ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第9回 なか卯でヒンヤリ 二八の「すだちおろしそば」

「うっはー!アッチーアッチーアッチッチーの、チー!」

オトモダチのみなさーん!こんにちわーに!ライオンのボブぞです。

先週梅雨も明けて、夏、真っ盛り!

今日は午前中、リンくんとおさんぽに出かけてね、その帰りにおそばを食べに来たよ。

ハイッ!

ってことでー、やってまいりましたよ、このコーナー!

「ライオンボブぞのぞぞっと立ち食いそば」!

このコーナーで紹介するためってわけじゃぁないけれどさ、うちのリンくんってば、お外でおそば食べたいねってモードのとき、フルサービスのおそば屋さんじゃなくって、いっつもセルフのお店*を探してるんだよ。なんだか本末転倒じゃね?

「いや、そんなことないもん。リーズナブルでササッと食べられてニンゲンひとり(とライオン)でも入りやすいし。ね?」

*Rin注: このコーナーで紹介するお店は、厳密には立ち食いじゃなくてもOKとしています。お会計が食券方式だったり、上げ膳下げ膳を自分でするお店、とゆるーく定義しています。

んで。今日は、なんと、ななんと!

な・か・う!
な・か・う!

あの、なか卯にやってまいりました—っ!

「なか卯ってさぁ、親子丼やさんでしょ?すんげーうまいよなぁ。」

「そうそう。なか卯の炭火焼親子丼、昔よく食べたよねぇ。飲んだあとについつい買って帰っちゃってさ・・・深夜に夜食で・・・でへへへ。」

「って、うん?で、そのなか卯で、おそばなの?」

「そうそう。今ねぇ、季節限定のうどん&そばメニューがあって、それがとってもおいしそうなんだ。」

リンくんの前情報にのせられて、さっそく、なか卯に突撃です!

ランチタイムのピークを過ぎたであろう午後1時半頃。
窓ガラス越しに店内をのぞくと、なんと数名の列が。ただよくよく見ると、座席には比較的余裕があって、特に混んでいる様子はない。

ガーッと自動ドアが開いた瞬間にわかったのは、入口のところにある2台の食券機に人が並んでいるだけだった。どうやら杖をついたご年配のおじいさんが操作に手間取っていてそれが列を長くしているだけのようだ。

ジリジリとアスファルトを焼く太陽の光から逃げようと、おではリンくんとすかさず店内に滑り込む。

リンくんは、タッチパネル方式の食券機の前で、ポチポチと画面を進めていく。これまでなか卯では親子丼しか買ったことがないから、初めてのルートをたどることになる。

「えーっと・・・。”丼”じゃなくて、”うどん”メニューから入っていって・・・。それから、うどんじゃなくて、そばを。おーっと、うどんとそばで値段違うからボタンも別か!ハイ、ポチッとな!」

(「ペイペイ!♪」)

Paypayでお会計。出てきた食券には、こう書かれていた。

「(並)すだちおろしそば ◆カットすだち2個 ¥670」

「おぉぉぉ!すだちおろしそば!なんて涼やかな響き!今日の酷暑にピッタリだな!」

「でしょでしょー?いいでしょー?」

「おで、楽しみだー!」

入口近くのテーブル席に座ると、おでらは番号が呼ばれるまで待った。

食券の番号はNo.099。メヒアの背番号と一緒だ。(※元西武ライオンズで2021年まで活躍したベネズエラ出身のエルネスト・メヒア選手のこと。おで、昔はよくメットライフドーム・・・いまのベルーナドームか、へ観に行ってたんだよ。)

“食券の番号はNo.099、メヒアの背番号!”

(「キュウジュウキュウバンノオキャクサマ・・・」)

「あ!呼ばれた。」

オーダーシステムの機械の声に呼ばれて、リンくんが商品を受け取りに行く。
食券を買ってからの待ち時間は約5分ほど。なか卯といえば丼モノだし、麺類であってもそばではなくうどんのほうがメイン商品だから、もしかしたらおそばは遅いかも?と懸念していたけれど、そんなことはなかった。ちゃんと食券を買った順番通りに、提供されたのだった。

「ハイ、お待ちぃ。」

お盆を持ってリンくんが戻ってきた。

「うわーい!どんな感じ?」

大根おろしは、あらかじめ刻みネギと一緒にそばの上に盛りつけられている。めんつゆもすでにかけてあるね。それから、そば椀の横には、丸ごと1個分のすだちが、半分に切られて別皿に添えてあった。

“なか卯「すだちおろしそば」、すだちは別皿提供”

「ほーうほーう。ヒンヤリうまそ!」

「んだね。あ、そうそう。なか卯って、使ってるおそばはなんと二八らしいよ?」

「えー!ニハチなの?いいねぇいいねぇ。十割とはいわんけど、ニハチはうれしいじゃん!」

そう。なか卯のおそばは二八そば、つまり、そば粉を8割(残りの2割は小麦粉、ほかにつなぎを使っていなければだけど)使用した麺を使用しているらしいのだ。たしかに、メニューの写真のところにも大きく「本格二八そば」と書いてあった。

“すだちのせてみました、涼やかな見た目”

「リンぐーん!すだち絞って?おで、お手てビチョビチョになっちゃうのヤダー。」

「ハイハイな。ハイ、ぎゅーっ。もいっちょ、ぎゅっぎゅっぎゅっギューッ!」

リンくんにギュゥっとすだちを絞ってもらうと、おでの鼻先にふぅわりと爽やかな香りが届いた。

んじゃ、せーのっ。

「いっただっきまーす!」

“いっただっきまーす!”
“丸ごと1個分をギューッと絞ると爽やかな香りが立つ”

めんつゆの量はさほど多くなく、その水位はそばの下に隠れている。すだちそばって聞くと、冷やしたおだしの中にそばが沈んでいて、その上に薄切りのすだちを浮かべているやつを思い浮かべるけれど、それとは違う、いわゆるぶっかけスタイルだ。

「コレはおろしを絡めながら食べる系かな」とか言いながら、リンくんがぐるぐるぐるーっと大きく混ぜ混ぜしてくれた。
それから、すっと箸上げをしてくれたそのひとくちめを、おでは満を持してすすった。

ぞぞっ・・・

“ぞぞっ・・・”

「・・・どぉ?」

「お!うめーぞ!うん!いい!」

「どれどれ・・・?」

リンくんもぞぞっとひとすすり。

「ほー!なか卯、やるねー!」

「んだね。んだね!なか卯でおそば食べるのは初めてだけれど、親子丼のサイドメニューとかじゃなくて、全然メインメニューとしてイケるんだね。」

おそば自体はどちらかといえば細めで、少しゴワゴワとした食感。ストレートじゃなくて、ゆるゆるとうすらウェーブを描いているのが特徴だ。茹で加減はほんの少し固めといった印象で、よくある駅そばの茹で置き麺のようななよっちさはなく、しっかりとした食べごたえがあるよ。

めんつゆは、塩辛すぎずかといって甘くはなく、その点ではおでの好みの範囲だけれど、ちょっとおだしの風味は弱いかな?つけつゆではなくてぶっかけで、しかも大根おろしが吸っていくから、おそばをすする時に香りを感じにくいのかもしれない。

「めちゃくちゃフレッシュなすだちがおいしいから、それで食べる感じだねー。」

「いや、ホントよ。実はさ、券売機でオプションメニューで”追加すだち”の項目もあったんだんだよ?まぁ、もっとガッツリすだち感欲しい人はそれもアリかもしれないね。」

うむうむ、とおでらは感想を言い合いながら、ぞぞっ・・・ぞぞぞっ・・・と食べ進めていった。

「あ。そうそう。せっかくだから、七味やっとく?」

無類の七味好きのリンくんが、卓上の七味を指差す。「特製なか卯の香りとうがらし」と書かれたビンを手に取り、クンクン。そして、バサバサーっと大胆にふりかけた。

“卓上には「香りとうがらし」のほかに「京風山椒」も”
“とうがらしはバサバサーっと大胆に”

「あーっ!合うね!合うに決まってるよね。」

口の中をサッパリとさせてゆく大根おろしを、いわば七味でもみじおろしにしちゃうような感覚。もみじおろしすだちそば、と言ってもいいかもしれない。個人的にはもっととうがらしの香りが強ければうれしいのだけれど、卓上の七味で香りを保つのは難しいのは想像がつくのでそこは仕方なしと思う。
(ちなみに、前回訪問した「かのや」さんの卓上一味とうがらしは、ホンットに隙なしのうまさだった。あのクオリティを保てるお店はすごいなーと改めて感じる)

ぞぞっ・・・ぞぞぞっ・・・

ふぅー!お外を散歩して、汗をびっちょりかいたカラダがスゥッと中から冷えていく。真夏の「すだちおろしそば」はサイコーの一品だね!

今日も出しちゃうぞ!

せーのっ・・・ナイスーぞぞっ!!!

最後、そば椀の底にあとわずかに沈む具材をれんげで拾っているリンくん。ポリッ・・・ポリッ・・・と何か硬いものを噛んでいる音がする。

「ねーねー、ボブぞ?すだちってさ、種までおいしいんだ。食べてみ?」

ポリポリ言っていたのは、すだちの種だった。

「えー?レモンとかと違うの?」

「うん、違う。食感はやわらかめのナッツ・・・アレみたい。えーっと、松の実みたい。」

おではおそるおそる、れんげで残った種をめんつゆと一緒にすすってみた。

“コレがすだちの種です。松の実みたい”

・・・ずぅっ・・・ポリ・・・。

「ん?!」

「どぉ?」

「うまーい!なんじゃこりゃー!この種、全然嫌じゃないね、っていうかむしろこの食感はいいアクセントだね。レモンや柚子だったら絶対種入ったら嫌なのにね、なのに、すだちはいいんだねー!すごいや!」

最後の最後まで、すだちという果物のおいしさにびっくりさせられた一杯でした。

なか卯の「すだちおろしそば」は、この猛暑の夏にピッタリだね。暑さに疲れたライオンのカラダも、もちろんニンゲンのカラダも、ヒンヤリさっぱり、爽やかにしてくれるぞ。

おいしかったー!

ごちそーさまでしたぁっ!

“おいしかったぞー!ごちそーさまでしたぁっ!”

真夏の冷たいおそば探しの旅はまだまだ続く・・・。

また次回をお楽しみに!

おそば大好き、ボブぞでしたっ!

ボブぞ

“卓上セットは紅生姜、だし醤油、山椒、香りとうがらし”

なか卯 徳島県産すだち使丸ごと1個使用 二八そば使用「すだちおろしそば」
https://www.nakau.co.jp/jp/menu/detail/to/5672.html

※Rin注: このコーナーは、ボブ家の大好きな芸人さんの出演している「ドランク塚地のふらっと立ち食いそば」という番組のオマージュです。

日テレBS 「ドランク塚地のふらっと立ち食いそばそば」
https://www.bs4.jp/tachiguisoba_bs4/

▼「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば」アーカイブはコチラ▼

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第8回 新宿西口『かのや』さんの『岩のりそば』」
https://bobingreen.com/2025/05/26/13864/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第7回 池袋でぞぞっと2連チャン!『中村麺兵衛』からの『しぶそば』」
https://bobingreen.com/2025/01/20/12343/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第6回 船橋『車や』さんの生冷麦と十割そばで年越し」
https://bobingreen.com/2025/01/07/12195/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 番外編 旅先名古屋は熱田さんの『宮きしめん』」
https://bobingreen.com/2024/12/30/12057/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第5回 上野『喜乃字屋』さんで十割そばとセルフ枡ワイン」
https://bobingreen.com/2024/12/09/11698/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第4回 秋葉原ででっかい買い物前に『みのがさ』の生蕎麦」
https://bobingreen.com/2024/11/11/11321/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第3回 我孫子駅の「弥生軒」であえての唐揚以外」
https://bobingreen.com/2024/05/10/9193/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第2回 おどろき!高砂「新角」の生春菊そば」
https://bobingreen.com/2024/04/24/9079/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第1回 「金町うどん」のかけそば」
https://bobingreen.com/2024/03/13/8621/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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