初めてのお外メシ
なんで、こんなおっきなからだに生まれてきちゃったんだろ・・・。
前日の夜、アニキがつぶやいた。
さみしそうに。デッカイからだに似合わず、気弱な声で。
オマエにたくすよ。コロ。
アニキー。そんなさみしいこと言うなよ。ケンイツがさ、連れてってくれるっていってるよ?だって、明日は、大好きなおとっさんに会いに行って、その後、ステキレストランで、ケンパイするんでしょ。
うん・・・でも・・・。
・・・。
何言ってんだよ、ケンイツが、ちゃんとお店にお電話して、言ってくれてたよ。聞こえたもんね。
「バッグが少し大きいんですが、大丈夫ですか?」
みんなー。予約できたよ!個室だってよ、だからもっつも大丈夫だよ。
ほぉら。さすがケンイツエンチョーだろ。だから、行こ?アニキ。
・・・。
わっし、おっきいからさ。どうやって行くの?
はーいはいはい!わたしがおんぶヒモ買ってきて、おんぶするよ。それか、だっこヒモの方がいい?
リンくん・・・。それは、嫌です・・・・。。。
今朝。
ちょっと早く起きたリンくんが、パタパタ、パンパンってみどりテラスで何かをはたいてた。
しばらく使ってなかった、おっきな帆布のトートバッグを引っ張り出してきて。
もっつのバッグ。これで、行こか?
わっし、ホントに行っても、いいの?
だれがダメって決めたんだよー!行くぞーもっつ!
やった・・・!やったぁ。初めての、お外メシ。ケンイツエンチョー、すごいなぁ。ありがとう。ありがとう。
やったな、アニキ。はじめて一緒のお外メシだなぁ。三十うん年一緒にいるけど、はじめて、お外でゴハン食べるのなぁ。
良かったなぁ。オハナのみなさんと一緒に暮らすようになって、みどりキャンプのソファでお昼寝ばっかりしてたアニキだけど。
いろんなことがあったけど、アニキだって、お外でメシ、できたら、いいよな。
だって、オハナだもんな。オハナってのは、いつだって、一緒にいて、同じメシ食べて、同じうこするもんだ。そんで、いつだってぴっとし、離れない。それがオハナだろ。
な。良かったな、アニキ。
ころすけ。