ボブぞのぞぞっと立ち食いそば – 第1回 「金町うどん」のかけそば

「うー!さぶさぶ・・・。今日はホント風強かったねぇ!」

店の入口をくぐると、ふわぁっと湯気が立ちのぼる厨房の熱気が届いてきた。

こんにちわーに。ライオンのボブぞです。

オトモダチのみなさんにホーコクです。
突然ですが、うちのリンくんがやってるニンゲンのブログ(”Bob in Camp Green”)ってやつで、おで、新しいコーナーを持たせてもらうことになりました。

その名も「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば」!

おでの大好きなテレビ番組、「ドランク塚地のふらっと立ち食いそば」を見ていて、おでもやってみたーい!ってなったの。しかもね、おで、好きな食べものが、お出汁の効いた料理なんだ!おでんとかお鍋とかね、そして、もちろん、おそばも!温かいお出汁はもちろんだし、冷たいおそばをつけつゆで食べるのも好きなんだよ。

「ボブぞ、そんなこと言ってサァ、ホントはすずが、”すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW”のコーナー持ってるから、自分も何かしたかったんでしょ?」

「でへっでへへ。そ、そんなこと、ないよぉ!ねぇ?あ、でもホラ、おで、お出汁大好きライオンだからさ、ちょうどいいでしょ?うち、お出かけのついでに、ちょいちょいおそば食べるじゃん?」

「そうだねー、お散歩の前の腹ごしらえだったり、合間のお昼とかおやつとかにぞぞっとすすること、あるよね。確かに、ボブぞ、ちょうどいいかもねぇ。」

「だろ?だろォー?」

そんなわけで、始まりました!新コーナー「ボブぞのぞぞっと立ち食いそば」。
さっそく第1回、いってみよー!

ボブぞのぉぉぉぉぉぞぞっと立ち食いそば!
レポーターを務めますのはライオンのボブぞです。

いま、おでは、チーバ県との県境にある、トーキョーは葛飾区の金町駅というところにいるの。時刻は午後3時半すぎ。お昼というよりはおやつの時間だね。

今日はね、朝からおでのコビン(子分)でウサギのすずが野鳥観察のお散歩に行くっていうから、一緒にくっついてやってきたのです。
朝9時過ぎに、チーバは松戸駅をスタートして、「ふれあい松戸川」で強風に吹き飛ばされそうになりながら川の土手を歩いて、そこから江戸川にかかる「上葛西橋」を渡り、気がつけば県境を越えてサイターマ県は三郷市へ。
カワウさんのコロニーを眺めつつ「みさと公園」をぐるっとまわりこんで、トーキョーは葛飾区の「水元公園」まで歩いてきたんだ。
その行程、ニンゲンの足でも約18,000歩、約13kmというロングお散歩だったんだよ。

朝ごはんにコンビニのおにぎりをひとつかじり、その後、あまりの強風のために逃げ込んだコンビニで温かいカフェラテとおにぎりをもうひとつ。今日はそれしか食べてなかったから、おで、ハラペコなんだ。

「リンくーん!あそこに気になるお店、ハッケン(発見)!」

「え?どこ?・・・おわ!渋っ!」

そう、おでは見つけてしまった。水元公園から最寄りの金町駅までテクテクと歩いてきて、もう駅の入口が目と鼻の先、というところで、商店街の雑居ビルの1階に、うどん・そば、の看板が。

「かけ うどん・そば 290円、って、ものすごく安くないか?」

おで、ニンゲンの食べものの相場に詳しいわけじゃないけれど、コンビニのおにぎりが150円くらいするって知ってるから、暖かい店内でできたての食べものを出してくれるのに300円もしないだなんて、きっと安いんだろうなぁってわかった。

「ほう、それにしても、うどん・そば、の順番なんだね。そば・うどん、のほうが大概多いと思うんだけどな。」

「あ。ここ、お店の名前が『金町うどん』っていうらしい。そうか、うどん屋さんなんだ。」

「おで、ココでおやつ食べるぅ。おそば食べたいー。」

“金町駅は目と鼻の先。商店街の雑居ビルの1階にある「金町うどん」さん”

そう、我が家は圧倒的にそば派だ。うどんはほとんど食べないの。キライってわけじゃないよ、でも、おそばが好きなの。

「えーっと、ちょっとだけ待って。一応、調べてみよ。」

リンくんはスマホを取り出して、「金町うどん」と調べ始めた。自家製麺を使っていて、どちらかといえばやはりうどんを食べてるニンゲンの口コミのほうが多いらしかった。学生さん向けにガッツリセットものなんかもあって、高評価のようだった。

「ヨシ、ボブぞ、試しに行ってみよっか!とにかく安いし。」

「わーい!」

おで、リンくんとお散歩して珍しくあったかい食べ物ゲットしたぞ!(いつもコンビニおにぎりばっかりだからな。)

さすがに昼時はとうに過ぎているから、店内のお客さんはまばら。みな男性のひとり客でコートを着たまま無言で丼ぶりをすすっている。

どうやって頼むのかなぁー?とリンくんと眺めていると、ちょうどいいところに男子学生らしき若者が入ってきたから、先客の注文を見届けることにした。

ほうほう、チェーン系の立ち食いそば屋さんみたいな食券機はなくて、カウンターで店員さんにメニューを伝えるスタイルらしい。そのおニーさんは、慣れた風情でかけうどんと丼もののセットを頼んでいた。

では、ということで、厨房で大鍋の面倒を見ている店員さんに声をかけた。

「かけそば、ひとつください。」

「おそば、今から茹でますねー。おかけになってお待ちくださいね。」

あら、そーなんだね。やっぱりうどん屋だからなのか、前のおニーさんのうどんはソッコー(速攻)で提供されたけれど、そばは茹で置きしてないのかな、と思った。

カウンターへもう一度取りに行くことを考えて、いちばん近い席に座る。そう、ココは厳密には立ち食いじゃなくて丸イスの座席が用意されているんだ。強風の中長いこと歩いてきたから、ようやく座れたことにホッとしつつ、店内のオペレーションを眺める。

どうやら、麺の茹でから提供、それから会計までを店員さんひとりで回しているらしい。もしかすると昼時のピークは違うかもしれないけれどね。チーン!と鳴りそうな黒い小さなレジは、あからさまにキャッシュレス非対応。厨房を回している店員さんは、リンくんとさほど年代は変わらないかも、という感じ。

そして長いカウンターの上にはたくさんの天ぷら。かきあげ、春菊天、いも天、半熟卵天、カリッと揚がった魅力的なきつね色がおでの食欲を刺激するんだ。

(おで・・・、ここは天ぷらいっちゃうか?いっちゃうのか?おやつだっていってるのに、天ぷらのせちゃうか?どしよ、どしよ・・・。)

ココロの中で迷っていたら、厨房の中から声がかかった。

「かけそばお待たせしましたー。ねぎ、いいですか?」

「あ、スミマセン、ねぎ、いらないです。」

「ねぎ無しね。」

かけそば、ねぎ無し。そして、リンくんは、おでの悩みを聞くこともなく、天ぷらもスルーしたのだった。丼ぶりの中には、茹でたてのおそばと湯気の上がる茶色く輝くおつゆ、のみ。これ以上ないどシンプルなかけそば。

「290円です。」

チャリーンと小銭でお支払いして、急いで席に戻る。

ありがたいことに、卓には七味とすりゴマが置いてあって、無類の七味好きのリンくんは何も言わずにドバァっと振りかけた。

“かけそば ねぎ無しで。290円(卓の七味とすりゴマをたっぷり振ったよ)”

「さ、ささ。ボブぞ、食べよ?」

「おう!」

せーのっ
「いっただっきまぁーす!」

“せーのっ、いっただっきまーす!”

ラーメンと違うからね、もう最初からそばをすするよ。

ぞぞっ!
ぞぞぞっ!

ボブぞのぞぞっと立ち食いそばだからね、ぞぞっ!ぞぞぞっとね!

「おぉー、温かいおそばで言うのもなんだけど、角立ってておいしいおそばだねぇ。」

「んだんだ!」

そして、おでのだいすきなお出汁タイム!丼ぶりを傾けてクンクンと香りをかぐ。

フゥーフゥー・・・ぞぞーっ・・・

「うぉ!お出汁、いい!かつおぶし、いい!ふぅわりー抜けるぅ!」

お出汁の色は一見して薄め。黒くなくて、うす茶色に輝く感じだよ。普段から冷たいおそばのつけつゆにも言えることなんだけれど、おでね、おつゆの甘さには敏感なんだ。ベタっと甘いのがちょっとニガテで、おしょうゆも出すぎずお出汁感が強いのが好きなのね。
そんなおでにとっては、この「金町うどん」さんのお出汁は、好みだったの!

リンくんとフゥフゥしながらすすっていると、地元の方らしきおばあちゃんが店に入ってきた。おでらと同じく注文の仕方がわからなくてウロウロしてるのかと思ったら、天ぷらおみやげで、と厨房に伝えて、持ち帰り用のパックを受け取っている。

「ねぇねぇ、ボブぞ。天ぷらだけおみやにするみたいだよ。相当おいしいってことだよねぇ!」

「あーん!おでも天ぷら気になったもーん。」

「あ、そうなの?わたしも春菊天のせるかめっちゃ迷ったけど、あくまでおやつのつもりだから、今日はやめておいた。」

「次はさぁ、絶対天ぷら食べようぜ!春菊天もそうだけど、ごぼう天とか半熟卵天とか、うまそうだもん。」

あれやこれや持ち帰り用のパックに天ぷらを詰め込んでいくおばあちゃん。きっと今晩のおかずにするんだろうね。スーパーのお惣菜よりもよっぽど安くて大きくておいしそうだもの。近所ならいいだろうなぁって思ったよ。

天ぷらのおばあちゃんが会計を終える頃、もうひとり、今度はオジサマが入ってきた。迷うことなく厨房に向かってひとこと、「かけそば」。

アレ?そば派がいたよ!だけどね、オジサマの丼ぶりは一瞬で出てきたの。
てことはさ、おでらはちょっと待った分、ホントに茹でたてを食べさせてもらえたみたいだね。ラッキーだったのかもしれない。

残りのかけつゆをぞぞっとすすりながらそんなカウンターの様子を見ていたのだけれど、ワンオペかー、大変!と思い込んでいたら、実は、店内の奥、リンくんの背中側にある製麺機を操作するおじいさんがいたことに気がついた。もしかしたら、先代かもしれない。

しかも、ちょうどうどんじゃなくてそばを作っていて、今一生懸命ハフハフ口に運んでいるそばもココで製麺したてのものなんだなぁと思うと、おいしさも増し増しになったのだった。

フゥー!

かけつゆを最後まで飲み干したいキモチをぐっと抑えて、そばが空っぽになったことを確認して箸を置いた。ニンゲンというものは大変で、うちのリンくんもご多分にもれず若干高血圧ぎみだから、その代わりに健康優良ライオンのおでが飲んでやった。

おで、ライオンボブぞ。ぞぞっとおそばを食べて、大満足だよ!

ボブぞのぞぞっと立ち食いそば、第1回は、金町駅前の「金町うどん」さんで、自家製麺のかけそばを、おいしくいただきましたぁー。

ごちそうさまでしたぁっ!

「あ。そういえば、今日、炭水化物しか食べてないな?」

「うん、ねぎさえ抜いたからね・・・。帰ったら晩ごはんはおヤサイ食べようね。」

駅はもう目の前。さぁ帰宅ラッシュの時間になる前におうちに帰ろう!

でへっ!

ボブぞ

金町うどん 東京都葛飾区 JR金町駅すぐ
https://www.katsushika-kushouren.jp/store/s39004/

「ドランク塚地のふらっと立ち食いそば」 BS日テレ
https://www.bs4.jp/tachiguisoba_bs4/

「蕎麦を食らうアザラシ」
https://bobingreen.com/2023/05/26/5047/

いいね! Like! 0
読み込み中...

Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

シェアする

1件のコメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください