流れ星とホットミルク
あ。ケンイツエンチョーが来た。
ホットミルクの差し入れだって。
ありがとう。リンくんがぼそっとつぶやく。
あ。おいしい・・・。
深夜2時。静まり返った、みどりテラス。
ブルブルブル。
おれのカラダ、ぴえっぴえ。
リンくんはこれでもかというくらいいろんなものを着込んで、首やおなかにぐるぐる巻きに布を巻き付けている。
おれにも一枚なんかくれよ。いつもの衣装じゃ寒すぎる。
ふたご座流星群がよく見えるとかいうニュースを見たリンくん。眠い目こすってむくっと起きて、意を決してみどりテラスに向かったんだ。本当はおれもねむねむだったけれど、ひとりじゃ心配だからと、あわててリンくんのあとを追いかけたってわけだ。そんなおれを見かねたケンイツエンチョーも、追いかけてきてくれた。エンチョーはゆったりと一服しながら。リンくんはカメラを構えながら。おれは、リンくんの手の中でぐっと寒さをこらえながら。3人で、静かに、みどりテラスで空を見上げる。
こんな風に、深夜の星空をしっかりと眺めたことはあまりなかったな。おれはお日さまやお月さまのことはよく眺めてきたけれど、お星さまは無数にありすぎて、なんだかどこを見ていいのかわからなくなる。今夜だって、そうだ。
広い広いひろーいお空の、、、ドッチを向いて眺めてたらいいのかな?って。
おれの視野の狭さを思い知らされる。
・・・すぅっ。
リンくん、いまコッチ流れたよ。
おわっ。見逃した。
・・・すぅっ。
あっ!!!いまおっきいの、流れた!
ボブお、どだった?
ん。フシギだった!
うん。フシギだったね。
フワァーぁ。おれ、ねる。
うん。ねよか。私、寝る前になんか飲みたい。
あれ、ミルクもう一杯飲みたい?
ううん。ちょこっとお酒。あ。赤ワイン一口飲んでからおフトン行くね。
うん、早く来いよ。
はーい。おやすみ。
おやすみ。明日もお空、眺めよう。
ボブお