ミラこの休日

カシャッ!

「ウン、いいー感じじゃんっ?」

写真大好き、カメラ大好き、ライオンのボブぞです。

“カシャッ!ウン、いいー感じ!”

今季最強寒波がやってくるらしいと聞いてビクビクしてフトンから出た朝。窓の外を見ると、我が家チーバはキレイに晴れていた。冬晴れってやつ。
だけれど、木々はユッサユッサと風に揺れていてね、北西の部屋の窓を開けたとたん。

びぅぅぅぅぅぅぅっ!

ひぇーーー!すんごい北風がぶぅぶぅと吹き込んできた。

「こりゃダメだわ。」

「エー?今日はさ、お外晴れたらさ、撮影散歩しに行くって約束してたじゃん?」

「うーん、、、でもなぁ。この風じゃ、ブレちゃうし、そもそも寒そうだし。」

「いやだいやだぁーどっか行きたーい!」

おではおでまめ(お出かけ)モード全開だったから、渋るリンくんにゴネてみた。

「あ。じゃぁさ。ずっと行こうと思って行けてなかったトコ、行く?」

「ン?どこ?」

「カメラのキタムラ。」

「はにゃ?こないだも行ってるじゃん?」

「あーゴメンえっとね。カメラのメンテナンスしたいの、だからいつもの店じゃなくて、おっきいお店行くよ。それでどうですか?」

「お出かけできるならドコでも行くゥー!ひゃっほう!」

おではいつものリンくんの黒いリュックに入って、カメラを大事に抱えた。今日のお供は、ミラここと、ソニーのミラーレス一眼、NEX-3Nだ。このカメラはかなり前に中古で我が家にやってきて以来、なにかと活躍はしているのだけれどね、実はずぅっと気になっていることがあったんだ。

「うーん。。。どうしてもホコリが取れない。レンズ掃除してもダメだから、多分センサーについちゃってるんだよね。」

「センサーってなんだ?」

「ホラ、ミラこは一眼レフだからさ、本体とレンズが外れるでしょ?レンズのほうはクルクル拭けるんだけれど、本体の中にあるセンサーはね、素人が触っちゃいかんらしいのよ。」

「ほうほう。・・・で、どうせリンくんのことだから、触っちゃったと、そういうわけ?」

「ア。。。そうなんです。。。ボブぞ、わたしのことよく理解してるなぁっ!どうしてもホコリ取れないからと思ってやってみちゃったんだけどさ、ダメだったんだよね。」

ハァーっ・・・・。

思わず、大きくひとつため息をついたよね。さすがデストロイヤーリンくん。
(デストロイヤーリンのお話はコチラ → 「デストロイヤーリンにドロップキック」

まぁ、特に動作には問題ないし普段のスナップ写真だとほとんど気にならないんだけれどね、遠い景色、例えば海とか空とか、そういった風景を撮ると、ホコリの乗った部分がぼんやり黒い点が出る症状がずっと治らないままだったんだ。

「まぁ、そこそこ古いしね。」

この機種の発売は2013年らしいから、もう10年以上経ってるんだよね。中古で手に入れているってことは少なくともおでらはふたり目のオーナーだから、随分ともっていると思う。

いつものテレ朝の”モーニングショー”を見終えて、じゅん散歩が始まるころ、おでとリンくんは玄関を出た。

「行ってきまぁーす!」

今日の最高気温は8℃だって。北風を防御すべく、リンくんは真冬のお散歩スタイル最強バージョンで臨んだ。キャップの上にさらにフリースキャップを重ねて耳を隠して、足もとは中綿の入ったレッグウォーマーだ。アウターは、ワークマンで買ってずっと愛用しているオレンジ色の熱を逃さないジャケットだ。もう何年も着すぎて、裾のゴムがベロベロに伸びちゃって広がってるからね、まるでガンダムのモビルスーツのシルエットなのよ。おでは、だっさい”ドム”って呼んでる。リンくんもさすがにこのスタイルのダサさには気がついているらしく、オトモダチに会うときには絶対に着ないんだよ。フハッ!

日差しはたっぷり、おではリュックの中でゆっさゆっさ揺られながらポカポカしてくる。リンくんが早歩きでスタスタと行くものだから、リンくんの背中側が若干汗ばんできたのを感じた。

「リンくーん、汗かいてるじゃん・・・!着込みすぎなんだよ、ドム。」

「あはぁ、ドムじゃ暑かったかな・・・。」

とりあえずフリースキャップを脱いで、アウターのでかいポケットに突っ込んだ。そのせいでまた裾が広がって見えるものだから、ますますドムだ。

目的地のカメラのキタムラは、いつも行く一番近い店とは逆の方向で、歩いて50分くらいかかった。運動を兼ねて行くにはちょうどいい距離だ。

駅直結のショッピングモールのなかに入っているお店の受付に着くと、前では撮影にやってきたちびっこ連れのママさんがいた。スタジオマリオが併設していて、奥には子どものご機嫌を取りつつ写真を撮る様子がチラリと見えた。

「スミマセーン。センサークリーニング、お願いしたいんですけれど。」

「かしこまりました。もうすぐ担当者が来ますので、その間にコチラご記入ください。」

左のG-SHOCKを見ると、10時55分。なるほど、センサークリーニングができる担当者は11時出勤らしかった。10時の開店と同時に来る必要はなかったみたいで、むしろちょうど良かった。

注意事項にチェックを入れて、名前と電話番号を書いていると、担当者というおニーさんがやってきた。

センサーのドコに黒い点見えますか?とかいくつか聞かれたのだけれど、リンくんの返答はまったくもって頼りないものだった。

「あうぅー、スミマセン、全体的にいくつかありましてぇ。今空撮ってくれば良かったですね。。。スミマセン。」

レンズを外してセンサーを専用のルーペでのぞきこむおニーさんがひとこと。

「あの、もしかして、センサー触りました?」

「あ・・・実は以前ちょっとやってしまいまして。」

「綿棒か何かですか?」

「いやー、いわゆるレンズを拭く布で・・・。」

「!!!それは・・・、、、わかりました。ちょっと線みたいのがあって、拭いたあとが見えたので。」

「あいやー、そうでしたか・・・。あの、できる範囲でダイジョブなんで、お願いできますか?」

「はい、そうですねー、やれるだけやってみます。何度か繰り返して取れるケースもあるので、やってみます。」

「お願いします・・・。できる範囲でダイジョブなんで・・・。」

思っていた以上にダメな行為だったらしく、すっかりうちのリンくん、恐縮して小さく縮こまってしまったのだった。

おでとリンくんは受付を終えると、作業完了の電話を待つまでの間、ショッピングモールのなかをグルグルと歩き回って時間を潰した。
スーパーマーケットの売り場へ行くと、平日のスイヨービの午前11時すぎ、ちょうど昼間の買い物ピークの時間帯のようだった。ココのショッピングモールは特急が停まる駅に直結しているし、近所にいくつかの団地がある。お惣菜コーナーもとっても充実していて便利な分、ちょっと割高かなっていう印象なんだよね。リンくんは結構シビアだから、普段はなかなかココでは買い物をしないのだけれど、今日は買うも買わないも関係なく、カゴを片手にぶぅらぶぅらと売り場を見て回った。

「ほうほう、カレー粉、半額になってる!ン?賞味期限今月いっぱいだけど・・・、いけるでしょ!コレは買い。」

「なぁなぁ、おでも何か買ってほしぃー!」

「あ、じゃぁさぁ、今日ランチはおうちで残り物でもいい?そしたらその分で何か好きなの買っていいよ。」

「うわーい!」

おでは冷凍食品コーナーへ行くと、見たことのないちょっとお高級なドリアを発見した。リンくんはちゃんと裏の成分表示を見て、自分のNGな豚さんや牛さんが入っていないことを確認して、カゴに入れてくれた。

「今度お休みの日にみんなで食べよー!」

「いいね、冷凍庫にごちそうがあるのうれしいもんねー。」

お。今日のリンくんは意外と財布の紐がゆるいみたい?

「一旦、とにかくお会計しよう。このままじゃまたボブぞにねだられて追加で何か買っちゃそうだ・・・。」

「む。バレたか・・・!でへっ!」

レジを済ませたところでリンくんのスマホが震えた。
カメラのクリーニングが終わったことを知らせる、カメラのキタムラさんからの電話だった。すぐ行きます、と伝えて、おでらはスーパーマーケットをあとにした。

「ジャストタイム!行こ。」

カメラのキタムラに戻ると、おニーさんが待ってくれていた。

「クリーニングが完了しまして、ちょっとコチラ見ていただいでもいいですか?」

モニターに映し出されたのはメンテ前と後の画像だった。黒い点が見えないことは確認済なのだけれど、映らないレベルの小さなゴミは、どうしても取り切れなかったらしい。

「あぁ・・・あぁ・・・もう、ぜんっぜんOKです。ホントありがとうございます。」

「これ以上やるとセンサーを傷つけてしまいそうだったので、やめました。」

「あぁ、もう、ダイジョブですぅ。ありがとうございます。」

ヘコヘコとお礼を言って、お会計をして、もう一度お礼を言って店を後にした。

「ありがとうございましたー。」

うーん、カメラのキタムラさん、結局受付から1時間強で日帰りでクリーニングしてくれて、とってもスムーズかつ丁寧で、大変ありがかたかったのです。

ン?おで?おでは結局出番なかったのよ。リンくんのリュックの中でずぅっとやり取りを聞いていただけでね、まぁ、でもおでの愛機ミラこがキレイになったからうれしいんだ。

おうちに帰ってきてからね、今日のミラこの記念として、青空を撮ってみたよ。
もちろん黒い点もないし、傷らしいものもないよ。やっぱりプロって、すごいね!これでこれからもいろんなところへ一緒に出かけていっぱいお写真撮れるよ。

北風がぶぅと吹いたから、今日はミラこの休日。

“北風がぶぅと吹いたから、今日はミラこの休日”

青と白が溶け合って、そのすき間からヒゥゥと空気が流れ降りてくる、そんな空だね。

ミラこー!これからも大事にするぞ!

リンくん、絶対にこれからはセンサーには触るなよ。

カメラのキタムラさん、アリガトございましたぁ!

ボブぞ

カメラのキタムラ カメラのメンテナンスサービス
https://www.kitamura.jp/service/maintenance/

「おではカメラマン in ローズガーデン」
https://bobingreen.com/2023/12/12/7315/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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