モビスケ、銭湯へゆく
「みんなー!ちょこっと夜ドライブ行くよ!早く準備してー!」
こんにちわーに!アザラシのフクだよ。
夏のある休日の夜。その日はご用事でクルマでお出かけしてたケンイツエンチョー。駐車場まで戻ってきて、リンくんに連絡をしてきたらしい。
「エンチョーから連絡があってね、今からモビスケを銭湯へ連れて行くんだって。」
「せんとぉ?」
「ま、いいからいいから!行きたい子はだぁれー?」
「はーいっ!」
同時に手を挙げたのは三人。
ライオンのボブぞオヤビン、ウサギのすずちゃん、それからわたし。
「フクも、フクもー!」
その後、控えめに、おれも、、、と言いながらカミ(ボブおさん)も手を挙げた。
「ホラッ!はやく!はやく!」
「あーんっ!急かさないでぇ、すぐ行くからっ!」
わたしたちは、リンくんに抱っこされてモビスケのいる駐車場へと急いで向かった。
今夜はね、いつかぶりに、我が家の愛車、モビスケが銭湯へ行くらしいよ。
「せっかくだから、例のエネジェット行こっぜー!」
エネジェットとは、ガソリンスタンドのENEOS(エネオス)がやっている洗車機のことだ。
ちょっと家からは離れているけれど、ドライブがてらってことだから、わざわざ夜の田舎道を走らせる。
到着すると、すでに先客がいた。ドキドキしながら順番待ちをする。
「モビスケ、お風呂、怖くないの?」
わたしがモビスケに聞いてみると、モビスケの心臓(エンジン)がバクバクと音を立てているのがわかった。
「あーっ!モビスケ、ちょっとキンチョーしてるぅーっ!」
順番がやってきて、番頭さんならぬタッチパネルの機械の前に停止した。
「えーっと、久しぶりだからコーティングもしてやるかぁ!」
エンチョーが洗車コースを選んでいる間に、わたしはすずちゃんとダッシュボードの上にスタンバイする。
「うふふ、うふふ!モビスケのお風呂、楽しみだねー。うふふ、うふふ。」
「ホントだねー!モビスケ、泡の中で目ぇ開けてられるのかな?」
ちゃりんちゃりんとお支払いも済ませて、いよいよ銭湯の中へ突撃!
いざ、レッツゴー!
ドゥルン。
ケンイツエンチョーがモビスケのエンジンを切った。
「モビスケぇ、脇の下もお股の間も、ぜぇんぶ、キレイにしてもらってねー!」
ジャァァァァァァァァッ・・・
ゴシゴシゴシゴシ・・・
アワアワアワアワ・・・
「あぁ・・・!モビスケが泡に埋もれていくよぉ!!!」
「うきゃぁぁぁぁっ!たぁのしぃー!」
前方の液晶サインで、今シャンプーしてますよーとか今コーティングしてますよーとお知らせしてくれる。
「ふゎぁぁっ!モビ、目つぶっちゃダメだよ!隅々までコーティングしてもらってよね!」
じゃっぶじゃっぶじゃっぶじゃっぶ・・・
ザァァァァァァァァァァッ・・・
ピピッピピッ
エネジェット銭湯が、終わりを告げた。
「ふぁー!楽しかったぁー!モビスケ、スッキリさっぱりしたかぁい?」
わたしがすずちゃんとキャッキャキャッキャしていたら、モビスケはクールな表情のまま、水しぶきをブルルっとあげた。
23時をまわったところ。さぁ、みんなで無事におうちへ帰ろう。
ぐびっぐびっぐびっ
「あれ?すずちゃん、何飲んでるの?」
「エーッ!お風呂の後は、牛乳でしょっ?アハッ!」
最近すずちゃん牛乳にハマってるもんねー。うふふ。
「フクにもひとくちチョーダイ!」
「一緒にのもぉ!」
モビスケの銭湯、あー、楽しかったぁ!
フク(鰒太郎)
ENEOS EneJet Wash
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