すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW ― 第31回 オオバンさんが飛んだと思ったら…ケリ&タゲリコンビのオンステージ!

うっひゃぁ!今日はね、お初だらけのイチニチだったの!

パタパタパタ!

オトモダチのみなさん、こんにちわーに!鳥さん大好き!野鳥レポーター、ウサギのすずこと鈴之助です。

すずちゃんのぉぉぉぉぉっ野鳥にびっくりでSHOWぉぉぉぉぉ!

なんと今週は鳥見さんぽ2度目。今日はいつもの谷津干潟定点観測だよ。

2025年10月30日、本日の潮目は長潮。長潮というのは小潮からまた中潮に向かっていく間の潮目で(大潮→中潮→小潮→長潮→若潮→中潮→大潮→・・・)もっとも満ち引きの変化が少ない日と言われているよ。

到着したのは午前11時頃。半分くらい地面が見えている感じかなぁ。

今日は時計回りに干潟の遊歩道をぐるっと歩いてみたいと思うよ!レッツゴー!

観察センターを一旦スルーして、南船橋方面へと歩みを進める。こないだはこのあたりでカワウさんたちが追い込み漁やってたんだよねぇ!あのときはびっくりしたなぁ。

今日はというと、カワウさんの姿は数羽程度かな、あまり多くないな。杭の上でのーんびり休憩したりしていてあまり大きな動きはないね。

けれど、黒いカラダを持った別の鳥さんたちがいっぱいいたよ。

「コレ、なぁんだ?わっかるっかなー?」

えへへ、正解はね、オオバンさん!

このあたりではポピュラーな冬の水鳥だよ。くちばしが白くてカラダは真っ黒なの。目が真っ赤なのがキュートだよ。すずはねぇ、この鳥さんの名前を知るまでは、ずっと「カオナシ」って呼んでたの!
だって、ホラ!ね?そっくりでしょ?

ちなみにカモっぽいけれどカモじゃないよ、クイナっていう鳥さんの仲間だよ。泳ぐだけじゃなくて陸地を歩くのも結構得意なんだ。

むしろね、ずず、実はオオバンさんがちゃんと飛んでいるところを見たことがなくて・・・冬鳥さんってくらいだから、繁殖地から越冬地であるこの日本へ飛んできているはずなんだけれどな?おっかしいなー?
(Rin注: 地域によっては一年中日本で過ごす個体もいます。手元の図鑑には「留鳥」と説明があったけれど、ココ谷津干潟では夏の時期にはほとんど見ることはないので冬鳥という表現にしておきます)

いつかオオバンさんが飛んでるところ見たいなぁ見たいなぁ・・・って念じていたら。

なんと!いま、すずの目の前の干潟の砂面をつついて歩いていたオオバンちゃんたちの群れが、急に回れ右してダッシュを始めたの!

ダーッシュ!シュタタタターッ!

“オオバンの群れ、ダーッシュ!”

「うひゃぁ!50羽はいたオオバンさんの群れが一気にダッシュをしてるよー!すず、びっくり!びっくり!ダイコーフン!」

すず、圧倒されちゃった!

カメラを急いで構えたリンくんに、指示を飛ばす。

「リンくん!撮って!撮ってー!」

オオバンさんたち、一斉に助走をつけたと思ったら、なんと、そのまま羽根を広げて羽ばたいたの!

バサバサバサーッ!!!

オオバンさんたち、羽ばたきながら干潟の奥の方へと移動したよ。お食事をするために潮の引いていた陸地のエリアから、ある程度水深のある方へと戻っていったの。

“オオバンさんたち、羽ばたきながら干潟の奥の水深のある方へと移動したよ”

「うひゃーあ!コレはニュースです!ニュースです!大ニュース!オオバンさんって、やっぱり飛べるんだねぇ!」

自分たちよりも随分と先へ行ってしまったオオバンさんを見送ってから、カメラをおろしたリンくんがフゥっと一息ついた。

「あー!びっくりしたねぇ。すず、初めて見られたね!」

「お写真、撮れた?」

「んー、いやぁ無我夢中だったから設定はベストじゃなかったけど、記録はできてるんじゃないかなー。」

そう言いながらリンくんはカメラの液晶画面を見ながら撮れ高チェックをしている。

「ふむ・・・ふむふむ・・・まぁこのあたりはいいかな?」

ブツブツと話しながら、すずとリンくんはさらに遊歩道を歩いてゆく。さっきオオバンさんたちに先を越されてしまった、水の入っている方向へ追いつくためだ。

すると、右後方から黒い影がビュンっと飛んでいったのが見えた。

「あ!出遅れたコかな?!オオバンさん水面スレスレを飛んでってるよー!」

“集団から出遅れたオオバンさん、追いかけてゆく。左端はカイツブリちゃん”

「うわぁー!びっくりびっくり!ホントにすず、びっくりでSHOWぉぉぉぉぉ!」

はーっ。ホント、ダイコーフンしちゃった。
すずたちもようやく集団に追いついた。なに食わぬ顔で水にプカプカ浮かぶ姿からは、さっきの必死の飛翔は想像もできない。

「うーん、オオバンさん、普段飛んでる姿を見せないってことは、やっぱり飛ぶのは好きじゃないのかもね?体力使うのかなぁ。ね?」

「いやぁ生態は謎だけどね。面白いなぁ、やっぱりオオバン、好き。」

そう、オオバンさんは鳥見にハマったきっかけのひとつでもある鳥さんだったからね。
「カオナシ」さんたち、必死の飛翔を見せてくれて、どうもありがとうね!

干潟の東端から小学校前をぐるりと回って、いつもの観察センターへ。

センターに入って手を洗って、おにぎりをチンして、缶コーヒーをガゴンと自販機で買う。そこまでがまずルーティン。

それから、レンジャーコーナーへ行って、「今日見られる鳥」のボードをチェックしてぇ・・・と思ったら。

「あー!こんにちわー!今、ケリとタゲリ、来てます!!!」

いつも仲良くおしゃべりしてくれるレンジャーのお姉さん。いつになくハイテンションで観察窓の方へと誘導してくれた。

“ケリ、タゲリ!谷津干潟で見られるのはかなり珍しいらしい”

「ドコドコ?・・・あっ!見ぃつけた!」

観察センターの広いガラス張りの窓から真ん前にある浜、通称「前浜」に向かって、レンジャーさんが設置してくれているスコープをのぞいてみると・・・いたよー!いたいた!

薄茶色のカラダに黄色いくちばし、黄色いアイリング、それから黄色い長い脚が特徴のケリさん。

「ケリさん、発見ー!うひゃぁ!はじめまして。カッコいい!」

“ケリさん。黄色いくちばし、黄色いアイリング、黄色い長い脚”

それから、タゲリ。タゲリってどんなだっけなぁ?って思い出しながら、ケリさんの周りを探していたら・・・。

「!!!すんごい派手なのいたよ!エーッ!」

「え?ちょっとぉ、すず、見せて見せて!」

すずがスコープをのぞいているものだから、リンくんは自分の双眼鏡で確認する。

「うぉっと!あれまぁ、こんな色なんだ!そして、冠羽が立派だね。こりゃぁすごい。」

羽根はまるでキジやクジャクのような深緑色で玉虫に輝いているような色合い。ケリと同じくお腹は白くて、一番の特徴はアタマの上にピョコっと生えている冠羽だ。

「アオサギさんとかも冠羽はあるけどね?タゲリさんは小顔なところに長い冠羽が生えてるから目立つねぇ!まるで烏帽子みたい。」

“コチラがタゲリさん。独特な深緑色の羽色が陽の光に輝く。冠羽が立派”

効いた話では、ケリもタゲリも田んぼや畑などの草地に生息することが多いらしい。一方ここ谷津干潟は、多少なりとも草は生えてはいるもののそれはヨシ原などであって、基本的には海水の流れ込む区画だ。そんな土地の特徴もあって、ココでケリやタゲリを観察することができるのはめったにないらしいよ。

“さっそくレンジャーさんが「ケリ&タゲリ」の紹介を書いていたよ”

ケリとタゲリが同時に、しかも「前浜」という観察センターから一番よく見える場所に来てくれることはかなり珍しいみたいで、館内にいたお客さんたちはみんなかわるがわるにスコープをのぞきこんだり、カメラのシャッターを切ったりしている。

うちのリンくんもご多分にもれず、カメラをいじくっている。

「こんな日こそ、持ってきてて良かった!テレコン。」

テレコンとは、カメラ本体とレンズの間に挟んで使うアダプターのことで、レンズの距離を2倍まで伸ばせる装置だ。

窓ガラス越しの真ん前にいてくれるからといって、キレイに撮るのは結構難しいのだ。リンくんはそのテレコンとやらをガチャガチャと装着し、改めて、ケリ&タゲリコンビに挑んだ。

“2時間ほど粘って撮れた、ケリ&タゲリコンビ、オンステージ!”

おふたりにとって前浜はとても心地のよい場所なのか、各々ウトウトと居眠りをしたり(鳥さんだって居眠りするんだよ!面白いね)、時折ぐるっと飛んでは戻ってきたりと自由に過ごしていた。

すずもしばらーく、そう、温めたおにぎりを食べるのも忘れてずっと眺めていたのだけれど・・・リンくんのほうがそろそろ疲れてきたって言うから、ギブアップすることにした。

ホントは最後の最後まで見守っていたかったけれど、きっと視線が気になったらケリさんもタゲリさんもゆっくりできないよね?

ココロのなかで、「バイバイ、ケリさん、タゲリさん、また遊びに来てね。」と言って、今日のお帰りの時間を迎えたのだった。

“お帰りの時間です”
“バイバイ、ケリさん、タゲリさん、また遊びに来てね”

今日はオオバンさんの飛翔を見られたかと思ったら、お初のケリさん&タゲリさんコンビに出会えて、ホントにびっくりびっくり、すず、びっくりしっぱなしだったの!

いやーぁ!これだから、鳥さん観察はやめられないね!

さぁ、すずたちも無事におうちに帰ろうね。

楽しかったー!

以上、野鳥レポーターのすずちゃんこと鈴之助でした!まったねー!

すず(鈴之助)

▼おまけのコゲラちゃん!▼

いろいろびっくりしすぎて番外編になっちゃったけれど、コゲラちゃんにも出会ったよ。
コツコツコツコツコツコツ・・・ギー・・・ギー・・・とっても軽快な音が聞こえて、特徴的な鳴き声も聞こえたから上を見上げたら・・・。

めっちゃ木くず飛ばしまくってる!!!リンくん、木くずを浴びながら一生懸命カメラ構えてたよ。

“コツコツコツコツコツコツ・・・!”
“ぐはっ!大胆に穴開けとる!木くずを浴びながらの撮影でした”

▼すずが愛用している野鳥図鑑はコチラ▼

谷津干潟自然観察センター(千葉県習志野市)
https://www.seibu-la.co.jp/yatsuhigata/

▼すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW アーカイブはコチラ▼

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW — 第30回 船橋三番瀬でオオソリハシシギさんに大接近!」
https://bobingreen.com/2025/10/28/17116/

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW — 第29回 オナガさんが柿食うとる!」
https://bobingreen.com/2025/10/23/16981/

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW — 第28回 カワウさんの追い込み漁!」
https://bobingreen.com/2025/10/17/16856/

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW — 第27回 カモさんがやってきたの!」
https://bobingreen.com/2025/10/10/16681/

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第26回 ミサゴさんおさかな捕まえたの!」
https://bobingreen.com/2025/09/30/16445/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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