ひなまチュンりにお呼ばれしたチュン
こんにチュン!スズメのうづめだチュン。
このおうちに来てから3ヶ月ほどが経ったの。ワタシ、今日は初めてこのブログでおしゃべりしてみようと思うんだ。どうぞよろしくチュン!
「いらっしゃーい!」
「あら、リンママちゃん、お久しぶりね。ボブこよ。あのね、今日は新しい仲間を連れてきたわ。スズメの女の子で、名前はうづめっていうの。」
「うづめだチュン!よろしくチュン!」
リンママチュンっていうニンゲンは、リンくんのママチュン(※Rin注: リンの母のこと)らしいの。ワタシ、会うのは今日が初めて。
ボブこネーチュン(※Rin注: ライオンのボブこのこと。姉さん→ネーチュン)とワタシは、リンくんに抱っこされて、リンママチュンにごあいさつをしたんだ。
「その後、右膝、どぉ?その傷じゃぁ今年はおひなさま出せないかと思ったけど、よく頑張ったねぇ。」
リンくんがリンママちゃんに話しかける。リンママちゃんは、今年の年初早々に、近所で買い物中に転んで右膝をしかと打ち付けた影響で、ここ2ヶ月ほど、ずっと通院していたんだって。
「ようやく開放されたの!もうあとは自分で消毒してばんそうこう貼っときなさい、ですって。はー、ホント長かったわぁ。傷よりも抗生物質が合わなくてそのアレルギーがキツかったの。」
「そぉかぁ・・・。年取るとねぇ、免疫力も落ちるしね。まぁ、でもようやくここまで治ってきてよかったね。気をつけて生活してね。」
「おひなさまも出せて、よかったわぁ。」
「うん、アリガトね。」
リンママチュンの怪我はだいぶん良くなって、もうお風呂にもつかってもいいし、お家のことも問題なくできるようになった、という話をしているみたい。
それで、今日はひなまチュンり(ひなまつり)パーティーにお呼ばれしたんだよ。
「あ、ボブこ、うづめ、せっかくだからおひなさま見に行こう。」
ハァイ!とボブこネーチュンが返事をして、奥の部屋へ入っていった。ワタシも急いで、チュン、チュン、とあとについていく。
ワタシ、おひなさまっていうのが何かをよく知らなかったんだけどね。
ニンゲンのカタチをしていて見慣れないきらびやかな服をまとっているそれは、右は女子で左は男子らしい。顔もカラダも小さくて、かたくて、動かないんだ。
「ねぇねぇ・・・あーた(アナタ)、生きてるチュンか?」
おそるおそる右の女子のほうに話しかけてみると、リンくんは笑って言った。
「アハッこれはね、ひな人形っていって、生きてないよ。動かないし、しゃべらないの。」
「ふーん?」
リンくんの説明は、よくわからなかった。
うづめはこのおうちに来て、すっかりもうおしゃべりできるようになったし、オハナ(家族)のみんなといろんなところへお出かけするし、今日だって、こうやってリンママチュンのおうちにお呼ばれしている。おひなさまっていうのは、ジィっとここで座っているだけらしいの。しかも、年に1回、ごく短い1~2周間くらいしか出してもらえず、それ以外の日々は箱の中に入って、さらに暗い押入れの中に入って、お日さまを浴びることもできないらしい。
「キレイねー。うふふ。」
ボブこネーチュンはなんだかうれしそう。ワタシにはそのうれしさはよくわからなかった。
リンくんにうながされて、おひなさまの前で写真を撮る。なんだかよくわからないけれど、どうやら、女の子のお祭りなんだって。このおひなさまはリンくんが生まれたときにオジーチュンオバーチュン(おじいちゃんおばあちゃん)に買ってもらった、大切なものなんだって。
「あ!だからうづめもお呼ばれしたチュンか?」
我が家で女の子はボブこネーチュンとワタシだけだから、そういうことだったみたい。
ワタシたちがおひなさまを眺めていたら、リンママチュンが呼びに来た。
「お昼にしましょっか。」
食卓へ行くと、鮮やかに彩られたひと皿に、一瞬で目をうばわれた。
「うわぁー!コレはなんだチュンか?」
ワタシが質問すると、ボブこネーチュンが答えてくれた。
「コレはね、ちらし寿司よ。お酢のゴハンにしいたけやゴマやを混ぜて、その上にお魚やエビや錦糸卵やらを載せたごちそうだよ。ひなまつりには昔からちらし寿司って、決まってるのよねー。ウフフ。わたし去年もいただいたんだけどね、リンママちゃんのちらし寿司は絶品よ!」
「あ。待って待って。さっきデパ地下でおつまみも買ってきたよ。みんなでひなまつりのお祝いしよう!」
ニンゲンのリンくん母娘とライオンのボブこネーチュン、それから、リンママちゃんちの女の子たち(くまーな、キラちゃん、メイちゃん)が集まってきて、みんなでカンパイして、ひなまリュンりパーティーはスタートだよっ!
「せーのっ!カンパーイ!!!」
ワタシ、スズメのうづめ。女の子に生まれてきたら、ニンゲンのカタチをしたキレイなおひなさまっていうのに会って、それから、ちらし寿司っていうキレイな食べものを食べて、リンママチュンはとってもうれしそうに笑っていて、リンくんもほろ酔いで楽しそうにしゃべりたおしていて、それから、いろんな新しいオトモダチにも会って、なんだかシアワセな時間を過ごしたの。
「アリガトチュン!みんなだいすきチュン!」
ひなまチュンりって、楽しいね!お呼ばれ、アリガトチュン!
うづめ
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