7月の最後の金曜日の午後6時 2019

じーーーーーーじーーーーーーーじりじりじりじりーーーーー

きゃなきゃなきゃなきゃなきゃなきゃな

ぶおーーーっん

しゃーーーーーー

ぴおぴお

ぴゆっぴゆっ

プシュ。

“プシュ”

こんなに気持ちがいい夕方は年に何回もないだろうと思う。

いろいろな音が聞こえる。目の前に見えているのは、青空と団地。ようやく夏らしい雲になった。右のほうに見えるのは、杉の木にさえぎられただだ広い土地。みどりキャンプ場だ。

団地の5階の角部屋から、ぼんやりと空を眺める。糖質オフの発泡酒が心地よい。

明日は、台風が来るらしい。天気予報では、熱帯低気圧が台風に代わって日本に上陸するのだと伝えている。今年はとにかく梅雨が長い。今日は7月26日。例年ならとっくに、しかも去年なら6月に梅雨が明けていたのに、今年はまだ。日照時間は大丈夫かしら、お米は、野菜は、なんて言っていたら、今日ようやく晴れた。

空は青く、雲は白い。

パシュ。パシュパシュ。

ケンイツがライターで火をつけた音。

いろんな音が、する。

シャワー、気持ちいいよ。

さっぱりした顔で、甚平をはおったケンイツが言った。

“園長、甚平スタイル”

私たちの間には、ボブ家。ボブ男とボブ子とボブ三がいる。この子たちはうちのオハナ。家族。いつだって一緒にいて、時間を共に過ごしている。

ふわ。

あくびが出た。金曜日の夕方、まだ陽が落ちる前にこうやって飲みながらベランダでぼんやりできてうれしい。うれしいというより、これが生活。生きてるって感じがする。

音だけじゃなくて、風が気持ちいいんだ。だから、なかなかシャワーを浴びに行けない。

でも。

みんな、シャワー、浴びてくる。ダッシュでいってくる。

あーい。

あ。メイク落とさなきゃ。ニンゲンから、どうぶつになる瞬間。

ハダカになって、みんなとたわむれよう。

7月の最後の金曜日の午後6時。

リンライオン。

“オハナみんなで、空をみあげる”

2019-7-26 17:54

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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