リンママちゃん早く元気になぁれ
「すごいのよー、Apple Watchって!こないだ転んだ直後にね、『激しく転倒したようですが大丈夫ですか?』ってメッセージ来たのよ!!!」
「いやいやいやいや。それさぁ、わたしと兄貴に通知が来るように設定しておいてよ・・・。」
「だってぇあの日はまだApple Watch買ってすぐだったのよぅ。」
「まぁそだったよね。だってさぁ、ママちゃん、わたしに『転んじゃった』ってLINEで連絡くれたとき、『Apple Watch買った』報告とセットだったもんね?まぁ。。。近々、私に連絡来るように設定しておいてね?」
「はーぁい。この度は、ご心配おかけしてスミマセンねぇ。」
「まぁ、不幸中の幸いってことで。骨折とかじゃなくて、ホントよかったよね。」
フゥ。
・・・とコレは、今日のリンママちゃんと、リンくんとの会話。
うっす、ツキノワグマのころすけでっす。
今日はリンママちゃん(リンくんの母)のおうちに来てます。
あのな。リンママちゃんってばね、年明け早々、近所で食料品のお買い物中に転んじゃったんだ。幸いなことに歩くのに支障はないから自宅で様子を見るだなんて言い張るのだけれど、もう70も超えてるし万が一のことが心配だから、リンくんは病院に行くように勧めた。
結果、骨には異常はなかったけれど、転んだときの打撲による内出血とそれによる腫れがひどくて、急遽、局部麻酔で体液を排出するための切開施術をしたらしい。
「骨密度だけは異常に若いって言われてたから、ホント助かったわ。」
まぁ、良くも悪くもポジティブだし、痛みには強いリンママちゃん。電話で声を聞くからには、なんやかんや言って元気な様子。
だけれど、傷が完全に治るまでは、ランチやお出かけなんて楽しいイベントにお誘いすることもできないからね。だから、今日はフンパツしてトーキョー都内のデパ地下で高級お弁当を買い込んで、お見舞いがてらリンママちゃんちに向かった。
「うーむむ、うまそうなものいっぱい!どしよ・・・?」
「なんでころすけが迷ってるのさ。ママちゃんが好きそうなもの、選んでよ。」
「うっす。えーっと・・・。」
チーバ県内の我が家から、トーキョー都内のリンママちゃんちまでは約1時間半。途中シンジューク(新宿)に寄り道して、マダムたちの集う京王百貨店の食品街に突撃した。
じゅるり・・・
アッ・・・ヨダレが・・・。
ぐぅぅぅ・・・
「あー!リンくんハラ鳴ったぞ!」
「アッアッ・・・聞かないでー。朝ゴハン軽くしてきたから・・・。」
おれとリンくんとで食品街を3周くらいして検討を重ねた結果、こーんなランチが出来上がった。
・古市庵「浪花寿司」
・金子半之助「海老天押し寿司」
・イルマーレ ケールのサラダ、イチゴとモッツァレラのサラダ、リゾットコロッケ
「ムッフフ。めっちゃうまそ!」
「だねー。リンママちゃん、喜ぶといいね。」
両手に包みをぶら下げて、途中でワインとノンアルワインとを買い込んで、西武線に乗り込んだのだった。
おれらがリンママちゃんちに着くやいなや、転んでからここまでの経緯をまくしたてるリンママちゃん。きっとやっぱり話を聞いてほしかったんだろうな・・・と察する。おれはおれのことを待ち構えていた仲間たち(ウサギのサンちゃんやくまのむーじー、その他たくさんいるのよ・・・)と挨拶したりハグしたり近況報告をしつつ、ニンゲンふたりの会話を見守ることにした。
「・・・、というわけ。」
「なんか話聞いてると、本来なら入院レベルだよね。よく通院でここまで処置してもらったね。とにかく、・・・まぁなんとかなって良かったよ。早く治して遊びに行こうね。」
「そうね、信頼してる先生だから良かったわぁ。」
そう、リンママちゃんはここ10年くらいずっとお世話になっている整形外科の先生がいるから、今回も安心してお任せできたのだという。正直、そうじゃなかったら、どうなっていたか・・・多分、病院へ行かないまま、なかなか治りが悪いまま、自宅で悶々としていたかもしれない。そう想像するとゾッとする。
「で、ゴメン、わたしは遠慮なく飲むけど、ママは傷があるからまだお酒ダメでしょ?そうだと思ってノンアル買ってきたけど。」
「あらぁ・・・でもせっかくだからひとくちだけ・・・。ウフフ。」
「エ?いいの・・・?」
「ひとくち。」
「フーン。ま、家だし、いっか。」
「じゃ、カンパーイ!早く治してね!」
うーん。。。リンママちゃん、タフだよなぁ。
「あ。そうそう。見てちょうだい。これがApple Watchなのよ、ホラ、文字盤も変えられるの、このベルトならこの文字盤が合うかなって思ってね、それでねそれでね・・・。」
フゥ。気持ちが若くて好奇心旺盛で、真面目でしっかりモノなんだけれど、でもちょっと遊びゴゴロもあって、まぁ、リンくんを上回るレベルのそそっかしさで、せっかち。そんなリンママちゃんと、笑顔でおしゃべりをしながら、ランチを一緒にほおばっている、この瞬間を、おれは、やっぱり、うれしくかけがいのない時間だと、思うんだよな。
「な。リンママちゃんのこと、よろしくな。」
おれは、リンママちゃんちの仲間たちに耳打ちをした。
「おう、任せておいて。」
そうやって、おれは時々、リンくんと一緒にココ(リンママちゃんち)に来ては、あいつらの、家族の、かけがえのない絆を確認している。
リンママちゃん、早く元気になぁれ!
ころすけ
※余談↓↓↓
ころすけにそっくりな色のリゾットコロッケ・・・。
「お、、、おれ、、、と、、、共食い?」