すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第23回 谷津干潟で世界を旅するシギチドリに会う

ピュイピュルルルルピュイ
ピュイピュルルルルピュイ

ンアーっ!
ンアーっンァーグァ・・・

見慣れぬ鳥さんたちの群れが、互いを呼び合う声が聞こえる。

ひときわカラダの大きなアオサギさんが、豪快に雄叫びを上げる。

遊歩道から遠景に見えるのは、特徴的なIKEAのマーク、それから工場群。左手奥には赤いラインの京葉線が走り、高速道路の防音壁も見える。視線を右に向ければ、集合住宅がひしめいている。
そして目の前には、広ぉい水場。穏やかな水面には、ようやく秋らしくなってきた青い空と白い雲を美しく映し出している。

池?湖?沼?

ううん、どれも不正解。ココはね、干潟っていうんだ。

チーバは習志野市にある、谷津干潟っていう場所に来てます。

東京湾と水路を通じてつながっていて、潮の満ち引きもあるから時間を追うごとに眺めが変わるよ。海水が混じっているから、風にのってふうわりと磯の香りがしてくるんだ。

この谷津干潟、四方は舗装された遊歩道で囲われていて、一周約3.5kmあるとのことだから、ウォーキングやジョギング、ワンちゃんのお散歩をするにはもってこいの場所だ。

正面に広がるのんびりした景色とは裏腹に、背中の側からはニンゲンの群衆の声が混じる。

どん、どん、どんどんどん
レッツゴーレッツゴー・・・!

後ろを振り向くと、道路一本挟んで真向かいにあるのは公立高校。フェンスとネット越しの校庭に、ジャージに身を包んだ生徒たちの姿が見えた。体育祭の練習かな?熱烈な声援が聞こえてきていたのだけれど、昼の12時15分を少し回って昼休みになると、パタリとそれもやんでしまった。

干潟には静けさがやってきたのだった。

・約2ヶ月ぶりのこのコーナー「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW」

オトモダチのみなさぁぁぁぁん!
お久しぶりです!ウサギのすずこと鈴之助だよっ。

“ウサギのすずこと鈴之助だよっ”

それでは、いってみよー!

大人気コーナー
「すずちゃんのぉぉぉぉぉっ!野鳥にびっくりでSHOWぉぉぉぉぉっ!!!」

約2ヶ月ぶりの今回のテーマは、「谷津干潟で世界を旅するシギチドリに会う」だよ。
(前回のお話はコチラ「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第22回 夏休みの少年とセンセーとカワセミさんを待つ」

メンバーはおなじみ、ワタクシ、野鳥レポーターウサギのすずちゃんと、カメラマン兼アシスタントのニンゲンのリンくんでお送りします。

“チーバ県は習志野市にある谷津干潟公園にやってきてるよ”

今日のリンくんは、100-400mmの望遠レンズに、さらにテレコン(テレコンバーター)ってやつを装着して、超望遠仕様に。なんとこのカメラ、すずの身長と同じくらいの長さがあるんだぁ。

「リンくん、そんな長いレンズ、ぶつけないでよね?転ばないように気をつけてよー!」

「そだね、気をつけるよ。」

リンくんってば、アシスタントのくせに、すずのほうが声をかけてあげないとね、夢中になっておっちょこちょいしちゃうんだもーん。

それからね、双眼鏡も干潟観察のお供だよ。リンくん、今年の春に野鳥撮影のためのこの本格的なカメラを買ったんだけどね。予算を全部振り切っちゃったから、双眼鏡はしょんぼいおもちゃみたいなヤツなの。一応見えるけれど、鮮明さはないよね・・・。いつかすずにピッタリの、機能性がよくて軽いヤツ買ってくれるかなーぁ?

・谷津干潟はシギチドリの楽園!

この谷津干潟、スゴイ場所でね、探鳥スポットとしてけっこう有名なの。1993年に国内の干潟として初めて「ラムサール条約登録湿地」に認定された場所でもあるんだよ。

すずね、これまで公園や雑木林、川や沼へいろんな野鳥を探しに行ったことがあるの。だけど、この谷津干潟には、これまでそういった場所では出会ったことのない、全然違う種類の鳥さんたちに会えるってことを知ってしまったんだ。

それが、シギチドリ!

シギチドリというのは水鳥さんのなかの分類の一種で、分類の総称だよ。シギ類、チドリ類、というのをまとめてシギチドリ(略してシギチとも)というみたい。

シギチドリは、世界を旅する鳥さんなんだって。
繁殖地である北方ロシアの方で子育てをして、冬場は暖かい南半球のオーストラリア近辺で過ごすために、地球を南北に縦断、1万km近くも飛んで移動するんだって。飛行機やお船に乗るわけじゃないの!スゴイよねー。

それを渡り、というのだけれどね、渡りの途中で、休憩をするために日本にも立ち寄るんだって!いわゆるトランジットってやつかなぁ?

その休憩場所としてシギチドリさんたちの間で人気スポットのひとつが、この谷津干潟ってわけ。

ちょうど秋の今の季節は、日本にシギチドリが集まる時期。
はるばるロシアからようこそ!さぁ、日本でたぁんと腹ごしらえして英気を養って、これからオーストラリアへ行ってらっしゃい!ってことだね。

すず、これまでシギチドリ類の鳥さんでは、コチドリしか見たことがなかったんだ。だから、観察するのがとぉっても楽しみだよ!

今回は8月から10月のアタマにかけて、谷津干潟に数回通ったなかで出会った鳥さんたちを紹介していくよ。

ぜひ、みんなも一緒に楽しんでね!

谷津干潟についての詳細はコチラ
「谷津干潟について」 習志野市谷津干潟自然観察センター 公式サイト
https://www.seibu-la.co.jp/yatsuhigata/about.html

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・初めて見た!キアシシギ

ヒョコヒョコと水路を歩き回っていて、脚は黄色いの。大きさは、カワラバトより少し大きいかそれくらい?これまでに見たことない水鳥さんだなぁって思って、遠くからそぉっと話しかけてみた。

「アナタはだぁれ?拙者、ウサギの鈴之助!すずちゃんって呼んでね。」

「あははは!拙者って初めて聞いたなぁ。いっつもすずは自分のこと、すず、っていうじゃん。」

リンくんがカメラをいじくりながら、横で笑った。

「んで、この黄色い脚の鳥さん、だぁれ?リンくん、調べて!ねぇすずのアシスタントでしょ?」

「んーっと・・・。なんか図鑑で見たことがあったような・・・。シギチドリ類の誰かかなーぁ?ヒョコヒョコ歩き方が、いわゆる千鳥足っぽいしさ。」

ま、シギチドリ初心者のリンくん、その場では到底わかるわけもなく、おうちに帰って調べてみたんだ。

そしたら、キアシシギだった!黄色い脚のシギ、キアシシギ。すずが初めて見たシギ類は、キアシシギだったよ!

“キアシシギ (2024.8.8)”

「キアシシギさーん!きゃーぁきゃーぁ!カワイイね!どうぞよろしくね!」

「脚が黄色いから覚えやすいねぇ。」

黄色い脚のシラサギはコサギ、くらいのテンションでそう思ってしまったのは、大きな勘違いだった、ということにはすぐに気づいたのだけれど。

・シギチドリは見分けが難しいらしい!

カメラのシャッターを押すのをやめて、ぼんやりと干潟を眺めていたリンくんのもとに、ひとりのオジサマ(齢的にはオジイ)が話しかけてきた。

「すみませーん。この鳥、わかりますか?ダイゼンのなかに2羽だけいたコなんですけど。」

リンくんのそれの倍くらいもありそうな立派な望遠レンズを抱えて、自分の液晶画面を見せてくるオジイ。

「あいやー・・・スミマセン、わたし超初心者で。なんでしょね・・・。」

知らないひとから話しかけられて、あからさまにガードを固くするリンくん。そういうとき、すずはリンくんのリュックのなかからひっそりと見守るしかないの。

「アカアシシギがいるって聞いて、今日来たんですよ。ホラ、観察センターのホームページに載ってて。」

「あぁ、今日いるって出てましたか。ほうほう。」

リンくん、ただでさえ人見知りするから自分から話しかけることはあまりない。だから、答えのわからない質問をされて、なんとか話を合わせてるの。

観察センター、とはこの谷津干潟に隣接する建物で、正式名称は、習志野市谷津干潟自然観察センターという。その名の通り、備え付けのスコープや双眼鏡で観察ができたり、この干潟にいる生き物について学習ができる場所のこと。レンジャーさんが常駐していて、質問したらいろいろと教えてくれたりもするんだ。そして、彼らが毎朝、その日に確認された野鳥の種類をホームページ上で公開してくれているから、どうやらオジイはそれを見て、この谷津干潟までやってきたらしかった。

「ボカァ、以前は長野に住んでたもんで、山の鳥ばっかり見ててね。シギチドリは詳しくないんですよ。諏訪湖では渡りの鳥は1日かそこいらでいなくなっちゃうしね、淡水だから、ムナグロは来るけどダイゼンはいなかったなぁ!・・・あ、いやぁスミマセンでした。ありがとうございました!」

へーとかほーとかしかいわないリンくんを横目に、オジイは勝手にしゃべりたいだけしゃべったのちに、その場を離れていったのだった。

(・・・ホッ・・・。)

胸をなでおろすリンくん。

「アハッ!リンくーん、心の声、ダダ漏れだから!」

すずは、リュックのなかからリンくんにツッコミを入れたの。

「すずぅうううう、もうさぁ、やめて欲しいよね。撮影中の、コレなんの鳥かわかります?っていう質問。わかるわけないじゃん。わからないけど撮ってからあとで家に帰ってから調べるのに。しかもシギチドリって、ただでさえ見分けるの難しいらしいでしょ?ひぃぃぃぃ。」

「でもさリンくん。逆に言えば、シギチドリは難しいから、わからなくても間違えても別にどーってことないんじゃないの?」

「うん、えーっと、あのね。うん。。。ま、それはそうか。それよりもさーぁ、何が言いたいかって、わたしたち、ニンゲンとしゃべりに来たわけじゃなくて鳥さんに会いに来たんだもん。鳥さんと向き合いたいよね。」

そう。うちのリンくんは、知らないニンゲンとしゃべるのが得意じゃないのだ。だから、いっつもすずと一緒にいるの。すずはウサギだし、鳥さんが好きだから。

ぴょこ。

オジイが見えなくなったのを確認して、すずはリュックの外に出た。リンくんに抱っこしてもらって、干潟の手前から奥の方まで視線を順番にやる。

“ぴょこ”

そうやって、すずとリンくんは、しばらくその場にとどまり、名も特定できぬ鳥さんたちを眺めていた。

そうそう。ダイゼン、と呼ばれる鳥さんは、チドリの一種だって。一般的にはお腹が黒いっていうんだけれど、実際に観察してみると、お腹が黒いコに混じって全然違う柄のコもいて、どうやらそれは幼鳥(子ども)らしいの。
鳥さんって、オスメスでも色や大きさが違ったり、大人と子どもでこんなにも体つきや羽の色が違ったり、夏と冬でも変わったり・・・、ホント、七変化で面白いね!

“5羽のダイゼン。それぞれ色が少しずつ違う(2024.9.26)”
“ダイゼン(2024.9.26)”
“ダイゼン(2024.9.26)”
“ぶるぶるぶるぶるッ / ダイゼン(2024.9.26)”

・トウネンの群れ

ピピピピピピ
ピィピピピピピピ

懸命に砂場をつついて、ゴハン中みたい。スズメさんよりちょっと大きいかそれくらいで、数十羽の群れになって行動している。

トウネン、という鳥さんらしいよ。シギのなかでもひときわカラダが小さいことが特徴なんだって。

グァァァァー!

あーぁ。アオサギさんに威嚇されて、群れごとみんな向こう岸へ飛んでいっちゃった。

飛び立つ瞬間をリンくんが一生懸命カメラにおさめていたけれど。

「撮れたの?」

「ンー・・・イマイチ。」

やれやれ。うちのアシスタントは、まだまだへなちょこだよ。

“トウネン(2024.9.26)”
“トウネン(2024.10.2)”

・キリアイを探せ!

谷津干潟自然観察センターにやってきたすずとリンくん。

ココは有料施設ではあるのだけれど(大人は380円、再入場可)、その分、空調もきいていてお手洗いもキレイだし、レンジャーさんからいろんなお話を聞くこともできるしで、休憩とお勉強を兼ねて来るには、絶好の場所なの。

「ふぅー。ひとやすみ。」

リンくんはリュックからおにぎりを出した。野鳥観察のときのお昼ごはんの定番はコンビニのお赤飯おにぎりなんだぁ!

「ハイ、すずもおつかれさま。どーぞ。」

「いっただっきまぁす!」

ぱくッ

「うーん。お外でずっと立って見てたから、ベンチに座れるのありがたいねぇ。」

目の前には大きな窓ガラス越しに干潟の浜が広がっているのを一望できるんだよ。鳥さんたちが往来するのを、ゆったりと休憩しながら眺めることができるんだ。

ぼーんやりと窓の外の鳥さんたちを眺めていたら、レンジャーコーナーの周囲がざわざわしはじめた。

「あのぅ、良かったら!今、キリアイがいます!見てみませんかー?」

レンジャーのお兄さんが周囲にいる観察者のみんなに声をかけてまわっているのだった。

「キリアイ・・・?って、シギチドリのなかでもめずらしい鳥さんだよね?」

リンくんはほんの数日前のにわか知識を引っ張り出してすずに話しかけてきたの。

「すず、見てみたい!行こ!」

パタパタパタパタ!

急いでレンジャーさんのもとにかけよると、数人のお客さんたちが順番にスコープをのぞいている。

「あそこの島にいっぱいいるトウネンの群れの中に、一羽、キリアイが混ざってるんですよ。すっごく似てて分かりづらいんですけれど・・・。」

「えーっと・・・?ドコ?ドコ?」

よほど見分けがつきにくいみたいで、先にスコープをのぞいているお客さんは、レンジャーさんに、アッチとかソッチとか、あ、いま座りました、だの、場所の特定にてこずっている様子なの。

「そんなにソックリなんですか?」

リンくんの番が回ってきて、レンジャーさんに聞いてみる。

「いやぁ、ホント難しいです。サイズもほぼ一緒ですね。くちばしがほんの少し長いのと、アタマの後ろの方まで白い模様があるのがキリアイです。わかりそうですか?」

おそるおそる、すずもスコープをのぞいてみると、おどろくべきことに、数十羽、ううん、下手したら100羽以上もいそうなトウネンの群れが目に飛び込んできたの。

「エッ!このなかに一羽だけキリアイがいるってこと・・・?」

「ひゃぁあこれは探すの大変だっ!まるでウォーリーを探せ状態・・・。」

あーだこーだ、きゃあきゃあ言いながら、他のお客さんとも順番を交代しながら、ようやくわかったような・・・?気持ちだけがするリンくんなのでした。

「遠すぎて写真ではほぼわからないけど、一応記念に撮っておこ。」

そう言ってトウネンの群れ+キリアイ一羽をカメラにおさめてたよ。

(結局すずは全然わからなかったよー!)

“トウネン、キリアイ(2024.10.2)”
“キリアイ発見!(2024.10.2)”

・イソヒヨドリ、めずらしいっす

“イソヒヨドリ(2024.9.4)”

「今、高校の体育館の上にイソヒヨドリ鳴いてますよ、めずらしいっす。」

てくてくと次の観察スポットを探しに歩いていた矢先、干潟と反対方向にカメラを向けるオジサマに声をかけられたリンくん。

「え?あ、ホントですね、イソヒヨちゃんだ。」

ぴゅーいぴゅるるるりぃ

放課後の部活が始まったにぎやかな校庭の横にある体育館の建物の上で、一羽のイソヒヨちゃんが声高らかに鳴いていたよ。

・み、み、ミサゴ!

妙に脚が太くて体勢が低い、アオサギさんとサイズは同じか少し小さいくらい。ン?だぁれ?

双眼鏡をのぞいてみる。

カメラものぞいてみる。

「み、み、ミサゴ!」

「え?ミサゴいるの?すずも見たい!」

リンくんから双眼鏡をうばいとって、すずも見てみた。確かに、ミサゴ!実はすず、この目で見るのは初めてだったの!

「干潟でミサゴ見られるんだねぇ!うれしいな!うれしいな!」

ミサゴさんは、干潮に近い砂面の多い干潟の広場でしばらくたたずんだあと、バッサバッサとその立派な翼を広げて、あっという間に飛び去っていってしまったのだった。

“ミサゴ(2024.10.2)”

・ソリハシシギとアカアシシギのコラボレーション

「ソリハシシギは黄色い脚でちょいクチバシが上に反ってるんですよ、アカアシシギと比べると足は短くって・・・。」

レンジャーさんが他のお客さんに説明しているのを、コッソリと聞き耳を立てるの。ホラ、すずはウサギさんでお耳がいいでしょ?だからね、いろんな声を聞き分けることができるんだ。

“ソリハシシギ(2024.10.2)”

「あ、いまアカアシシギも来ましたーぁ。もしよかったら、ココからなら写真撮りやすいと思いますよ!」

売店でシギチドリハンドブックを眺めていたら、わざわざリンくんに声をかけてくれたレンジャーさん。やっぱりこの自然観察センターのレンジャーさんは親切だし、本当に鳥さんのことが好きなんだと思う。

「最近、前浜によく来るんですよ。」

「ほう。あ、ココの浜を前浜っていうんですね。」

「あぁ、腰下ろしちゃった、あれじゃあ何足シギかわからないね。でも、アカアシシギです。」

“アカアシシギ(2024.10.2)”

レンジャーさん、あちらこちらに声をかけては、いろんな人に、ソリハシシギとアカアシシギの違いを説明してまわっているよ。

「ドッチもめずらしいんですよ。背が低いほうがソリハシシギ、アカアシシギはいま座っちゃってて、脚が見えないんですけども・・・。」

すずはリンくんがカメラを構えるその横で、ジィーっと待ったよ。アカアシシギさん、立ってソリハシシギさんの近くまで行ってくれないかな?

鳥さんを見てると、ホント、待つことが苦じゃなくなるよね。ずっと眺めながら、待っていられるの。

しばらくして、スッと立ち上がったアカアシシギさん。
トコトコトコトコと、ソリハシシギさんと距離を詰めていったよ!

“アカアシシギ(2024.10.2)”
“アカアシシギ(左)、ソリハシシギ(中、右)(2024.10.2)”

「わー!リンくん!シャッターチャンス到来だよ!」

すずがリンくんの脇腹をちょんちょんとつつくと、リンくんは急いでカメラを構えてたのだった。

「撮れたぁー!」

ソリハシシギさんとアカアシシギさんのコラボレーション、大成功!

「んー。それにしても、脚の黄色いシギはいっぱいいるんだね・・・、キアシシギとソリハシシギはクチバシが全然違うからわかるようになったけど、他にもいぃぃぃっぱい、脚の黄色いシギの仲間がいるみたい。こりゃぁなんのこっちゃだよ。」

“アカアシシギ(2024.10.2)”

・オススメしてもらった『シギ・チドリ類ハンドブック』をゲット

かねてから、シギチドリは種類が多い上に見分けが難しいということを聞いていたリンくん。わからない上に輪をかけて、そもそも、いまおうちにある野鳥図鑑や図録には、シギチドリはほんの数種類しか載っていなかったんだ。どうやら水鳥専門の本じゃないと、シギチドリを網羅することはできないみたい。

というわけで、X(Twitter)で、「シギチドリのおすすめの本ありますか?」って質問をしてみたんだって。すると、ひとりのシギチドリ好きのバーダーさん(野鳥観察をする人のことをバーダーといいます)が、オススメしてくれたのがこの本!

しかも谷津干潟の自然観察センターで買った、との情報。そんなわけで、今日の鳥見散歩のしめくくりに、しっかり入手しておうちに帰ることにした。

氏原巨雄・氏原道昭 著『シギ・チドリ類ハンドブック』(文一総合出版、2004年)

薄くてコンパクトななかに、豊富なイラストで解説があって、夏羽冬羽、幼鳥などまで違いがわかるようになっているの。

「リンくん、野鳥レポーターすずのアシスタントなら、コレでちゃんとお勉強してね!」

「はぁいー。まずはフィールドで出会ったコたちから、1種類ずつ、順番に覚えていこうね。」

「うんっ!」

潮の満ち引きや天候でまったく違う景色を見せてくれる谷津干潟は、新たな発見も多いね。

“2024.10.2 12時頃、ほぼ干潮の時刻”
“2024.10.2 16時頃。かなり満ちてきた”

谷津干潟に休憩に来るシギチドリたちは、実は、東京湾周辺の他の砂浜、例えば、お隣の船橋市にある三番瀬という場所と行ったり来たりすることもあるみたい。三番瀬といえば潮干狩りで有名な場所で、もっと近くで鳥さんたちを観察することができるっていう話なんだ。

すずは、今シーズン、シギチドリデビューしたばかり。これからもいろんな場所に足を運んで、たくさんの鳥さんたちに会ってみたいなぁっていう気持ちになったよ。

さぁて、すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW、今回は、「谷津干潟で世界を旅するシギチドリに会う」でした!

今回ご紹介した鳥さんたちは以下
(イソヒヨドリとミサゴはシギチドリ類ではないけど)

  • キアシシギ
  • ダイゼン
  • トウネン
  • キリアイ
  • イソヒヨドリ
  • ミサゴ
  • ソリハシシギ
  • アカアシシギ

楽しんでもらえたかなー?
以上、野鳥レポーターのすずでした!

また次回、どこかの野鳥スポットでお会いしましょーね!
ばいばーい!

すず(鈴之助)

“また次回、どこかの野鳥スポットでお会いしましょーね!”

・お話の中で紹介した以外のシギチドリたち

“イソシギ(2024.9.26)”
“ハマシギ(2024.9.26)”

氏原巨雄・氏原道昭 著『シギ・チドリ類ハンドブック』(文一総合出版、2004年)
https://www.bun-ichi.co.jp/tabid/57/pdid/978-4-8299-2185-2/Default.aspx

※Rin注: シギチドリの同定(種の見分け)については、前出の『シギ・チドリ類ハンドブック』や自然観察センターのレンジャーさんの情報等をもとに推測しています。
…が、なにゆえ初心者なので、もしコレ違うのでは?ということがありましたらぜひ教えて下さいませ。→ Contact まで!

「すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 第22回 夏休みの少年とセンセーとカワセミさんを待つ」
https://bobingreen.com/2024/08/06/9990/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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