正月ゲーマーボブぞ

てーっててーっててーっててーって
てててててててててってってっ
てーっててーっててーっててーって
てててててててててってってっ
ちゃーぁぁぁぁぁぁぁらっ・・・

「マジかー・・・”まおうサナトス”まじ強すぎ・・・！ふわぁぁぁぁぁっ！もう一回！」

「なぁなぁ、リンくーん。もう、コンティニュー60回超えたよ？」

「うーん。クリアしないと気が済まない。」

こんにちわーに。
おで、ライオンのボブぞです。

今日は1月3日、三ヶ日も今日で終わり。ケンイツエンチョーはオトモダチのおうちで新年会にお呼ばれしていてね、だから、おうちにいるのはリンくんだけなの。それでね、リンくん、何して遊ぼっかなぁーお出かけしようかな？それとも映画でも観に行こうかな？どうしよどうしよ・・・と迷った挙げ句、結局おうちでゲームをすることになった。

ちなみにゲーム機の電源を入れるのは・・・んーと、1年以上ぶり？かな？我が家には、ミニファミコン、ミニスーパーファミコン、Wii、それから、メガドライブの4台があるんだけれどね。どれもこれもしまい込まれて、久しく使ってなかったんだ。

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いつものリンくんだったらね、「ゲームは楽しいけれど、時間泥棒なんだよねぇ・・・！」っていって躊躇するんだ。だけれど、今日のリンくんは違ったみたい。元日の震災、昨日の空港での事故・・・いろんな衝撃ニュースもあってちょっと混乱もしてたからね、アタマを空っぽにして自己完結できる平和なことをしたかったらしい。

「うぉぉ、こうなったら絶対クリアしてやるぅー！」

いまおでらが遊んでるのは、ミニスーパーファミコン。何種類ものゲームが入っていてこれ1台でいっぱい楽しめるんだけれどね、リンくんがひとりのときに遊ぶのは決まってコレ。「パネルでポン」っていうパズルゲームなんだ。

女の子の妖精のキャラクター同士が戦うパズルゲームで、4色の色を3つ以上揃えて消すっていうシンプルなゲームだよ。ぷよぷよとは違って、上から落ちてくるんじゃなくて、パズルが下から湧き出てくる、かつ、上からはおじゃまパネルが降ってくるという仕様。とにかくクルんクルんしてひたすら消していくんだ。

「いくぞっ♪」っていうかけ声が特徴の主人公、リップちゃん。
パネルを消して敵に攻撃（おじゃまパネルを落とす）するときに言うんだけどね、ずっと聞いてると、その声が、「ボブぞっ♪」に聞こえてくるんだよね。

いくぞっ♪
ボブぞっ♪
いくぞっ♪
ボブぞっ♪
ボブぞっ♪ボブぞっ♪ボブぞっ♪

「あー・・・リンくん、ものすんごい集中力だよね、って話しかけてもいいの？」

「んー、ボブぞ、大丈夫、もう無になってやってるから。」

かちゃかちゃクルクルずっとやり続けるリンくん。

「むがーーー！また負けたぁ・・・！サナトス、強すぎるほんと、どーなのよ、コレ。」

このゲームのひとり用対戦モード（VSモード）には3段階の難易度があって、とりあえず、久しぶりだからと真ん中のノーマルモードで開始したのが、午後2時過ぎのこと。何度かコンティニューしてノーマルモードで肩慣らし。いざ、最難関ハードモードで1面から取り掛かって、ラスボス（実際にはもうひとりいるのだけれど、実質のラスボス）である”まおうサナトス”との対戦を始めてから、コンティニューの回数は70回を超えた。

おでの耳にも、”まおうサナトス”のテーマがずぅっとへばりついて離れなくなっている。

「いま、何時？」

「おやじ・・・。」

「アハッ！ボブぞ、そんな昭和のおやじギャグ知ってるの？」

「なんだかおで、恥ずかしいじゃん・・・！今ね、もう夜の7時半だよ。」

「うっわ！」

いくぞっ♪
ボブぞっ♪
いくぞっ♪
ボブぞっ♪
ボブぞっ♪ボブぞっ♪ボブぞっ♪

リンくんはその後、奇跡の連鎖を繰り返し、結局、コンティニュー73回目でラスボス”まおうサナトス”を倒した。

無事に？リンくんとおでのゲーマーなイチニチは終わったのだった。

「むぅー。おで、もう指が痛いよ！」

「あれ、ボブぞもやってたの？見てたんじゃないの？」

「えっへっへ！実はおでが”まおうサナトス”だったのさぁ！」