ポケットにはSuicaのペンギンをお忘れなく
「エンチョーとおでペンしたいペン!絶対ついて行きたいペンー!」
スイペン(Suicaのペンギン)のハンペンです。
今日、ケンイツエンチョーがおシゴトでお出かけするっていうから、わたしもついて行きたいなぁって思って、エンチョーのカラダをよいしょよいしょって、よじのぼってみた。
ケンイツエンチョーっていうのは、我が家のふたりいるニンゲンのうちのひとりで、中肉中背のザ・中年オッサンだ。エンチョー=園長、という呼び名は、我が家のぬい総勢をまとめて「オハナ学園」と呼んでいていてね、その総まとめ役である長だから、というところから来ている。
ちなみにもうひとりのニンゲンのリンくんは、役職はなくてヒラだ。役目としては、まさにいまこのお話を執筆しているように、書記係である。ひたすら、わたしたちオハナ(家族。我が家ではぬいのことを指すのだ)の日々の生活を、写真や文章で記録しては、世の中に発表しているのだ。
さぁて、前置きはいいとして。
「ねーねー、エンチョぉ?お出かけするのに忘れちゃいけないよ。おサイフ、カギ、ハンカチ、スマホ。それからね。ポケットにはSuicaを・・・いや、ポケットにはSuicaのペンギンを、でしょ?」
スルスルスルぅっとわたしは、ケンイツエンチョーのTシャツの胸ポケットに忍び込んで、そう言った。
するとエンチョーってば。
「あいやーハンペンー!カラダが薄っぺらいから入れちゃうのな?んでもなぁ、エンチョー、PASMOなんだよな・・・。」
「わーん!ハンペンがおうちに来たっていうのに、まだSuicaじゃないのっ?!」
「ゴメンなぁ・・・。」
「じゃぁ、わたしがポケットに入って一緒に改札通るペン!わたしなら、顔パスで通れるペン!」
「アハハハハッ!そぉだよなぁ、ハンペンは、Suicaのペンギンだもんな。」
「そうだペン!ペンといっしょにいれば、日本全国、どんな駅の改札も通れるペンよ!(ほぼ)」
「最強だぁ・・・!」
「だから早くSuicaに変えるペン!」
「うん、うん。わかった、、、わかったから・・・、そろそろポケットから出てくれないかな・・・?エンチョー、おシゴトのお約束、遅刻しちゃう。」
「うぅ・・・わたしも連れてってほしいペン!きっとお役に立つペン!」
「そうだろうね、そうだけどね・・・もしハンペンがエンチョーのポケットから落っこちちゃうようなことが万が一あったら、エンチョー悲しくておシゴトにならないよ。だから、おうちでお留守番してくれるかな?ハンペンはSuicaのペンギン出身だけどさ、もう我が家の大事な一員で、絶対に変わりはいないんだよ。迷子になったらおうちに帰れなくなっちゃうよ。だから、お願いだから、ね?」
「うぅ・・・うぅ・・・わかった・・・ペン。おうちでいろんなお顔の練習して待ってるペン!エンチョーのこと、笑かすペン!」
「そうだな。うん。ハンペンの変顔、楽しみにしてるからな。」
「変顔じゃないペン!いつか、怪ペン百面相やるペン!待ってろペン!」
そういって、わたしは言いくるめられて、エンチョーのTシャツのポケットから、よいこらせっとカラダを抜き取ったのだった。
「んじゃー、行ってくるなぁ。」
バイバイ!バイバイバーイ!と窓から手を振ってお見送りしたのだった。
・・・ニヤリ。
さぁて。次はどんなコトして、エンチョーを困らせようかなぁ・・・!うふふ。うふふ。
毎日が楽しいペン!
ハンペン
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