お外、真っ暗
むぅ。むぅぅ。むぅぅぅ。
お外、真っ暗。
ボブおです。
なぁ、今日が雨降り予想なのは知ってたよ。だけど、ニンゲンたちが買い物に出かける直前に、降り出した。
降り出したと思ったら、ものすんごい雨粒が、窓を叩きつけ始めた。
それだけじゃない、みどりテラスの手すりや、眼下のアスファルトや、向こうの林の木々や、団地の駐輪場の自転車のサドルや、あっちゃこっちゃに当たり散らして、大合唱団を繰り広げている。
「あらー、タイミング悪いね。」
リンくんがみどりテラス(うちのベランダのことだ)に出て、雨脚の強さにげんなりしている。おれもついて行ってみたけれど、ほんの10秒いただけで、たてがみがシットリと濡れてしまった。
「ボブお。今晩のゴハン、おうちにあるもので、いいかな?」
「ン。この雨じゃ、仕方ないもんな。いいよぉー。何があるの?」
「レトルトのミートボール、賞味期限危ないから、ソレで。」
「おれ、ミートボール好きだよ。」
おれって、つくづく、ものわかりのいいライオンだよな。
ものの30分ほどで、雨の大合唱は虫たちのものに変わっていた。
お外は真っ暗だったけど、お先は明るいぜ。
雨はいつだって止むのだから。
ボブお