ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第8回 新宿西口「かのや」さんの「岩のりそば」

ではでは…まずは乾いたノドにシュワッと冷たいハイボールを流し込む。

「ボブぞ、今日はお付き合いアリガトね。カンパーイ!」

「待ってましたっ!カンパーイ!」

くっふぅー!生き返る!

「リンくん、汗ダラダラだったもんなぁ!アハッ!」

「ホントだよー、、、なぁんで世の中見回してもわたしだけ汗だくなんだろ。」

リンくんってば、空調が効いてるはずの店内で店員さんとお話してただけなのにさ、汗が止まらなくって。しかも半袖Tシャツだよ?春先からコレじゃぁ、先が思いやられる。

どもどもー!ライオンのボブぞです。

お待ちかねのこのコーナー、「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば」がやってまいりましたっ!

今日はね、愛機の”オムぞう”(OM SYSTEMのミラーレス一眼カメラ)をメンテナンスしてもらいに新宿にやってきて、その帰りに、新宿西口にある「かのや」さんにお邪魔してますよー。

「かのや」さんへの訪問はお初!
うちのもうひとりのニンゲン、ケンイツエンチョーが、昔よくおシゴトの合間のランチで食べてたお店なんだって。その当時からおつゆがおいしくていい店だったって聞いてね、立ち食いそば激戦区の新宿駅界隈のなかでも「かのや」さんを選んだのだ!

通称ヨドバシ村(業界人だけ?)のど真ん中にある、「かのや新宿西口店」。有名なステーキ店とイタリアンのチェーン店に挟まれて、いわゆるうなぎの寝床のような、狭い間口が本日の目的地だ。

店前には「こだわり うどんそば」ののぼり、そしておすすめメニューが書かれた写真付きの大きな立て看板が出されていて、活気あふれる感じがかもしだされている。

時計は昼の1時過ぎ。平日のランチピークタイムを過ぎたところという感じだけれども、隣のステーキ店ではまだまだ行列をさばいている。

「んじゃ、行きますか。」

ガラス扉が開け放たれたままの店内にするっと入店。すぐ左に券売機があり、そこで前払いで食券を購入するスタイルだ。

「えーっと、ココはねぇ、事前に調べてきたの。」

迷いなく食券機に対峙するリンくん。

「お?そーなの?今日はかけそばじゃないの?」

「うん、そう。ココはね、『岩のりそば』がおいしいらしいよ!」

「ほー!いいね!」

まずはリンくん、「岩のりそば」のボタンをポチっと。それから、「ハイボール 290円」を見つけると、そのままの勢いでツツツ・・・と指の位置を右下の方へ動かし、無言のまま、ドン、と押した。

「わーい。ハイボール290円だって、安くない?」

「わーいわーい!」

おでらは無事に食券をゲットし、それから席の確保。いちばん入口に近いテーブル席が空いていたので、そこに決めた。

この店は一番奥に厨房があって、店内はとことん細長い。入口から入って食券機の先の左手側はカウンター。右手の手前には二人用のテーブル席がふたつ。それから、厨房に近づいた先にはやはりテーブル席がいくつか置かれている。

どの席にも椅子が用意されているから、文字通りの立ち食いそばではない。セルフ方式ではあるけれど、ちゃんと座って食事ができるありがたいスタイルのお店だ。

リンくんは厨房まで食券を出しに行くと、一旦席まで戻ってきた。

「注文してから茹でてくれるみたいだよー。ちょい待ちで。」

そんなことを言っていたけれど、ほんの2分足らずで、厨房から呼ばれた。

「ハイボォルノオキャクサマー!」

「あっ、ハーイっ!」

外国人の店員さんに呼ばれて慌ただしく受取口へ向かうリンくん。

お盆を両手に持ちソロリソロリと戻ってくると、そこには丼がひとつと、うっすらと表面が白く濁るでっかいジョッキとが乗っていた。

「うっは!あったかいおそばとキンキンのジョッキ!ひゃー!」

ってなわけで、急いで撮影を済ませてから、カラッカラのノドにハイボールを流し込みーの、いよいよ「かのや」さんの「岩のりそば」と対峙することになった。

陶器の丼のフチをぐるりと取り囲む模様の線ギリギリまで注がれたおつゆは透き通った渋茶色でまるでほうじ茶のような色味。漆黒系ではないからか、おつゆ越しに細すぎず太すぎずのおそばの麺がしっかりと見える。トッピングの岩のりは黒黒としていて丼の半分以上を覆い尽くし、おつゆに浸かっているところと浸かっていないところで質感が違うの。それと、シンプルに刻みの長ネギが添えられている。

「ボブぞ、じゃぁ、さっそくいただこうかね?」

「うんっ!おで、ハラヘッタ!せーのっ!いっただっきまーす!」

おでらは声を合わせていただきますをすると、割り箸をグンっと丼の端に突っ込み顔を近づけて、スゥッ・・・とすすり、まずはおつゆの味を確かめた。

「・・・あっ、おいし!」

全然気の利いた食レポはできないけれど、衝撃の旨味だった。おで、これまで何軒もの立ち食いそば屋さんに行ってるけれど、おつゆの好みとしては、この「かのや」さんは一二を争うかもしれない。

おでの好きなおつゆの条件はね、節の風味がしっかり感じられることと、そして、甘くないことなんだ。この「かのや」さんのおつゆは、かつお節がしっかり効いていて、甘くないおつゆ。さらにいえば、無化調(化学調味料不使用)なんだって!舌が肥えてるライオンってわけじゃぁないけれど、やっぱり無化調の手作りの味はうれしいもんね。

あ。そうそう。ちなみにね、「かのや」さんのおつゆは関東風と関西風が常に用意されていて、おそばには関東風、うどんなら関西風、と使い分けているらしい。お願いすればおそばでも関西風を楽しめたり逆もしかり、ということで、やっぱりおつゆにはかなりのこだわりを持っているみたいだよ。

今日は特に指定しなかったから、デフォルトの関東風。つぎはうどん用の関西風のおつゆも味わってみたいなぁと思った。

“店内の壁にお店のこだわりポイントが貼り出されているよ”

さて、おつゆの味を確かめたところで、お次はおそば。

「リーンぐーん、箸上げして?」

「はいよ。ボブぞ、お先にどーぞ。」

「んじゃ、失礼して・・・。」

ぞぞっ・・・ぞぞぞっ・・・!

トッピングの岩のり部分をちょい乗せして、一気におそばをすする。ほう・・・口当たりが気持ちよく、スルスルと入ってくるそばの感じは悪くないぞ!

「うまいよ、フツーに!」

「アハッ!フツーに?」

「うん、リンくんも食べてみ。」

おではリンくんにそう促すと、リンくんはハイボールのジョッキをクピ、と一口含んで口内を冷やしてから、あったかいそばに取り掛かった。

ぞぞっ・・・ぞぞぞっ・・・!

「あ。おいしいね。うん、言ってること、わかる。フツーにおいしい。フツーなんじゃないの。うちはおいしいのが当たり前だからって言ってるようなお味。」

「奇をてらってない、柔らかくはあるけれどコシもある。ちょうどいいおそばだよな。」

そうそう。うんうん、いいねぇ。だなんて言いながら、おではリンくんと代わる代わるにそばをすすり、吹き出しそうになる汗をキンキンのジョッキで抑え込みながら、この幸せの一杯を楽しんだ。

卓上には割り箸と一味。それから・・・、中身の見えない缶がもうひとつ。

「コレはなんだろ?・・・えっ!あっ!ごま!しかもいりごまだ!」

よく立ち食いそば屋さんでは、受取口かもしくは卓上にすりごまを置いてくれているところはあるけれど、いりごまってちょっと珍しい気がするんだよね。

“卓上には、割箸、一味唐辛子、いりごま”

一味唐辛子といりごま、両方をサササッとかけて、味変。リンくんもおでも辛いの大好きだし一味にはちょっとうるさいぞ?

「うわー、一味もバキッと辛くてね、風味が飛んでいなくておいしいの。コレは他の店にはない辛さだね。ちゃんとお客さんが回転してるから古くならないんだろうなぁ。」

まじかー!一味唐辛子まで、「かのや」さん、スキなしだよ!

半分以上食べ進めると、トッピングの岩のりの固かった部分がどんどんふやけてきて、角が取れて、より一層おつゆと一体化してくる。

ふーっ・・・ぞぞっ!ぞぞぞっ!

「いんやー、ホントおいしー!」

おでらの座るいちばん出入口付近のテーブルからは店内全体が見渡せる。午後1時半を過ぎて、店内の混雑は落ち着き、かなり空席も目立ってきたのだけれど、そのタイミングで入ってきた小綺麗な格好をされたマダムがおひとり。
席についたかと思ったら、なんと、もりそばだー!

「ほぉぉぉっ・・・確かに!『かのや』さん、おそば自体がおいしいから、冷たいのでいきたくなるキモチもわかるなぁー。今日、暑いし。」

「うんうん、かけつゆだけじゃなくて、つけつゆも美味しいんだろうね。今度やってみたいね。」

「うむうむ。次回は冷たいのもチャレンジしよーな。」

マダムが静かにもりそばをすするなか、おでらは丼とジョッキを空にし、フゥと一息をついた。

「ごちそうさまでしたーっ!」

新宿駅近くの都会ど真ん中で、なんという満足感、なんという幸福感。そして、お得感。

これだから立ち食いそば巡りはやめられないのー。

「ボブぞ、今日、まだアレ、出てないよ?」

「・・・ハッ!そうだった。」

さぁさぁみなさまご唱和ください。

せーのっ・・・

「ナイスゥゥゥゥゥッ・・・ぞぞっ!」

ここは、指折りのナイスぞぞっ!ですぞ。

うまい!うまい!うまーい!

以上、ライオン「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば」のコーナー、第8回は、「かのや新宿西口店」の「岩のりそば」でした。
おでのお気に入りのお店がまたひとつ増えたぞ!

またどこかの立ち食いそば屋さんでお会いしましょーね!
ばいばーい! 

ボブぞ

“「かのや」さんは、新宿西口の通称「ヨドバシ村」のエリアにあるよ”

▼「かのや 新宿西口店」はコチラ▼

「かのや 新宿西口店」(食べログ)
https://tabelog.com/tokyo/A1304/A130401/13004188/

ケイトラストという会社が運営しているようです
(なお、「かのや 新宿東南口店」とは運営会社が違う様子。こまかいことはわからないのですが…)
https://www.k-trust-kanoya.com/udon_kanoya.html

※Rin注: このコーナーは、ボブ家の大好きな芸人さんの出演している「ドランク塚地のふらっと立ち食いそば」という番組のオマージュです。

日テレBS 「ドランク塚地のふらっと立ち食いそばそば」
https://www.bs4.jp/tachiguisoba_bs4/

▼おまけ▼

OM SYSTEM PLAZAへ遊びに行ってきたぞー!
愛機の”オムぞう”をメンテナンスしてもらったの

“動く歩道”
“OM SYSTEM PLAZA”

▼「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば」アーカイブはコチラ▼

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第7回 池袋でぞぞっと2連チャン!『中村麺兵衛』からの『しぶそば』」
https://bobingreen.com/2025/01/20/12343/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第6回 船橋『車や』さんの生冷麦と十割そばで年越し」
https://bobingreen.com/2025/01/07/12195/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 番外編 旅先名古屋は熱田さんの『宮きしめん』」
https://bobingreen.com/2024/12/30/12057/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第5回 上野『喜乃字屋』さんで十割そばとセルフ枡ワイン」
https://bobingreen.com/2024/12/09/11698/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第4回 秋葉原ででっかい買い物前に『みのがさ』の生蕎麦」
https://bobingreen.com/2024/11/11/11321/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第3回 我孫子駅の「弥生軒」であえての唐揚以外」
https://bobingreen.com/2024/05/10/9193/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第2回 おどろき!高砂「新角」の生春菊そば」
https://bobingreen.com/2024/04/24/9079/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第1回 「金町うどん」のかけそば」
https://bobingreen.com/2024/03/13/8621/

いいね! Like! 1
読み込み中...

Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

シェアする

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.