ひなまつりパーティーへようこそ
ウフフ。こんにちわーに。ライオンのボブこよ。
今日はね、リンママちゃんちにおひなさまを見に来たの。
「ねえねえ。おひなさまって、ナァに?」
「見たらわかるよ、私が赤ちゃんの頃に買ってもらったお人形さんだよ。」
「ふうん?お人形?それ、なぁに?”ぬい”とは違うの?」
「ふふ。そうだねぇ。ボブこさんとはちょっとだけ、違うのかもねえ!ライオンではないものね、きれいな着物を着た小さなニンゲンさんだよ。」
ピーンポーン。
「ハァーイ。」
リンママちゃんちに到着すると、オトモダチがたくさん待っていた。
「初めまして、ライオンのボブこといいます。よろしくね。ウフフ。」
「わぁー!ライオンさーん!タテガミきれーだねぇ!よろしくね。アッ、あたしはレッサーパンダのプリンよ。」
「わたしはシロクマのくまーなよ。それからコッチはメイちゃんで、コッチはキラちゃん。我が家の女子グループなの。今日はお目にかかれてうれしいわ!よろしくね、仲良くしましょ!」
初めてのリンママちゃんちで、さっそくオトモダチがたくさんできてとってもうれしい気持ちになったの。
「あ。そうそう。早速だけど、ボブこ、おひなさまっていうのはね、コチラだよ。」
目の前に現れたのは、思っていたよりも小さなニンゲンがふたり。ちょこん、ちょこんとお行儀よく、重そうな着物を着て、座っていた。ずいぶんとおすまし顔だけれど、ほんのりと、優しくほほえんでいる。
「普段見るニンゲンたちとは違ったメイクや髪型なのね。リンくんとも全然違う。」
「アハッ。そうだね、そうだね。むかぁしから伝わる日本の人形はこういうものだったみたい。」
わたしはコトバが通じるのかどうか試してみたくて、おひなさまに話しかけてみた。
「あの・・・、ライオンのボブこです。初めまして。よろしくね。えぇと・・・お名前は・・・なんておっしゃるのかしら?」
「・・・。」
話しかけてみたけれど、返事はなかった。
「えぇっと。リンくん、おひなさまってお話しはしないのかな?それとも違うコトバを話すから日本語がわからないとか?えぇと、英語ならどうかしら?」
「ヘェロウ、ナイストゥスィユー。イッツボブコライオン。(”Hello, nice to see you, it’s Bob-ko lion.”)」
「いやいや、ボブこさん、そういうことじゃないって!アハッ。それならせめて平安のコトバでも?」
「かの・・・、獅子のぼぶこなり。・・・あーん!ライオンのわたしには難しいわ!」
焦るわたしに向かって、ずっと美しくほほえみ続ける小さなニンゲンのふたり。なんだかすっかり恥ずかしくなってしまった。
「わたしったら、おしゃべりし過ぎなのね・・・。」
「おひなさまはね、コトバではお話しないのかもね。お顔が命らしいよ。お顔の表情で、何かを語ってるんじゃないかなぁ。ほら、ね?」
初めてお会いするおひなさまに、わたしは緊張してしまうけれど、失礼ながらジィっとお顔を眺めさせてもらうことにした。
ジィっ・・・。
その穏やかな表情に、スゥッと引き込まれるような気がして、しばらくボォっと見ていた。
その時だった。
「ぼぉぶぅこぉちゃん!おなかすいたでしょぉ?歓迎パーティーさせてくださいな!ホラッ!ひなまつりパーティーだよ!」
「どぉりでキッチンからいい香りがすると思った!わたし、おなかペコペコ!朝から何も食べてないの!」
食卓につくと、リンママちゃんがお手製のちらし寿司を用意して待ってくれていた。かたわらには、白ワインのボトルと、すてきなおつまみたち。
「ボブこちゃん、よく来てくれたね。たくさん召し上がれ。」
「ハァーイ!リンママちゃん、どうもアリガトなの。」
「では、カァンパーイ!」
オトモダチ4人とわたし、それから、リンママちゃんとリンくんの総勢7人で、ひなまつりパーティー、スタートよ!
うふふ!楽しい楽しいひなまつり!
みんなで楽しく食べて飲んで、歌って、遊びましょ。せーのっ!
あかりをつけましょぼんぼりに
おはなをあげましょもものはな
ごちそうならべてカンパイよ
きょうはたのしいひなまつり
あらっ!歌詞間違えちゃったかしらね、ウフフ。
きょうはたのしいひなまつり。
みんなもよいひなまつりを過ごしてねー!
ボブこ
「旧友たちとの再会」
https://bobingreen.com/2021/10/29/1331/
「旧友のアライグマ、ラーさんのこと」
https://bobingreen.com/2023/01/06/3403/
あかりをつけましょ ぼんぼりに
童謡・唱歌 作詞: 山野三郎 作曲: 河村光陽 『うれしいひなまつり』
おはなをあげましょ もものはな
ごにんばやしの ふえたいこ
きょうはたのしい ひなまつり
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