ニンゲンのいない部屋
ぽーんぽーんぽーんへいへーいへーい
急にガタガタ地面が揺れて、3階の部屋のリフォーム工事がまさかまだ終わらなくて元日までやってるのかと、思ったら、まさかの地震だった。
いつもだったらさ、テレビつけて速報見るでしょ。ねえ、今日はテレビがつかないよ。ひと晩中。
だって、ニンゲンがいない。おれらを置いて出かけちゃった。リンくんはリンママちゃんち、ケンイツはゴジッカへ。
むーん。
本とかバダバタ崩れてるかもよ。
神棚のお水、こぼれちゃってるかもよ。
オハナのだれかが怖がって泣いてるかもよ。
いいの?いいの?
おれらから、目を離して、置いてきぼりで、それで、よかったの?
ううん、いいわけない。
おれらから、目を離して、置いてきぼりで、それで、いいわけない。
あぁ。おれらは無力だ。
ソファの上で、動けずに、じっと息をひそめている。
だからせめて、おれは、オハナのみんなのまもり神として、しっかりしなくちゃ。
しっかりしなくちゃ。そう、しっかり、しなくっちゃ。
あぁ・・・まだ揺れが続いてる。
リンくん、ドコ行っちゃったんだよ。
ケンイツ、ドコ行っちゃったんだよ。
ふたりとも、無事か?
ぴぴぴぴぴ
てれぱしーを送ってみる。
便りのないのは良い便りってか?そんなわけないだろ。
くっさいオナラのひとつでもいいから、返してみてこいよ。
ほら、だから言ったろ?
おれらと離れちゃ、決していけないんだよ。
早く、帰ってこいよな。
ぽーんぽーんぽーんへいへーいへーい
ボブお