ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第6回 船橋「車や」さんの生冷麦と十割そばで年越し

「うぅー冷えたぁ・・・!」

間口の狭い引き戸を引いて店内に入ると、すでにそばをすすっている人たちで賑わっていた。

そこはうなぎの寝床のような細長い店で、一番奥にある厨房からはもうもうと湯気が立っている。

そば食いのみなさーん!おなかすいてますかーぁ?

おそば大好き!ライオンのボブぞです。

さぁ2025年最初の「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば」のコーナー、元気に行ってみよーう!

朝9時半すぎのこと。おでは、チーバは船橋駅南口を出てすぐ、ロータリー脇にあるそば屋、「車や」さんに来ているよ。

なんと、お店へ食べに行った日は、昨年の大晦日、2024年を締めくくる最後の日だった。

我が家には毎年、大晦日の恒例行事があってね。それはリンくんちのお墓参りなんだ。
イチネンを無事に終えられました、ありがとうございました、とご先祖様にご挨拶に行くの。

・・・まっ、今年は無事だったかというと、そうでもないけれどな、いろいろあったとしても、今日の日を元気に迎えられたことを感謝することには変わらないよね。

んで。

早朝にお墓参りを終えてから移動して、朝ごはんを食べにやってきたのが、この船橋の「車や」さんだ。

ココは以前から何度か来ているのだけれど、店内石臼挽きの十割そばをお安く出してくれるお店なんだよ。

立ち席はなくて、小さなふたりがけのテーブルが2卓、あとは長いカウンターがそれぞれの壁際にある。食券で購入してカウンターへ出す、オーソドックスなタイプのセルフ式だ。

今日はニンゲンがふたり。リンくんに加えてケンイツエンチョーも一緒に来ているから、2種類食べられちゃうもんねー!

「やっぱりいつものもりそばは外せないとしてー、歩いてきてカラダがヒエヒエだから、やっぱり温かい種ものかな?」

以前この店で温かいおつゆの鴨南蛮そばを食べておいしかった記憶があったんだ。おでがケンイツエンチョーにそう聞くと、意外な答えが返ってきた。

「おれねぇ、この店の生冷麦、一度食べてみたかったんだよねぇ。」

「ほう?生冷麦?」

そう。確かに、これまで何度となく来ているこの「車や」さんだけれど、いつも気になってはスルーしていたメニューがある。それが、「生冷麦」だ。

“生冷麦と石臼挽き十割そばが両方食べられるよ”

「冷麦って、そうめんみたいなやつでしょ?それの、生?」

「うーん、おれもよくは知らないけど、そうらしいね?レビューとか見てもうまいって書いてあったからさー。」

というわけで、本日のご注文はコチラ。

もりそば 420円
生冷麦 420円
日本酒 180円
日本酒 180円

計4品で、1,200円なり。

朝9時半だけど、当然のように日本酒を頼んじゃうあたり、我が家のニンゲンたちは呑むことに躊躇がない。

ふたりがけのテーブルに席を取ると、まもなくして番号を呼ばれた。

だいたい3分ちょっとくらい。茹で置きなわけないはずだけど、かなり早い仕上がりだと思う。

まずは、定番のもりそばから。

“もりそば”

お盆に載せられた角ざるには、緑がかかった太めのおそばがこんもりと盛られている。薬味皿には定番のわさびと長ねぎ。
そして、小さなグラスに並々と注がれた日本酒が雰囲気を添えてくれている。

そして、お初にお目にかかります、生冷麦

“生冷麦”

えー!こりゃびっくり。なんと氷水を張った桶に入ってやってきた・・・!おぉおぉぉ!これは意外だった。

そばと同じように角ざるに盛られてくるものだとばかり思っていたからだ。

たしかにそうめんをこうやって盛ったりすることはあるけれど、そういえば冷麦という食べ物を外で(いや、家でも)食べたことがなかったから、あまり想像がついていなかった。

肝心の麺の様子はというと、すこぉし透き通る感じの真っ白で、とにかくツヤッツヤ!氷水の反射もあってキラキラと輝いている。

ちなみに薬味はそばと同じく、わさびと長ねぎだ。そーなんだ、そこ、わさびなんだね。そうめんみたいにしょうがとかみょうがとか大葉とか、そういうのではないらしい。

「さぁさ、さぁさ、伸びないうちに、行こう!」

「せーのっ!いっただっきまーす!」

“いっただっきまーす!”

まずは、リンくんのもりそばから。

ぞぞっ・・・!

「ンー!安定のうまさ!うまーいなぁ・・・!」

もっしゃもっしゃするくらいの少し硬めの茹で上がりで、噛み応えがある系のおそば。だけれど、田舎そばみたいな挽きぐるみではなくて、ザラつきはない。おでの真横で石臼挽きされてるそば粉を100%使ってるっていうんだから、そりゃあうまいよね。

ツルツル細めの喉越しを楽しむおそばも好きだけれど、この「車や」さんの無骨な感じのドシンとくる十割そばが、おでは好きで何度となく通っているのだ。

ちなみに、この店のつゆはちょいと甘めなんだよね。おでの好みからするともう少し辛いほうがいいのだけれど、それはもう個人の好き好きによるところだから、なんともしがたいところ。だから、わさびはもちろん、卓上の七味をたっぷり入れて味変するんだぁ。

シャッシャッシャッシャッ・・・

・・・って、おでの許可なくリンくんがもう先にドバドバ七味入れてるわ。アハッ!

“ちょいと甘めのつけつゆ。おでは七味たっぷりで味変”

「なぁなぁ、ボブぞ、冷麦も食べてごらん!初めてだろー?」

ケンイツエンチョーが大きな桶から、白いツルツルの麺を、おでのそばぢょこに分けてくれた。

“大きな桶の中でヒンヤリ氷水に浮かぶ白いツルツルの麺”

めんつゆにどっぷり浸かっちゃったけれど、ダイジョブかな?どれどれ・・・・?

ぞぞっ・・・!

「お???コレ、めっちゃくちゃコシあるのな!細いのにものすごい弾力!シッコシコ!まさに、食べたことないうまいものだなー!うまい!」

はじめ見たときには、そうめんの少し太い版、という印象だったけれど、すすってみると、まるで違うんだ。

もっともっと数倍コシが強くて、噛み応えがしっかりしている。アルデンテのカッペリーニ(極細パスタ)・・・とも違うな。パスタは中心の芯だけ残る感じだけど、この生冷麦は、麺の中心も外側も均一な硬さを保っている。うーん、弾力が強くて、(あんまり食べたことないけど)韓国冷麺の麺にも似たような感じがする。

すすったときの口当たりが気持ちいいから、コレはさぁ・・・。。。

「こんな真冬じゃなくて、やっぱり夏の暑いときに食べるものなんじゃないのー?」

ついついおではそう言い放ってしまった。

というのも、氷水に浸かってるんだもの、すんげーつめたいの。

「ホントなら、『ちべたくて(冷たくて)おいじい(おいしい)!』って言いたいやつ。今日だと・・・うまいけどさー、かなり冷えるね。おなかのなかからひんやり。」

「アハハハッ!そぉだなぁ、たしかに、食べたことないうまいものだし、かなり珍しいけど、これは夏の食べ物だな。」

おでは今日学んだ。食べ物の温度って、大事ってこと。温度はごちそう。今日の大晦日の、早朝お墓参りのあとの冷えたカラダには、ちょっと生冷麦は寒かった。

あとから入ってきた隣席の御夫婦はおふたりとも朝そばセットを温かいつゆですすっていて、そりゃあそうだよな、と納得してしまったもの。

なにはともあれ、十割そばと生冷麦をささっと平らげ、日本酒のグラスをクイッと空け、席を立った。

“クイッとね!”

そう、今日は大晦日。そば屋がイチネンでいちばん忙しい日だからね。

まだ満席にはならずとも、次から次へとお客さんがやってくる人気店。ここ「車や」さんは、やっぱり船橋ナンバーワンの立ち食いそば屋さんなのだ!

今日もこのひとことで締めるよーぉっ!

ハイッせーのっ!

「ナイスぅぅぅぅぅ、ぞぞっ!」

ごちそうさまでしたーぁっ!

ボブぞ

「車や」 千葉県船橋市 (食べログより)
https://tabelog.com/chiba/A1202/A120201/12042312/

※Rin注: このコーナーは、ボブ家の大好きな芸人さんの出演している「ドランク塚地のふらっと立ち食いそば」という番組のオマージュです。

日テレBS 「ドランク塚地のふらっと立ち食いそばそば」
https://www.bs4.jp/tachiguisoba_bs4/

▼「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば」アーカイブはコチラ▼

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 番外編 旅先名古屋は熱田さんの『宮きしめん』」
https://bobingreen.com/2024/12/30/12057/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第5回 上野『喜乃字屋』さんで十割そばとセルフ枡ワイン」
https://bobingreen.com/2024/12/09/11698/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第4回 秋葉原ででっかい買い物前に『みのがさ』の生蕎麦」
https://bobingreen.com/2024/11/11/11321/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第3回 我孫子駅の「弥生軒」であえての唐揚以外」
https://bobingreen.com/2024/05/10/9193/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第2回 おどろき!高砂「新角」の生春菊そば」
https://bobingreen.com/2024/04/24/9079/

「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第1回 「金町うどん」のかけそば」
https://bobingreen.com/2024/03/13/8621/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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