金色に光る獅子
ボブおです。
12月も、もうほぼ半分まで来ちゃった。この時期は、日が暮れるのが猛烈に早いのよね。
午後のうっとしお昼寝から目が覚めると、リンくんが慌ただしく洗濯物を取り込んでた。
「あわあわ。冷えちゃう冷えちゃう。せっかくカラッとよく乾いたのに!いっそげー!」
「リンくん、もうちょっと余裕持ってゆったりと行動できないの?年齢ばっかりオトナになっちゃってさ。ニンゲンのくせに。」
おれがそうつぶやくと、ちゃんと耳に届いたらしく、返事が帰ってきた。
「あ。ボブお。夕陽。すごくキレイ。」
「ン?」
それは返事だったのかどうか、わからない。わからないけれど、多分、おれらはコレで会話が成り立ってる。まるでリンくんは夕焼けの空のチェックに行くかのように、そのタイミングを選んでみどりテラスに出たのだろうと思う。
・・・スゥー!
おれは窓ガラスを開けて、リンくんを追いかけてみどりテラスに出た。気持ちいいくらいスムーズに動くサッシ。おれの小さな手でも引き戸が引きやすいように最新版は取っ手のようなものがついている。
フハッ!
心のなかでわーいわーいしてると、リンくんにガシッとつかまれた。
「あーん!もう。抱っこするならもうちょっと優しくしてよね。」
「ほら。」
おお・・・!
ひとときたりとも同じ空はない。おれはどんな空だって見上げるけれど、ちょっと今日は特別だ。
一瞬の瞬きのように、金色に輝く光。
おれの特徴的なカラフルなたてがみのいっぽんいっぽんに金色のキラキラとした粒をまとわせてくれる。まるで金色の獅子になった気分だ。
「おおっ・・・!おれ、まるで、ライオンみたい?」
「うふふ。ボブおはいつだって、ライオンだよ。でも、今日のボブおもカッコいいよ。」
ぅわうぅわうわうぅぅぅー!!!
いつもより少し低い声で吠えてみた。今しかない、金色の空に向かって。
さぁ。寒い冬の夜がやってくる前に、おれのたてがみにやってきた金色の粒をひとつひとつ集めてココロにしまおう。
そして、お部屋に入ったら、弟や妹や、オハナ(家族)のみんなに、ひと粒ずつ分けるんだ。
今日も、いいイチニチだ。
ボブお
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