくんはルミぞうをめいっぱいにズームして、腕も伸ばして、プルプルしながら、なんとかいいショットを撮ることができたみたい。

「ほへぇぇぇぇぇ。首痛い。」

リンくんいわく、野鳥撮影には首肩、それから腕の筋肉をめちゃくちゃ使うらしい。ずっと上を向いているから、強力な日焼け止めを塗っているはずなのに、最近のリンくんは鼻の頭やほっぺたが赤く日焼けしていることも多い。

それでも鳥さんを観察することは、鳥さん自体がかわいいのはもちろんだけど、その瞬間瞬間の空の色、お日さまの角度、気温、風向き、それにまわりの植物や動物、虫たち、すべてが違うから、とっても面白いんだ。

「わたし、10代におじいちゃんから形見にもらったフィルムカメラを使っていた頃から写真を撮るのは好きだったんだけどね。被写体として野鳥さんを撮るようになったのはほんのこの1年のことだけど、とっても楽しい。」

そんなリンくんは、こないだトーキョーのリンママちゃんちへ行くついでに、新宿のヨドバシカメラ本店のしかもカメラ総合館に寄って、野鳥撮影向きの本格的なカメラとレンズの説明を聞いて、パンフレットをもらって帰ってきたくらいだ。

「すずはね、リンくんが本格的な野鳥観察ギアを揃えてくれたらとってもうれしいけどねー！そしたらね、リンくんを”すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW”の正式なアシスタントにしてあげるよ！」

「エッ・・・！これまでわたし、正式なアシスタントじゃなかったの？すずのこと抱っこして現地まで連れて行って、めっちゃ写真撮って、それから鳥さんのお名前とか調べて・・・、こうやってブログにもレポートまとめてさぁ。」

「アハッ！感謝はしてるよ、でもね、まだ見習いでしょ？」

「あふーん・・・。すずちゃんレポーター、キビしいのねぇ。」

「もっと撮影上達して、鳥さんのお勉強もして、これからもアッチコチいっぱいの鳥さんに会いに行こうね。」

「はーい、すずちゃん先生、ついていきますよ！っていうか、お連れしますよ。うふふ。」

成田山公園内をぐるぐると歩き回っていたら、林の中でも別のヤマガラさん集団を発見したよ。
太めの木の枝が切り落とされたその断面がくり抜かれたようになっていて、ヤマガラさん、その穴に顔を突っ込んでつんつくと突いているよ。コレはどんな行動なのかなー？木の実や虫でも貯めているのかな？
あとからリンくんが調べてくれたら、ヤマガラさん、くちばしが固くて、キツツキさんみたいに木をつつくらしい、けれど、こんなに深い穴も掘れちゃうのかな？それとも他の鳥さんが作った穴をお借りしてるのかなぁ。なんだか想像するだけでも面白いね。