ホワイトスクリーマー・フク
ジィッ・・・
居間のソファのクッションの影から、ニョコと姿をあらわした白いおにぎり型。
黒豆のようなくろぐろとしたまぁるいお目めがふたつ。
その二点から逆正三角形を描くように、やはり黒いおはながあって、口元には不敵な笑みをたたえている。
「フクぅー!かくれんぼしてるの?」
わたしが声をかけると、そのふっくらまるまるとしたカラダをぶるっと揺らせて、急に飛び上がった。
うぉぉぉぉぉぉぉっ!
うぉぉぉぉぉぉぉっ!
「ヒィッ!」
驚いたわたしは、急いでスマホを手に取り、フクに向けてシャッターボタンを押した。
カシャカシャ
画面からソファの方へ視線を戻すと、いつものかわいらしいフクがそこにいた。
わたしはソファの下に座ると、目をクリクリさせてニコニコと近づいてくるフクを、胸の上で抱きしめた。
「ンー・・・さっきのはなんだったんだろう?」
ぷくぷくぷくぷく
改めてスマホのカメラロールを見ると、そこには心霊写真ばりのホワイトスクリーマーが映っていた。
「見て見て!ホワイトスクリーマー・フクが映ってるよ・・・!」
わたしは思わずオハナ(家族)たちにフクの決定的瞬間を収めた一枚を見せた。
みんなでフムフム、ほうほうと感想を述べあってる間に、肝心のフクは、スルスルスルルとわたしの手の中を抜けて、どこかへ行ってしまった。
フク、もしかしてきみはアザラシ以上の何者かなのかもしれないね。
白いかたまり、とらえどころのない、白いふわふわ。
わたしはそんなきみが好きだよ。
リン
「フクの充電スポット」
https://bobingreen.com/2023/08/17/6115/
「アザラシ フク vs. メンフクロウ ふくちゃん」
https://bobingreen.com/2023/07/03/5475/