しだれざくらの思い出
ネーちゃんは、美しいものが似合う。
こないだのドヨービに、みんなでおでまめした。しかもね、よるのおでまめ。
イケブクロから山手線でみっつ、コマゴメってとこにある、リクギエン、って公園。
ケンイツがね、そこにすんごいデッカイ桜の木があるんだって、みんなで行こうって、つれていってくれたの。
こころなしか、ネーちゃんがわくわくしてるのがわかった。ふだん、とっても冷静でおだやかなネーちゃんなのに、ちょっとトキトキがきこえた。
春ね。わたしの季節ね。
だって。
ふふ。おで、ネーちゃんがうれしいの、うれしいもん。
コマゴメの駅に着いて、おビーを買って、いざ。
公園につくと、人がいっぱいいた。ライトアップしてるんだって、今週が見頃なんだって。
なんだろな、なんだろな。
入場チケットは、さんぴゃくえん。ケンイツとリンくんだけ。
小学生以下は、タダだって。おで、まだ3才だもんね。
オハナぜんいんでいざ!
暗いなかから、ライトアップのほうをめざす。すぐに、暗い夜に浮かびあがる、しろっぽいモコモコがみえる。
しだれざくら、っていうんだよ、たれてるの。
ケンイツがおしえてくれた。
すんごいねーすんごいねー。おっきいねー、ひろがってるねーーねーねーこれいっぽんなの?ほんとにいっぽんなの?
リンライオンもはしゃいでる。
めのまえにどどドーンってひろがる、美しい桜色のモコモコ。夜だから、白くも見えるし、すこし青くも見える。ライトのせいかな。
さくらいろ、が正しいと思った。下へ、下へと、しなる枝が、ちょっとせくしぃ。
へへ。でへっ。
ネーちゃんがさっそく登場。
アタクシ、この桜をバックに撮影してちょうだい。
ぱし。ぱし。ぱし。
リンライオンが撮るけど、なんだか、難しいみたい。
目で見るのがいちばんだよ、目に、やきつけようよ。難しいの。
おでたちのセイチョウキロクだよ、成長記録。ちゃんとネーちゃんのこと、きれいに撮って。
ぱし。
ネーちゃんのシルエットとモコモコがとれた。うん、これ。いいね。
さあ。おさんぽしよ。
そんなこといってたら、ポツ、とあたった。
雨だ。
雨ふってきちゃったね。
おでたちは雨が、きらい。
ケンイツがすぐにビニール傘をさしてくれた。
雨はきらいだけど、ぎゅってしてもらって、みんなで夜のおでまめ。一年にいちどしか見られない、でっかい、白い、青い、しだれざくらのおさんぽ。
しだいに雨は強くなってきて、池の鯉が暗いなかから、にゅーって、くちを出してきた。
こえー!ひゃぁ!
ってニーちゃんとはしゃきながら公園のなかを歩く。
人もいっぱい。コドモもオトナも犬までも、いっぱい。
でも、ライオンはぜったいおでたちだけだもんね。でっかいしだれざくらの満開の下を歩いてるライオンは、おでたちだけ。
おーうい、クマグマもいるよ。
ねー、しじもイーさんもいるよ。
あ、リンくんのことわすれてた。リ、リンライオンも、いるよ。
ケンイツエンチョー、夜のおさんぽ、楽しかったよ、ありがとう。
公園を出て、駅まで歩く。
なーなー、うんまいハムエッグ、くおっぜー?
えー、なにそれ!たべたーい!わふ!
ってもりあがったのだけど、残念ながら、行列してた。
ハムエッグは、また今度ね。
おさんぽして、あったかいゴハン食べて、おフトンにくるまって、みんなで眠る。
おで、すてきな春の夜でした。
ボブぞ
2019.3.30.
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