うづめ、初めてのバルタンデイ

「ばる、ばる、バルタンデイ！」

「ねーチュン、それ、何？」

「あら、うづめはバルタンデイ・・・いや、バレンタインは初めてだったわね。」

「ねーチュン、バルタンデイって何？」

「アハッ混乱させちゃったわね。今日はね、バレンタインデーなの。愛する人にキモチを伝える日よ。日本では女性から男性へチョコレートをプレゼントするっていうのが慣習になってるけれど、もっとおおらかにいえば、好きな人と過ごす日よ。」

「フーン？・・・チュン？」

「あ。それでね、わたしがまだ赤ちゃんの頃、”バレンタイン”って言えなくてずっとバルタンデイって言ってたのね。だから、バルタンデイってついつい今でも言っちゃうの。うふふ。」

「バルタンデイ！チュン！」

ライオンのボブこです。

今年はスズメのうづめが我が家に来て初めてのバルタンデイ。

女の子がひとり増えて、ようやくふたりになったの・・・って、あぁ、リンくんも、一応どうぶつとしてはメスだから、三人・・・かしら。うふふ。

わたしとうづめがバルタンデイのプレゼントを用意して待っていると、寝室から起きてきたばかりで寝ぼけまなこのケンイツエンチョーが居間へやってきたわ。

さぁ。ケンイツエンチョーと、それから、オハナ（家族）全員へ、感謝と愛を伝えましょう。

「ハッピーぃっバルタンデイ！」

「おぉ！バルタンデイかー！」

そう、リンくんが選んできたバレンタインギフトは、今年もワインなの。ケンイツエンチョーは、甘いものがキライなわけじゃないけれど、ワインのほうが食事をゆっくり一緒に楽しめるでしょ？今年はスペインのオーガニックワインですって。羊さんと作ったワイン？とかいうものらしく、わたしも飲むのが楽しみよ。

「ボブこさん、ありがとーな！」

「エンチュン！うづめもいるチュン！」

「そうかーうづめは初めてのバルダンデイだな。ありがとーな！」

「エンチョー、明日帰ってきたら、飲もうね。なんかおつまみ用意してさ。」

「おっけー。」

そう約束をすると、ケンイツエンチョーはそそくさとオシゴトの準備をして出かけていった。今夜はお泊まり出張でおうちにいないんだって。

エンチョー、気をつけて帰ってきてね。わたし、一緒にワイン開けるの楽しみにしてるわ！

「エンチュン、うづめ、ワイン守ってるからね、待ってるチュン！」

ボブこ

やっちのハートと北風小僧の空

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