ルミぞうとゆく雨間のバラ園
ルミ、ルミ、ルミルミぞう!
おでの新しい友達、ルミぞうがやってきた。
こんにちわーに。ライオン三兄弟末っ子のボブぞだよ。
ボブ家のカメラマンといえば、おでのことさ。
ねぇねぇ、見て見て!
LUMIX DC-FZ85という機種で、ネオ一眼ってやつらしい。レンズ交換はできない比較的小さめ軽めのボディなんだけど、しっかり画質&ズームができるってやつなんだよ。これまで、おでの相棒は、オリンパス→ソニー→ソニーだったから、パナソニックって初めてなの!
今朝、黒猫がニャァと玄関のブザーを押して、やってきた。否、さらっと玄関前に置き配してそのまま去っていった。スマホの通知を見てソッコー玄関先へ荷物を取りに行ったリンくん。
「うへへ、うへへへ。ボブぞ、来たぁー。」
「リンくーん!カメラ、届いたの?」
「届いたぁー!中古だからさ、同梱品チェックと動作確認しなくっちゃ。ボブぞカメラマン、一緒にお願いしますぅー。」
「おう!もちろんだぜ!コイツの名前は、ルミぞうね?」
「あ、そうなの?ルミックスに、ボブぞのぞう、なのね?」
「ウンっ!わぁいわぁい!おでの新しい友達、ルミぞう!」
本来、新品であればSDカードは同梱されてないはずだったのだけど、中古で買ったら全ての同梱品がついてて、さらにSDカードもついてきた。しかもバッテリーもほぼ充電されてて、すぐにでも撮れる準備はできてた。
だからね。
「なぁなぁリンくーん。動作確認にはさぁ、やっぱりお散歩じゃね?ソニおのときも行ったでしょ?ロケハン兼ねて、おでまめ(おでかけ)しよーぜ!」
(ソニーのコンデジがやって来た日のお話 →→→ 「新しい相棒、ソニおがやってきた」)
「アハッ!ボブぞ、ノリノリだねぇー。新しいオモチャゲットして遊びたくて仕方ないライオンだねぇ!」
「何いってんだよぉ、リンくんこそ、さっきからずぅっと首から下げてんじゃん。やーい、コドモー!コドモー!コドモと外で一緒に遊んでやるって言ってるの。」
「うぅ。うぅ。ハイ、行きましょう。行きましょう。言われなくても出かけるつもりでしたよ、もちろんですよ。さぁ、雨がやんでる間に、行きましょうか、ボブぞカメラマン!」
「うむうむ。リンくん、今日からおでのアシスタントにしてやるよ。イエェイ、レッツゴォォォォー!」
そんなわけで、新しく我が家の仲間入りをしたルミぞうを連れて、おではリンくんと京成バラ園へ行くことにした。空はどんよりしていて、ちょっと心配・・・。そりゃ梅雨だものね。
折りたたみ傘をリュックに突っ込んで、おにぎりをほおばって、テクテクテクテクと向かったのだった。
今年の春バラはとにかく咲くのが早かったんだって。リンくんは、春バラを見に来るのは3度目だという。1度目はボブこネーちゃんと4月に来て、2度目はリンママちゃんをご案内しに、5月に。そして、今回というわけ。リンくんはこの京成バラ園がとってもお気に入りだから、年パスを更新したのだという。
「こないだすごい強い雨降ったから、かなり花が傷んで下むいちゃってるぅ。ただ、それでもまだ頑張って咲いてるね。すごいよ、バラって。」
「ふぅーん。バラは花の王様みたいな感じするけどさぁ、おで、バラだけじゃなくて他のお花もキレイだと思うよ。」
「お!ボブぞ、目のつけどころが違いますねぇ!さっすがカメラマン!そうそう、バラはもう終わりかけだけど、ココよココ、”アルテミスの花園”。ココ、実は季節ごとにいろんな草花が植わってて、好きなんだぁ。」
「ふむふむ。じゃぁここいらでおではちょっと撮影してみるとするかなっと。おいしょっと・・・!うわっ!ルミぞう、重いぃぃぃ!」
「アハッ!ボブぞの小さいカラダにはちょっと重そうだねぇ・・・。ソニおとはわけが違うよね。倍くらいの重量あるはず。」
「うぅ、おで、体力には自信あるから!全然、ヘーキ・・・!うぅ。」
「じゃあ、一緒に撮ろうか、わたしが首からかけるからさーぁ、カラダとカメラとの間に入っていいよ。」
「むぅーん。不本意だけど、仕方ないなぁ。」
よっこらせ。
ぶらーん。
ぶらぶらーん。
・・・なんだかおで、ちょっと不格好かな?リンくんが首からかけたカメラの本体と、リンくんのカラダの間に挟まって、いわば抱っこひも状態で、撮影に挑むことになった。
カシャ、カシャ
カシャ、カシャカシャ
ん?しかし、その体勢に慣れてさえしまえば、なかなかおもしろいの!
“アルテミスの花園”というエリアは、このバラ園のなかでも少しだけ高台になっていて、園内全体を見下ろすことができる。近くで見れば茶色く枯れた花弁が目についてしまうけれど、遠目に俯瞰してみると、色とりどりのカラフルな世界が広がっていた。晴天ではない分、緑の色がみずみずしく見えるし、梅雨の雨間のバラ園っていうのも悪くないんだなぁと思った。
ただ、空を見上げれば、湿気たっぷりの梅雨雲がどんよりと迫ってきている。
ポツ・・・
「うわっ、来ちゃった!雨ぇ・・・。」
「ひぃー!おで、雨ニガテ!たてがみ濡れちゃう!リュックに避難するぅー。」
「あ、待ってよ待ってよ。先にカメラ!ルミぞうのほうが濡れたらやばいって。」
「むーん・・・!おでとカメラ、どっちが大事なんだよぉー!」
「エ?そりゃもちろん、ボブぞだよぉ!だけど、ボブぞは濡れたらお風呂入れるでしょ?」
「ノーーーーっ!」
ポツポツポツポツ
ポッポッポッポッ
ポポポポポポポ
雨粒の間隔が狭まって、おでらの足元のアスファルトの色がどんどん濃くなっていく。草木のニオイ、バラのほのかな香り、それから、土ぼこりの混じった、雨のニオイ。
おでらは出口へと急いだのだった。
「ひゃー。降られたねぇ。帰ろ帰ろ。スーパーでお買い物して、おうちかーえろ。」
本来の目的だったルミぞうの動作確認は十分にできたし、今年の梅雨の異常な大雨に負けずに頑張って咲くバラたちを見守ることもできた。なんてことのないお散歩だったけど、おではちょっと楽しかったの。
「今日の収穫は、ボブぞのルミぞうでの撮影スタイルができたことだなぁ。抱っこされるライオンカメラマン。かわいすぎるねぇ、うふふ。」
「ン?抱っこひものことか?なんかおで、アレ、ちょっと恥ずかしいから、別の方法考えてよ。」
「えーそんなことより、ボブぞ、濡れちゃうよ。もっと近くおいでよ。ほら、ぴっとしぴっとし。ギュぅ!」
「いやん、いやん。だぁかぁらぁ、リュックの中に避難させてってばぁーーー!」
おでらはそんなことを話しながら、帰路についたのだった。
ほんの小さな、相合い傘で。
駅へと続く遊歩道では、アジサイが力強く、満開を迎えようとしていた。
「なぁ、リンくん。雨も、悪くないね。」
「ン?ボブぞ、なにか言った?」
でへへっ。
ボブぞ
Panasonic LUMIX DC-FZ85
https://panasonic.jp/cmj/dc/compact/fz85/
京成バラ園 公式ホームページ内 ”アルテミスの花園”
https://www.keiseirose.co.jp/garden/view/root_map/