赤い光と今宵の月

わうわうわうー。

ボブおです。

今宵は満月、スタージェンムーン、だそうだ。チョウザメ月。キャビアのことか???ん-。すぐ食べもののことを考えちゃうな。フハッ。

8月も下旬。少し風が涼しくなってきた。ここみどりテラスは、特に夜になると、穏やかで静かなんだ。

だけど、今夜はちょっとだけ、にぎやかなようだ。

テラスの下を除くと、赤っぽい光と人影。

しゅごー・・・。

花火だ。

ぱっとついて、5秒もしないうちに消えてしまった。

あ、また点いた。

ん、あれ、またすぐ消えちゃった。

ふーん、花火って難しいの?

ってエンチョーに聞いてみた。コッチはエンチョーがタバコに火を点けた。タバコはしっかり燃えてるのにね?

難しいのかねー?子供のころ、花火やりたかったなぁ。なんかさ、パラシュート降ってくるの、あったよね。

あったあった。私もおばーちゃんチでやったな。音がおっきいのはやだっておばあちゃんが言って。

フーン。エンチョーもリンくんも、花火、やったことあるのか。

おれは、ない。おれらは、火は苦手なんだ。大事なしっぽが燃えちゃったら困るもん。大事なタテガミが焦げちゃったらカッコ悪いだろ。

ふぅ。

あっという間に花火は終わったみたいで静けさが戻った。赤い光の代わりに、懐中電灯が見える。お片付け、ちゃんとしてるみたい、エライエライ。

リウリウリウリウリウリウ・・・。

ジー・・・っ。

もう夜のみどりテラスは秋の虫の声が優勢だ。

合間にセミが合いの手を入れる。

今宵の月もいいものだ。

わうわうわうー。

ボブお

“もう夜のみどりテラスは秋の虫の声が優勢だ”
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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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