中年男と中年グマ
わしゃわしゃわしゃわしゃ!
「うぉー?なんだなんだ?エンチョーめずらしいなぁ!」
もしゃもしゃもしゃもしゃ!
晩メシ終わりの夜10時過ぎ。
ほろ酔いのゴキゲンなケンイツエンチョーが、おれの座るソファと壁のすき間にギュぅっと入ってきた。
いつもの食後なら、リンくんが座ってウトウトするスペースだから、めずらしいことなのだ。
「もぉっつぅぅー!わしゃわしゃわしゃわしゃ!」
「ぬふぉー。ニンゲンのオッサンがオッサングマに絡んできたぞぉー?」
「もっつぅー!カワイイなー!もしゃもしゃだなぁー!もしゃもしゃもしゃもしゃ!」
エンチョーからは、ぷぅんとニンゲンのニオイがして、そこにアルコールのニオイが混じってる。
両手が、おれの顔を行ったり来たり、高速になでまわしてくる。
むふー・・・。
ンーっと、おれ、もしかして絡まれてるのかなぁ?
「だぁれぇかー!助けてくれよぉ。」
(しーん・・・)
誰からも返事がない。ライオンのボブ家のみんなも、フクもハチまるも、みんな知らんぷりだ。
「ねぇってばー!だれかー!リンくんでもいいからぁー!!!」
「あっははは!もっつ、めぇずらしぃー!エンチョーに遊んでもらって良かったねぇ!」
はぁ・・・。エンチョーが寝落ちするまでガマンするしかなさそうだな。
それからリンくん、あとで覚えてろよ・・・!むぅ!
もっつ
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