バーバーエンチョー開店、変幻自在のゴロオヘアー

わっし、ゴロオ。かわいいかわいいシロクマさんだよ。
ふふん。あぁ、自分でかわいいなんて言っちゃあいけないよね、もっと謙虚にならなくちゃ。
うへへ。
わっしの唯一無二の、カラフルなヘアー。ライオンのボブ家三兄弟たちから分けてもらった、大事な大事なカラフルヘアー。
どの色の、どのいっぽんいっぽんが、誰からもらったものかまでは忘れちゃったけれど、若かりし赤ちゃんの頃のボブおさん、ボコちゃん、それからボブぞの3人のたてがみから抜け毛(我が家では”ボブ毛”と呼んでいる)が出るたびにリンくんが拾って集めておいてくれて、ある日、それが満足に溜まったとき、わっしに植毛手術が行われた。
「おうい、ゴロオ。お前さんのナイスヘアー、エンチョが整えてやるよ。ちょっと来てみ?」
「・・・ん?あ!おー。んじゃ、お願いしまっす。」
ケンイツエンチョーに呼ばれて、そばへ行くと、そっと手のひらに包まれる。
“バーバーエンチョー”開店。
ケンイツエンチョーはときどき気まぐれに、ボブおさんやボブぞさんのたてがみや、わっしのヘアーを整えてくれるのだ。
エンチョーってば、ニヤニヤしながら、シュッシュッシュッシュとわっしのたてがみを指でとかしあげて、まとめてゆく。
「おー!どーよ?」
じゃーん!

鏡を見ると、そこには、往年のジャパニーズロックバンドのボーカリストがいた。
少なくとも、わっしには、自分がそう見えた。
「超・・・イケてるじゃん!」
反射的に、理容師エンチョーにコメントしてしまった。

「ドリルヘアーにしてみたぞ。どーよどーよ?」
「・・・ん?ドリル?」
「そうそう、なんかぐるぐるぐるーって地中深く掘れそうでしょ。」
オォノー!
「わっしはBUCK-TICKのボーカルのあっちゃん、櫻井敦司さんの真似だと思ったのにさ。違うの?違うの?」
「あっは!そぉか。あっちゃんな。うん、いいね。じゃあ、あっちゃんヘアーってことで。シロクマさんでこんなカッコいいアタマしてるのは、世界中探してもゴロオしかしないぞ?な?題して、BUCK-TICKドリルヘアー!どーだ?気に入ったか?」
「やった!気に入ったの!じゃあ、わっし、BUCK-TICKドリルヘアー!昔のロングヘアーだった頃のあっちゃんオマージュね!わぁいわぁい!」
ふぅ。
ひとしきり騒いだところで、ちょっとセンチメンタルなキモチになる。
今日はなんだかBUCK-TICKが聴きたい気分です。
いつまでも大好きだぞ!あっちゃーん!
ぐるぐるぐるー!
ゴロオ

▼生まれてまだ間もない赤ちゃんの頃のゴロオのお話▼
「No.5」
https://bobingreen.com/2020/06/12/290/
BUCK-TICK オフィシャルサイト
https://buck-tick.com
「安来の夕空を仰いだ瞬間 – ころすけの旅日記(山陰&山陽編)」
https://bobingreen.com/2023/10/26/6717/
▼ボブ毛のお話▼
「マープボブ毛」
https://bobingreen.com/2020/07/28/520/
「ボブ毛の絆を知る」
https://bobingreen.com/2024/09/17/10383/
「ボブ毛の落としもの」
https://bobingreen.com/2022/10/28/2898/