一緒にいる
グゥ・・・。
いつもの昼下がり。お昼寝中の、わっしとリンくん。
ギュぅっとされて、ちょっと苦しいけれど、あったかい。
ツキノワグマのもっつです。
11年前の今日のあの瞬間、わっしとリンくんは離ればなれだった。わっしは、当時のリンくんの実家の、主のいないリンくんの部屋の片隅にジッと座っていた。ほとんど誰にも相手されない日々を過ごしていた。
リンくんはというと、トーキョーのトチョーの近くにあるニシシンジュクのでっかいビルのなかで、目の前のことにばかりとらわれて、とにかく働いていた。
離ればなれだった時間は、必要だったのだろうか?
ふと、思うことはあるが、答えを探すことはやめた。
目の前に、リンくんがいる。
リンくんの目の前に、わっしがいる。
いいじゃないか。クマとニンゲンが抱き合って、眠っている。あったかいもの。
あったかい。そのことに、感謝して、もうひとつ、ウトウトしよう。
リンくんが起きないように、そっと毛布をずり上げて、ふたりで巻き付いた。
もっつ
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