パタントタン
トン。トタン。パタン。トタン。
おはーに。ボブおです。
まだほの暗い、朝5時すぎ。
パタン。トタン。
モビスケハウスで朝を迎えた。
それ自体はもう何度か経験してるけど、今朝はちょっと雰囲気が、違うの。
パタン。トタン。
雨粒が、モビスケの屋根に当たる音がしてる。ちょっと金属っぽい、とんがった雨音。
タン。タン。パパンッ。タン。タン。タントタン。
これから、秩父の、三峯の神さまに会いに行くのだ。
おれは、水はニガテだけれども、こんな日の雨は悪くない。ちょっとだけ、悪いものが流されるような、そんな気持ちがする。
横ではまだケンイツが寝息を立ててる。おれはもうとっくに目が覚めて、トキトキしてるのにな。
ケンイツー。そろそろ起きて。ねえねえ、ケンイツエンチョー、起きてよー。神さまに会いに行こうよ。雨、強くなっちゃうよ。
パタン。トタン。
ポツ。パツッ。ポツ。パツッ。
少し合いの手が増えてきた。
外はどんな様子かなあ。
窓のシェードのすき間から、のぞいてみる。
ん。窓、くもってて、何も見えないや。
露もついてるし。
むうん。また、シェードの吸盤を戻す。
パタン、トタン、パタン、トタン。パッパッパッパッ。
ピチャン。ピチャン。
どんどん雨音が速くなっていく。
ねえ、ほんとに行けるのかな?三峯さん。山の上だしなぁ。お天気、ダイジョブかな。
三峯の神さま、待っててほしいな。おれ、頑張って濡れないように、傘の下におさまって、パンパンってしにいくからね。
ねーえー、ケンイツー。起きてー。連れてってよー。
まるで、目覚ましのスヌーズさんだ。
パタンパタンパタンパタン。
トタントタントタントタン。
今日もイチニチが始まる。朝の雨の音は、悪くない。
パタントタン。
ホブお。