有楽町で逢いました — 鳴家(やなり)会議

ことのはじまり、「しゃばけ」のこと

「ぐふぅぅぅぅ!かわいいかわいいかわいいかわいいいいい!」

きゅわきゅわきゅわ・・・
きゅわきゅわきゅわ・・・

うっふん、うっとり

最近、リンくんがとあるアニメにハマった。

そのタイトルは、「しゃばけ」という。

畠中恵さんという作家の小説が原作で、江戸時代の町人の街を舞台にした妖怪ファンタジーとでも言えばいいのかな?

先週のキンヨービ、ケンイツエンチョーがたまたまテレビでやっているのを見て、「なんか鬼滅みたいなのやってたぞ。一緒に見てみる?」とリンくんを誘って、さっそくAmazon Primeで第一話から観てみたんだ。

そうしたら。

ケンイツエンチョーの思惑をはるかに超えて、リンくんってば、ハマってしまった。
アニメのストーリーや世界観というよりは、そこに出てくる子鬼のキャラクター「鳴家(やなり、と読む)」にココロを奪われてしまったのだ。

鳴家は複数人いる小さな鬼で、主人公である「若旦那」(一太郎坊っちゃん)の寝室で暮らしている。実際に何人なのかはわからない。けれど、なんとなく少なくとも3人はいて、場面によって、5人くらい出てくるシーンもある。

興ざめなことを言ってしまえば、鳴家には声優さんは3人あてがわれているから、やはり3人はマストなんだと思う。

「子鬼の鳴家!ねぇねぇ、ライオンみたいでめっちゃかわいいー!ほぼライオン!ラーイオン!ラーイオン!」

もう狂ったかのように、リンくん、きゅわきゅわきゅわきゅわ言っている。(鳴家は家が軋む音を擬音として、きゅわきゅわと鳴くのだ。)

そんなところへ持ってきて、ケンイツエンチョーが大変な情報を仕入れてしまった。

「なぁなぁ、今週末から、しゃばけPOP-UP STOREが始まるんだって。そこで鳴家のぬいぐるみ、売るらしいぞ?」

「ぬぁんと!ぬぁんとぉぉぉぉぉ!」

リンくん、大絶叫。

コレは、我が家にとっては大変な騒ぎ。いいですか、我が家ではむやみやたらにオハナ(ぬいぐるみ家族のこと)を増やしてはならないんですよ?わかってますね?わかってますか?

オハナリーダーであるおれ(ボブおです)の承認なくして連れてきちゃぁダメなのよ?わかってますか?わかってますよね?ねぇねぇリンくん?

「・・・ふーむ。なかなかかわいくできてるじゃない?あれ?サイズは?えっとぉ、16.5cmだって、えーっと、小さすぎず、大きくもないね?うむ、もともとが子鬼で小さいもんね?うむうむ。」

あーぁ・・・もうPOP-UP STOREのサイトを見ちゃってるよ。んもう、ケンイツってば、余計なことを・・・!

はぁー。もう後には引けない感じ?うーん・・・。

ハァ・・・。

緊急オハナ会議(鳴家会議)招集

「えー。本日は緊急招集して悪いね。臨時国会・・・いや、臨時オハナ会議を開催します。」

おれは急いでオハナ全員を集めて、会議に入った。いつもなら議長を指定するところだけど、あまりに急なので、おれがそのまま議長を担当する。

「しゃばけの鳴家ぬいをお迎えすべきかどうか、承認すべきかどうか、みんなの意見を聞きたい。」

さっそく、ツキノワグマのもっつが発言をする。

「ハイ!わっしが議案を提出したいであります。」

もっつはモフモフの右腕をピンと耳の横につけて、勢いよく挙手した。

「我が家の労働環境の改善のため、鳴家のお迎えをすべきだと訴えたいであります。ただーし、鳴家はリンくんの寝室でのみの活動とし、我々の生活とは一線を画すとする。」

「ほう?まず、お迎えについては賛成派ってことね。んで、その心は?」

「我が家ではオハナ(ぬいぐるみ家族)をむやみやたらめったらに増やしてはならない、といういわば憲法ともいえる基本原則があるものの、人手が・・・いやぬい手?が足りていないのは事実であります。」

「ほう、オハナ増員が必要だ、という主張ね?」

「はい。そうであります。実際のところ、わっしはリンくんからの毎日毎晩に渡る添い寝役に駆り出され、週にひとつの休みもないであります。鳴家をリンくんの寝室担当としてお迎えすれば、わっしの添い寝労働は軽減され、わっしの身体的精神的苦痛は緩和され、ひいてはオハナの暮らし全体がより穏やかで円満なものになると信じております。」

なぁるほどねぇ・・・!もっつ、さすが最年長者。なかなか理論的なアイディアを出してくれたね。

「このもっつくんの議案に賛成の者は?挙手にて表明をお願いします。」

はーいはーいはーいはーい!

「おぉ・・・!賛成多数!よって…」

あれ?えっとー?念のため。

「では、この議案に反対のもの?」

「・・・カーン!」

ペンギンの勘九郎がちびこーずハウスから身を乗り出して、右ワキを見せてきた。

「おぉ。勘九郎ひとりが反対か。理由をお願いします。」

「カンカンカカーン!鳴家は甘いものが大好きだから、ダメだカン!スイーツ番長の座は渡さないカン!」

確かに。アニメを見ている限り、鳴家たちは「おだんごー!」とか「あまいのー!」と言っては、若旦那(一太郎坊ちゃん)にお団子やらこんぺいとうやらをねだっている。
あいつら、ホント、甘いものに目がないんだよね。

「なるほど。では。仮に勘九郎くんがスイーツ担当大臣の座を明け渡さない約束であれば、鳴家のお迎えには賛成なのかな?」

「カーン・・・。。。んーと・・・わっしの食べる分、減らない?」

やれやれ。どこまでも食い意地の張ったペンギンだこと。

「誰か、勘九郎くんの主張に反論や意見はありますか?」

ハーイ!とおれの弟のボブぞが手を挙げる。

「勘九郎さぁ、なぁ、もし鳴家が来ても、もっつの案であれば、リンくんの寝室担当大臣なんだよ。だったらスイーツも食べないんじゃない?」

「ノンノンノン!きっとそんなこと言って、絶対にきゅわきゅわ居間にやってきて、わっしの大事なスイーツ、寝室に隠し持っていって食べちゃうに決まってるカーン。」

やれやれ。
まさか勘九郎がこんなに頑なに既得権益にすがりつくとは・・・!野良の叩き上げのペンギンだから気骨あるヤツかと思っていたが、こうも変わるもんだなァ・・・。

おれがボンヤリとそんなことを思っていたら、どうやら困り顔を読まれてしまったらしい。ボブぞが助け舟を出してくれた。

「んー。議長!おでから追加の提案があります。いっそのこと、鳴家は勘九郎スイーツ担当大臣の補佐にしちゃえばいいじゃん?補佐ならいいでしょ?ね?ホラ?みんな応援してるんだからさ。」

「むぅぅぅぅ・・・カーン・・・。補佐・・・補佐って、お手伝いってこと?」

「まぁ、そんなもんだね?部下でも子分でもなんでもいいよ。」

「勘九郎くん、ボブぞくんの提案に対して、異議はありますか?」

「うぅ・・・わっしも親分になれるってことカン?んじゃー、わかったカン。異議ないカン!」

「本当にいいんですね?」

「わっしもひとつオトナのペンギンになるカン!」

やれやれ。

オハナ会議の議長は大変。

ということで・・・、

「全員賛成、よって、鳴家を我がボブ家に迎え入れることを決議いたしました。」

わーわーわー!パチパチパチパチ!

「これにて臨時オハナ会議、解散っ!」

ついに鳴家、お迎え!名前は・・・?

ニチヨービ朝10時。しゃばけPOP-UP STOREの開始初日、リンくんの姿は有楽町の三省堂書店にあった。ケンイツエンチョーと、それからお目付け役のハンペンに付き添われて、リンくんははやるココロをどうにか鎮めつつ、店内で鳴家の姿を探した。

「はっ・・・!!!!!!」

きゅわきゅわきゅわ・・・

てわけで、やってきましたよ、え?3人?!

「いやぁリンくんがさ、立ち姿と座り姿のひとりずつでふたりでいいかな?って言ったんだけど、おれが3人じゃね?って言ってさ、3人お迎えしてきたよ。」

ケンイツエンチョーもなかなか、なかなかだ。

「アニメ内では実際いっぱいいるもんね、鳴家はひとりじゃないしふたりでもないし、ホントは3人でも足りないんだけど?」

「アハッ!いやいやいや、十分でしょ!!!」

我がボブ家、またオハナが増えました。子鬼の鳴家、名前は・・・?

「あ、名前はおれが決めるぞ。えーっと・・・えーっと・・・。」

いつものケンイツエンチョーの名付けが始まる。

「んー。ゆうじろう、らくたろう・・・それから・・・ちょうざぶろう、でどう?」

「ユウジロウ?ラクタロウ?チョウザブロウ?」

「有・楽・町!有・次郎、楽・太郎、町・三郎!」

「アハッ!いいね!いいね!有楽町三兄弟!」

きゅわきゅわきゅわ・・・???

きゅわきゅわきゅわ!!!

これから、どうぞよろしくな!

“きゅわきゅわきゅわ”

「いいか、君たちはリンくんの寝室担当だからね?」

きゅわきゅわきゅわ・・・???

あぁ・・・通じてなさそうだ!アハッ!まぁ、ちょっとずつ教育していこうかね?ま、見た目もライオンっぽいしね?

オトモダチのみなさん、『有楽町で逢いま』した、子鬼の鳴家の有楽町兄弟です。
リンくんの寝室担当 兼 スイーツ担当大臣補佐?ってことで、これから有さん、楽さん、町さんの3人をよろしくお願いします!

“有さんこと有次郎、長男!”
“楽さんこと楽太郎、次男”
“座ってるのが町さん、町三郎。三男末っ子”

なんやかんや決まるまで大変だったけど、家族が増えるってうれしいなー!

ボブお

TVアニメ「しゃばけ」オフィシャルサイト(フジテレビ)
https://shabake-official.com/

「きゅわきゅわきゅわ…」
https://bobingreen.com/2025/10/26/17034/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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