ワクチンチクン その7 – リンくんの4回目

ワクチンチンチン
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お決まりのこの曲で始まりましたぁ!リンくん、4回目のワクチン記録だよ。
お供は今回もおで、ボブぞです。

「アナタ、4回目打ってきなさい」のお手紙(=自治体の接種券のことね)がポストに届いて早々に、滑り込みでその週末に予約を取ったリンくん。3回目のときは近所のクリニックで打ったけれど、今回は、1回目2回目の時と同じ、自治体の集団接種会場だ。

会場の駐車場に早めに着くと、リンくんはペットボトルの麦茶をひとくちグビリと口に含んで言った。

もぉ4回目ともなれば、慣れたもんよぉー。任せて!

リンくん、そう豪語するけどさ、口元が歪んでるよ?やっぱり嫌なくせに。

嫌ってわけじゃないのよ、注射そのものが痛いわけじゃないしさ。ただね、前回3回目打った後、副反応で1週間くらい体調戻らなかったからさ、覚悟はしてるよね・・・。しかも今回はさ、オミクロン株対応とかってちょっと違うやつだからさ、なおさらだぁよ。

フーン。ま、打つって決めたなら、仕方ないよね。ホントに調子悪くなったら、おでが看病してやるからさ。ホラっ!行ってこーい!ペシッ!

リンくんのおケツを叩いて送り出そうとしたら、グイッと腕をつかまれた。

え?何言ってるの、ボブぞも一緒に会場入るでしょ。ほら、行くよ。

わーん!おでは打たないのにぃ・・・!おわぁぁぁ!
・・・ちょっとぉ。強引じゃない?結局ひとりじゃ嫌なんじゃん・・・。

おでは小さい声で文句を言いながら、接種券と麦茶のペットボトルと一緒になって、ペランペランのエコバッグに雑に入れられ、接種会場の中まで連れられてきたのだった。

おでも4回目ともなると、慣れたものだ。リンくんがワクチンチクンの間、泣いたりわめいたりしないことは知ってるけど、会場のどこかでつまづいたり道草くわないように見張らねば。来たからには使命感を感じてはいるんだけど、なかなかバッグから出してもらうことはできない。

入口で消毒検温、接種券の記入確認、身分証明書の提示、問診票の確認・・・。

スタンプラリーさながら、サックサックと進んでいく。

(・・・アー、くれぐれもワクチン打ったあとはね、今夜は深酒はしなぁいこと。あと、アナタ、スポーティーな格好してるわぁねぇ、明日あさっては暑くなるらしいからね、運動とかしちゃダメよぉー!前回と同じくらいの熱はでるかもしれないからね、熱中症と区別できなくなるから、やめてねー。はーい、いいよ。)

(あはっ。はぁーい)

ン?リンくん、なんかおじいちゃん先生に言われてらぁ。最近買ったばかりのお気に入りの黒いキャップを見て突っ込まれた様子だ。あの帽子、おでのほうがよっぽど似合うのになぁ・・・・。

しっかり問診をしてもらって、いよいよ接種ブースへ向かった。

(はーい、こんにちは。お荷物、こちらにどぉぞ。)

柔らかい感じの看護師さんの声が聞こえた、と思ったら、全身に衝撃がきた。

ドンッ・・・!

うぅぅぅ。いったぁ・・・・。

オーーーーイっ!!!
さてはおでのこと、荷物カゴにいれたなぁ?

おで、オニモツじゃないもん!もっとさぁ、優しく座らせるとかぁ、もしくは、リンくんの膝に抱えたままとかぁ、看護師さんにコンニチワぁとか、さぁ、やり方あるでしょぉ?
しかも今日のバッグ、ペランペランでなぁんも衝撃吸収してくれないしさ、麦茶のペットボトルが当たって痛いのよ・・・。最初の一口から飲んでないじゃん、減ってないから重いのよ。おでにとっては凶器よ、凶器。

うぅぅぐぐぐ。イテテテテ・・・・。

おでがバッグのなかで悶絶していると、すっ・・・と世界が変わった。
暗いところから急に明るい世界に出たから、ちょっと目がしばしばしてる。
目の前にリンくんの顔があった。等間隔に並べられたパイプ椅子に、一緒に座っていた。

ン?あれ、終わったの?

終わった終わったー。15分待機したら、帰れるよ。

あのさー。ちょっとぉ。無理やりおでのこと連れてきた割にさ、扱い悪いよ。すんげー痛かったもん。

え?ボブぞ、痛かったの?お注射、一緒に打ってもらったの?

ハ?何いってんのさ。おでのこと、ドンッ!て置いたでしょ。まるでさぁ、荷物みたいにさぁ。ホンットやなんだけど。ああいうの、キライ。

あー。あのときね・・・ゴメンゴメン。看護師さんがさーぁ、ちょっと目元メイクがかわいらしくてみとれちゃってぇ。うっふふ。

なぬぅ、そんな理由で・・・おで、優しくしてくれなくちゃやだよ。

・・・むぅ・・・付き添い料、取るからな。

うん、ごめん。気をつける。ちゃんとハッグ、ね?ギュゥ、ってしてあげるぅ。いつまでたっても甘えんボブぞだなぁー。

ばかばか、違うわい!しかも人前で、おで、恥ずかしいからやめてくれる?おで、もう7才のオニーさんですから!

はいはいな。お家帰ってからね。

付き添いありがとうね。帰りにスーパーでお惣菜買うから、お礼にボブぞが好きなもの選んでいいよ。

うむ。じゃあ、・・・おで、だし巻き玉子と、鶏の唐揚げ、な。いちばんでっかいパックのやつだからな?できたてほやほやのやつな。

いいねぇ、定番。わたしはおこわ食べたいなー。お赤飯か、山菜おこわあるかなー。

リンくんとおでは、待機時間の15分の間、今夜の晩メシについて相談した。1m間隔で前にも後にも、右にも左にもニンゲンがいっぱいで、ライオンはおでひとりだった。おで、なんだか誇らしかった。

ボブぞ、今回もボブぞのおかげで無事に打てました。ありがと。

フハッ!おでのおかげだからなー!

“ン?あれ、終わったの?”

あ、そうそう。

リンくん、4回目のワクチン副反応は、微熱とだるさだけで済んで、3日ほどで回復した。前回よりも軽く済んだのは、おでが痛みを少しだけもらってやったからだぞ。わかってるのかなぁそこんところ!

な?リンくん。しっかりしろよな。

ボブぞ

“おでのおかげだぞ!”

「ワクチンチクン その5 ― リンくんの3回目」https://bobingreen.com/2022/05/10/1985/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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