長崎ラストディナーはちゃんぽん発祥の店「四海樓」で(2026.2.19 Thu)

ころすけの晩ごはーん
5泊6日の五島&長崎旅行もいよいよラストナイト
まだ食べてない心残りのものといったら…やっぱりコレ!ちゅーうかぁ!
長崎中華!
訪れたのは長崎ちゃんぽん発祥の店「四海樓」。
宿泊しているホテルから徒歩圏内にあるのだけど、席予約が不可なので根っからの行列嫌いのリンくんにはハードルが高いお店なんだ。

…だけどね。迷ってるリンくんに向かって、リンママちゃんが言ったの。
「行くだけ行ってみて、もしもダメならダメでもいい。なんならお部屋でコンビニメシでもいいから、チャレンジしましょう。せっかくだもの。」
と。
リンママちゃんがパワフルな発言をしてくれたので、リンくんも背中を押されて、「四海樓」の夜営業のオープン時間に合わせて行ってみることにした。
5階建ての超立派なビルを目の前に、エレベーターで最上階まで上がると…
びっくり!オープンの17時より5分前にもかかわらず、テーブルは半分ほど埋まっていた。すでに食べ始めてるグループもいるくらいだ。
「なんと!みんなもっと早い時間から並んでたのかな?」
んで、同じエレベーターに乗ってた先客2組のあと、リンくんの番がやって来た。
「ふたりですぅ。」
そう店員さんに伝えると、「アチラどうぞー!」とすぐに大きな5人がけの円卓に通してくれた。
え?!わぁ!なんと待ち列なし!ラッキー!
店内のひろぉい窓の外には、稲佐山から長崎港の先まで、素晴らしい長崎ビューの景色が広がっている。いまはまだ明るいけれど、夜になると夜景が美しいらしいね。
「まぁー素敵なお店ね!入れて良かったわね。」
リンママちゃんも大喜びだ。
というわけで、最初のオーダー。
- ザーサイ(搾菜)
- 前菜2種盛り合せ(二盆拼)
- カニ玉(炒蛋蟹玉)
- 赤ワインボトル
「アレ?ちゃんぽん発祥の店では?頼まないの?」と思うかもしれないけれど、まぁまぁ急ぎなさるな。夜は長い。本日旅行ラストナイト!無事に「四海樓」の席を確保できたのだから、飲みつつつまみつつ、旅行を振り返りつつ、のんびりとやらせていただこう。




周囲を見回すと、やはり皆、ちゃんぽん、ちゃんぽん、ちゃんぽん。お酒を飲んでるひともチラリホラリ見かけるけれど、たいがいビールジョッキ一杯、みたいな感じだ。
それから意外と目立つのは、炒飯の皿。どうやら炒飯はちゃんぽんに次ぐ人気のようで、炒飯とちゃんぽん、という組み合わせで両方をたいらげている人も見かけた。
初回オーダーの品は5分ほどでテーブルに揃った。さすが中華、提供も早い。
思い思いに取り皿によそい、つまみながら、今回の旅行中に回ったいろんな観光スポットのことや、あのタクシーの運転手さんよかったよね、だとか、ホテルのあのサービス良かったね、あれも美味しかったね、とか、とりとめもなくリンくんとリンママちゃんはずぅっとしゃべり続けている。
「おれも飲んでいーい?」
そう言ってふたりの会話に横入りすると、おれはリンくんのワイングラスを取り上げ、大きくグビり、とひとくちやった。
「なぁ、おれも大活躍だったろ?」
「そうね、ころちゃん。ラアコと仲良くしてくれてありがとうね。」
そんなラアコは恥ずかしいみたいで、なかなかリンママちゃんのバッグのなかから出てこない。
「ラアコも旅行楽しんでくれてたかなぁ。」
ラアコに聞こえるように少し大きめの声でそう言うと、リンママちゃんのバッグがもぞもぞと動いた。
「ふふ、ラアコがね、ウンウン、って言ってるわ。」
リンママちゃんは微笑むと、楽しそうにそう答えた。
周囲のテーブルでは2回転目のお客さんを迎えた頃、我々は追加オーダー。
- エビチリ(干炸虾仁)
- 紹興酒グラス
普段、中華料理屋さんに行く機会が少ないリンママちゃん。食べたいメニューを聞いたら、エビチリ、と。
実はエビチリはおれも好物なんだよな。そして、エビチリには必ず紹興酒。これはかの村崎ワカコ(ドラマ『ワカコ酒』の主人公)も言ってた、ベストな組み合わせなのだ。


エビチリを堪能しているその間にもエレベーターからはバンバン送客されてくる。と同時に、会計レジへ向かうグループもおり、待合スペースには常に2、3組ほどの滞留で済んでいる。まぁ平日でコレだから、やはり土日は混むんだろうなぁ。とはいえ、ちゃんぽん発祥の大人気店ではあるものの、回転率はかなり高いといっても良さそうだ。
時計の針は午後6時半を回った。入店から1時間半ほど。窓の外はすこぉしずつ暗くなり始め、稲佐山のふもとの街はポツポツと光りを発し始めた。そして、おれらのエビチリの皿が半分ほどにまで減ったころ。
「んじゃ、そろそろ、うちも注文しますか。」
リンくんはそういうと店員さんを呼び止め、「ちゃんぽんひとつ」とオーダーしたのだった。
そうだった!そうだった!この「四海樓」は長崎ちゃんぽん発祥の店だったじゃないか!年以上前の明治32年、「四海樓」をオープンした初代が中国人留学生のために生み出した料理がちゃんぽんなのだという。安くて栄養がある料理、というのがスタート。そんなちゃんぽんは、今となればリンガーハットのおかげで全国区の有名料理になったといえるだろう。
125年前の明治32年、「四海樓」をオープンした初代が中国人留学生のために生み出した料理がちゃんぽんなのだという。安くて栄養がある料理、というのがスタート。そんなちゃんぽんは、今となればリンガーハットのおかげで全国区の有名料理になったといえるだろう。
おれらはちゃんぽんを目的に「四海樓」に来たはずだけれど、それ以上にここまで本格的な中華料理を堪能させてもらっていて、とっても気分のよい旅行ラストディナーを楽しんでいる。そのシメが、ちゃんぽんだなんて嬉しいじゃないか!しかもリンママちゃんは実は初ちゃんぽんらしいぞ。
「お待たせいたしました、ちゃんぽんです。」

入店したからというもの、おれらは頂点に細い錦糸卵を美しく散らされた丼が他のテーブルにいくつも運ばれていくのを何度となく繰り返し見てきた。それが、ついにおれたちの目の前にも到着したのだ!
白濁したスープのお風呂に浸かっているのは、優しい色合いのお野菜たち。
クンクン…
豚と鶏の合わせだというスープは、動物性とはいえ柔らかい香りがおれの鼻腔に届いてくる。肝心のちゃんぽん麺はこの下に埋まっているようで、箸をつける前では姿を見ることができない。
「では、いよいよ。いただきましょうかね。」
そう言ってリンくんは深い器にニンゲンふたり分を取り分けると、レンゲでスープをすくってたっぷりとかけた。
改めて、せーのっ…
「いっただっきまーす」
シャキシャキと歯ごたえの心地よいキャベツやもやし、そこに薄切りのお肉とイカさんエビさんなどの魚介が、食べごたえと旨みを加えてくれている。それから、特徴的なのは薄い短冊型に切られた紅白のかまぼこ。人工的なピンク色こそが、ザ・ちゃんぽんというイメージそのままだ。
ずずっと麺をすすると、もっちりとした食感と水分を感じる。ちゃんぽん麺はモツ鍋のシメとかでも使われるから、スープの旨みを含みやすいんだと思うんだな。
「あら、この麺は珍しいわね。細いうどんみたいな、あ、五島うどんのちょっと太いような、うん、似てるわね。おいしい。」
リンママちゃんは初めてのちゃんぽんを気に入ってくれたみたいだ。
「スープもしょっぱくないし脂っこくなくて、コレは全部飲んじゃうわね!」
そういうと、リンママちゃんはレンゲを片手に、丼に残っていたスープを全部飲みきってしまった。
リンくんはというとその間に紹興酒の残りと赤ワインを交互に飲み、残ったザーサイを平らげた。
「ふぅー!おなかいっぱい!大満足!」
「ごちそうさまでしたーっ!」
手を合わせてごちそうさまをすると、まだエレベーターからはお客さんが店内に入ってきた。すっかり外は暗くなり、稲佐山の頂上はピンク色に輝いていた。
リンママちゃんのひとことで、「四海樓」のナイスチャレンジができた。
そのことはとっても喜ばしいし、並ばずに人気店のディナーをいただけたこともラッキーだと思う。
だけどね。
だけれど、おれは、もっと大事なことを言いたい。
リンママちゃんがまだ坂を自分の脚で登れるうちに行こうと誘った今回の長崎旅行。
離島の五島まで含め5泊6日という長丁場の旅程の最後の夜を、こうやってふたりとも元気に迎えることができた。
体調を崩すこともなく、お財布をなくすこともなく、なんなら喧嘩をすることもなく。こうやって揃って笑顔で食事ができたってことが、いちばん喜ばしいのだ。
「もしもダメならダメでもいいから、チャレンジしましょう。せっかくだもの。」
数時間前にリンママちゃんが言った名ゼリフを、おれは忘れないよ。リンくんもちゃんと覚えておけよ。
せっかく来たんだから、全力で楽しみたい、やりたいことはやりたいんだ!そういう真っすぐな好奇心を、リンママちゃんは存分に発揮してくれる。
長崎の街を歩いていても、リンくんの心配をよそに杖をつきつつもスタスタと坂を登るし、疲れが溜まってきた頃に、「建物の外観を写真撮るだけにしようか?」とリンくんが提案しても、リンママちゃんは「中まで入ってみたい」と主張して、やはりなお階段を登り続けた。
おれは「四海樓」で満足気に人生初ちゃんぽんまでたどり着いたリンママを見て、とてもいい旅行になったなぁ、とつくづく感じたのだった。
ちなみに。
ホテルへの帰り道、これまたリンママちゃんの機転で、奇跡みたいなスゴい景色に出会えたんだ。また別の機会にお話するからお楽しみに。
改めて、長崎旅行ラストディナー、ちゃんぽん発祥の店「四海樓」さん、おいしい長崎中華をごちそうさまでした!
ころすけ
四海樓 公式ホームページ

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