秋の夜の花
こんなに幻想的な花があるだろうか。
雲隠れする月夜の空に浮かぶ、秋の花、花、花。
予期せぬ、花火玉があがった。
ひとつ、ふたつ、みっつ。
ぽん、ぽん。
ぽわん、ぽわん。
すぱん、すぱぱん、すぱぱぱぱぱん。
クンクン。
クンクン。
音も香りも煙も、ここまでは届かないけれど、おれ、とってもここちよしだよ。
部屋の中ではもうストーブを焚いている。明日の朝は一桁まで気温が下がり冷え込むんだって、テレビで言ってた。
まるで、秋の夜、キャンプ場で焚き火を眺めるかのような、切なくあたたかな気持ちだ。
音が見える。
香りが見える。
おれの心は、今、美しい秋の夜の花に癒されて、とっても澄んでいる。
わうわうわうー。
ボブお