すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第5回 手賀沼生まれのふわふわモフモフひなちゃん

シィー・・・しずかに。しずかに。

エーッ、早くも5回目を迎えました、すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW!
野鳥レポーターのすずこと鈴之助でっす。
本日は、訳あって、とってもとっても小さな声しか出せません。ですので、いつもは元気いっぱいの高い声でレポートするのですが、今日は、ささやき声でお送りしまぁす・・・。

「あ。座ってたほうがいいですよ。」

「あ。ハイ。」

ジィーっと。ジィーっと。ココロ静かに、呼吸も静かに。目の前の感動的な光景をただただ、見つめていた。

リンくんはカメラのシャッターを押すのだけれども、サイレントモードじゃないことに気が引けて、いつもみたいな無駄連写はせずに、静かに、一枚一枚を慈しむように撮っていた。

“ジィーっと。心静かに目の前の光景を見つめていたの”

さて。
今、わたしたちは、手賀沼の北西の端の辺りに位置する、北柏ふるさと公園にやってきています。以前手賀沼に来たときとはまた別のエリアだから、どんな地形でどんな鳥さんがいるのか、ドキドキワクワクだよ。

バス釣りで人気のエリアのようで、そこかしこで水辺に座ってはルアーを落とす人たちでにぎわっています。

すずはね、いつものようにリンくんに抱っこされて、野鳥さんを探索していたの。

そうしたら。こんな手書きの看板が。

“ルアー釣りをされる方 ハクチョウ抱卵中です 驚かさないよう よろしくお願いします”

なんとぉー!ハクチョウさんが卵を暖めているそうなんです。

と思ったら、すぐその向こうの水草の茂みに一羽の白いモコモコが見えたよ。

「あ。ハクチョウさん!あの子が卵暖めてるのかぁな?」

「そうかもねー!いやぁ。ここで子育てするんだぁーすごーい!」

“ルアー釣りで人気のスポットみたいでこんな看板があったよ”
“奥の水草の茂みで抱卵しているハクチョウさん”
“どれくらい卵を温めるのかなぁ・・・”

リンくんと小声でコソコソとおしゃべりをしていたら、後ろのほうで蛍光グリーンのジャンパーを来たいかにも野鳥観察玄人っぽいオニーさんが、なにやら釣り人に話しかけている。

(こそこそ・・・こそこそ・・・)

「あ。もしかして、この看板の人かな?釣り人にお願いしてたのかも。」

確かに、この看板から10mと離れていないところでルアーを垂らしていた人たちが、蛍光グリーンさんと話したあとに少しだけポイントを変えていったのだった。

「フーン。もしかして鳥博士?鳥博(鳥の博物館)の人とかかな?野鳥保護の人かなー?」

「んー!きっとそうだよ。なんなら、鳥博の館長かもしれぬ!」

グリーンベースの迷彩柄のメッシュのアウトドアパーカーを着て、カメラを首からかけたリンくんも、見た目だけはちょっとそれっぽいけど、中身は超ド素人の初心者バードウォッチャーだ。

すると、蛍光グリーンさんが沼の端の水草のほうを、ジィっと静かに見ていることに気がついた。

ジィー・・・

その視線の先には、なんと、ふわふわモフモフの小さな鳥さんがいた。お母さんハクチョウがそばでエサの取り方を教えている様子だ。

「・・・うわぁ・・・!」

すずね、あまりのふわふわモフモフのひなちゃんに、びっくり、びっくり!
すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW!なの!!!

こんなに間近で野生のハクチョウさんの親子を見ることができるなんて、とっても幸運なの。蛍光グリーンさんの手前で立ち止まって、すずもね、リンくんと一緒にハクチョウ親子の様子を見守ることにした。

“コブハクチョウの親子”
“エサの取り方を教えているみたい”

一歩近づこうとした瞬間に、蛍光グリーンさんから、優しくさとされたのだった。

「あ。座ってたほうがいいですよ。」

「あ。ハイ。」

リンくんは、言われたとおりにその場にしゃがんだ。すずも一緒に、静かにして様子を見守っている。
けれどね、リンくんてば、声には出さないけれどどうやらダイコーフンしてしまったみたいで、ついつい、黙ってはいられなかったみたい。 

蛍光グリーンさんにそぉっと話しかけた。

「・・・いつ生まれたんですか?」

「・・・生まれたのは、ちょうど2週間前*ですね。」

・・・!2週間!!!
生後2週間のコブハクチョウのひなちゃん、発見、発見!発見ですっ!!!

“生後2週間のコブハクチョウのひなちゃんに会えたよ!”

お母さんハクチョウはくちばしが大きく黄色く、カラダの羽根はほぼ白いのに対して、赤ちゃんハクチョウは、くちばしが茶色くて、カラダの毛は少しクリーム色がかっている。そして、何よりも、ふわっふわのモッフモフ!まるでぬいぐるみみたいなの!!!
そのひなちゃんが水の中で、一生懸命くちばしを使って葉っぱをつついたり顔をもぐらせたりしているのが健気でとっても愛らしいんだ。

「ねぇねぇ、すず、初めてハクチョウの赤ちゃん見たよ!」

「もちろん、わたしもだよぉーーー!すず、持ってるね!」

「エヘヘエヘヘ、すず、だって、野鳥レポーターだもぉぉぉん!」

“ふわっふわのモッフモフでぬいぐるみみたい”

静かに、静かに。驚かさないように、抜き足差し足忍び足。ゆっくりと動いて、何枚か写真を撮らせてもらった。

そしたらね。蛍光グリーンさんが、とっても小さな声だけど、すずに向かって言ってくれたの。

「ありがとう。」

「あ、ありがとうございました。」

一緒にハクチョウの親子を見守った数十分の間だったけど、なんだか蛍光グリーンさんへの敬意と親近感が生まれて、ほっこりと温かいキモチになったよ。

しばらく見ていると、ハクチョウ親子は、スゥッと奥の方へと泳いでいった。

蛍光グリーンさんはその姿を最後の最後まで見守り、そして、ガッツポーズを決めながら、何かハクチョウ親子に話しかけているように見えた。

「がんばれ、がんばれ。負けるな、がんばれ。」

なんとなくだけど、そう言っているように聞こえたよ。

やっぱり手賀沼は、びっくりびっくりがたくさんのすごい野鳥スポットなのでした。

以上、すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW、手賀沼生まれのふわふわモフモフひなちゃんの紹介でした!

また次回お会いしましょぉ!

パタパタパタパタ!

鈴之助

後日譚。
すずね、あのひなちゃんにお名前つけたの!「こすず」だよ。次に手賀沼へ行ったら、もうちょっと大きくなって会えるかなぁ?とっても楽しみだなぁ!

*Rin注: 撮影日は、2023年5月13日でした。このコブハクチョウのひなが生まれたのは4月30日だったそうです。抱卵中の親鳥もいたから、さらに赤ちゃんハクチョウが増えてるかもしれないね。
ただね、このあとに大雨が降った影響で、この一帯が浸水したらしく、その後、6月10日に偵察に行ったときには会えませんでした。どうか無事でありますように。

北柏ふるさと公園 / 千葉県柏市
https://cis-natcon.com/kashiwa/kitakashiwa/index.html

我孫子市 鳥の博物館 公式ホームページ
https://www.city.abiko.chiba.jp/bird-mus/

※鈴之助レポーター、初の手賀沼はこちらのお話↓↓↓
「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW ー 第3回 手賀沼デビュー戦」
https://bobingreen.com/2023/05/24/4997/

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW ー 第4回 左三つ巴紋に雀」
https://bobingreen.com/2023/06/09/5228/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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