雨上がりの空の匂い
クンクン
クンクン
雨上がりの、真夏の夕暮れ。
おれは今しかない、こんな瞬間が愛おしくて、空を見上げてしまう。
ゲリラ豪雨はキライだけど、カミナリさまはニガテだけど。
今日の雨は、窓ガラスに張り付いた土ぼこりを、まるでケルヒャーのように洗い流してくれた。
クンクン
クンクン
夏の雨上がりの空には、ニンゲンたちのイチニチの汗の匂いが混じっていると思う。
・・・ン?
あぁ。なぁんだ、おれを抱っこするリンくんの匂いだったか。
「ボブお、わたしシャワー浴びてくるね。」
「おう、おれ、もちょっとココにいるよ。亅
そうやって、おれらは今日も夏の夜を迎えるのだ。このみどりテラスで。
ボブお