ウサギさんとウサギさん
「あぁらぁぁぁー!すぅずちゃん、いらっしゃい!」
「リンママちゃん、こんにちわーにっ!ハジメマシテ、ウサギの鈴之助(すずのすけ)っていいます!よろしくね!」
「エッ!すずちゃんって、すずのすけくんなの?」
「ヘ?そぉだよぉ!鈴之助だから、すずちゃんって呼ばれてるの。」
「まぁー!まぁー!ゴメンナサイ、男の子なのね?女の子かと思ってたわぁ!」
「アハッそぉなの?いいよー!ドッチでもダイジョブ!」
パタパタパタパタ!
みんなー!こんにちわーにっ!
すずちゃんこと、ウサギの鈴之助でっす。
今日はね、リンくんのママちゃんのおうちに遊びに来たの。すずね、実はリンママちゃんに会うのは初めて!リンくんがね、リンママちゃんに写真を見せながらすずのことを紹介してくれて以来、リンママちゃんってば、すずに会ってみたいって言ってくれてたんだって。
だから今日はね、リンくんのお伴で一緒にくっついてきたの。
「まぁー!ホンットにかわぁいぃーのねぇ・・・!」
ナデナデ。ナデナデ。
「アラっ!この赤いのはなぁにかしら?」
「リンママちゃん、あのね、すず、赤い翼持ってるの!」
「あらすずちゃん飛べるの?」
「そぉだよっ!すずね、パタパタパタパタ!ってお空飛べるの!すごいでしょ?」
「すごいわぁねーホンットかわいいわぁねー。お目めクリックリねぇ。」
ナデナデ。ナデナデ。
ニッコニコのリンママちゃん、ウサギさんのことが、大好きなの。
ギュゥッてハグされて、すずの長いお耳もスリスリって触ってもらって、すっかり仲良しになったよ。
「いやー、ママはすずのこと、絶対好きだと思ったよ。連れてきてよかったぁ。」
「そうね、そうね。とってもカワイイわぁーーー!」
「でもさぁ、ママはすずのこと女の子だと思ってたんだね?」
「そぉなのよぉ。すずちゃんは、鈴之助くんで、男の子なのね?」
「うん。まぁ、三井のすずちゃんも女の子だし、すずちゃんって言われたら確かにそうかもねー。」
「すずはドッチでもいいよー!カワイイって言ってくれたからドッチでもいいの―!」
興奮冷めやらぬ、リンママちゃん。
すずがひとしきり自己紹介を終えたところで、ようやく食卓についたの。
今日はおうちランチをしながら、ゆっくりおしゃべりしようっていう日なんだよ。すでに、リンママちゃんがいろいろとおいしそうなおつまみをテーブルに並べてくれていた。
「すずちゃんの席はココでいいかしら?サンちゃんの横ね。」
「はぁい。あ!ウサギさん!」
「こんにちは。いらっしゃい。わたしはウサギのサンちゃんだよ!」
「サンちゃん!ハジメマシテ!お噂はかねがねだよぉ!すず、ウサギさんに会えてうれしい!」
「こんな可愛らしいお客さんが来てくれて、わたしもとってもうれしいよ。さぁ一緒に食事をしようじゃないか。」
「はぁーい!」
サンちゃんっていうウサギさんは、リンママちゃんの大事なパートナーなんだよ。すずみたいにお外におでかけすることはないらしいんだけれど、おうちでいつもリンママちゃんのそばにいて、ジィッと優しく見守ってくれているんだって。お鼻がピンク色でフワフワのベージュ色の毛がとってもキレイなの。
同じウサギさんだけど、全然違うね!
リンくんは、リンママちゃんに白ワインを注いでから、自分のグラスにも注いだ。
「では、いただきまーす!カンパーイ!」
「カンパーイ!」
「ふはぁー!外はアッチッチーだったから、よく冷えてておいしい。」
「すずも飲むぅー!」
「アラッ!すずちゃんお酒飲めるのー!かわいいわねぇー!」
真夏の昼下がり。
今日は、とっても楽しい、ウサギさんとウサギさんのパーティーだよ!
リンくんいわく、リンママちゃんはいっつも笑顔だけれど、今日は特別に楽しそうだって言ってたよ。まるで少女のような、弾けた笑顔だったって。えぇっと、たしか、もう70過ぎてるって言ってたけど、そんなリンママちゃんを笑顔にできて、すず、ちょっとだけ、誇らしいキモチなの!
すずもうれしいな。良かったな。楽しかったな!
リンママちゃん、ウサギのサンちゃん、とっても楽しい時間をアリガトなの!
鈴之助