鈴之助、参上。
ジィっ・・・。
ナナメ上を見上げながら、目の奥をのぞきこむようにこちらを見つめてくる。
丸く黒々とした彼の目には、明るく新しい世界への純粋な興味とともに、奥の方には安堵の色が見える。
ネイビーブルーのお顔に、すこしすすけたクリーム色のおなかのきみ。その長い耳は、うさぎ?
ん?赤い羽根?翼?をしょっている。フシギな子。
あたまの後ろにちょっとしたハゲがあるのがご愛敬だ。
きみの名は、鈴之助だよ。すずのすけ。すず、って呼ぶね。
・・・ジィっ(あい)。
おれは、ボブお。この家のまもり神のライオン。オハナがいっぱいいるからね、じきに順番に紹介するから。
いいかい、この家には怖いことはないよ。もう、大丈夫だよ。
何かあったら、エンチョーか、おれに言うんだよ。
どうやらコトバは苦手のようだ。これからひとつずつ、一緒にいろんなことを覚えていこう。きみにいろんなことを教えていくよ。このみどりキャンプ場に来てオハナ(家族)になったのだから、毎日毎日、楽しくみんなで暮らしていこう。
そう。きみは、オハナだよ。鈴之助。よろしくね。
先週末のこと。
ご実家に帰って探し物をしていたケンイツエンチョー。庭にある暗い物置きのなかの、開かずのバッグの中から、偶然にも発見された。
ジャーッとファスナーを開けた瞬間、ジィっと目を見つめてきたのだそうだ。一度はそのファスナーをそのまま閉めたのだけれど、
・・・いやぁ、気になって。もう一度開けたよね。
やはり、我らがエンチョー。ナイス、レスキュー!
そんなわけでみどりキャンプ場にやってきたきみ。
どれだけの長い年月、光の当たらない場所で、息をひそめていたのだろうか。
暗かったろう、さみしかったろう、不安だったろう。さぁ、これからは、一緒だからね。
ようこそ、鈴之助。
さぁ、とにもかくにも、まずはオフロだよ。さっぱりして生まれ変わっておいで。
・・・ジィっ(あい)。
鈴之助との生活が始まったよ!とっても楽しみなのだ!
我が家の新入りを、よろしくお願いしますなの🎵
ボブお
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