おっさんグマ おっさんブーに癒やされる – ころすけの旅日記(山陰&山陽編)その7
「ほぇー。おれ、こんなおっさんブーのテラスは初めてだなぁ!」
「ころすけ。それを言うならオーシャンビューでしょ。」
「いいんだよ。おっさんブーってかわいいだろ?」
「あら、ころちゃん、いいところ座ってるわねぇー!」
「ママちゃんもおいでよ、テラス、気持ちいいよ。」
ココはギリシャはエーゲ海、・・・いや、嘘つきました。オカヤーマ(岡山県)は瀬戸内市牛窓(うしまど)。日本のエーゲ海と呼ばれている、瀬戸内海を臨む町だ。
3泊4日の山陰・山陽旅、3泊目の夜は、オーシャンビューのお宿にやってきたんだ。
10月下旬の海沿いのリゾートホテルというものが、こんなにも静かだとは思っていなかった。近くに海水浴場があるし、きっと夏場はわんさかニンゲンがいるのかもしれないけれど、閑散期、ってこういうことなんだなぁ。
部屋のテラスから見下ろすことのできるヨットハーバーから小さなクルーズ船が一艘、あっちの島のほうへ向かって出航していった。乗客は、4人組のマダムのようだった。
テラスには小さなテーブルとイスがニ脚置いてあって、おれらは思い思いにのんびりすることにした。16時前。日没もずいぶん早くなったから、あと小一時間といったところだろうか。薄く雲に覆われた秋空のすき間から、傾いたお日さまの優しい光が海面をつややかに濡らしている。
リンくん、リンママちゃん、そして小柄なおっさんグマの3名様御一行のおれらには十分すぎる広さの部屋で、大きなベッドが2台のほかに、ゆったりとしたソファまである。
「なーんもしないをできる、サイコーのお部屋だなぁー!」
おれは安来で買ってあったゆず酒をクピリとひとくち含んで、完全リラックスモードに入った。
「ころすけ、お風呂行こうよ。」
「あ?いいけど、夕日見ないの?」
「お風呂からもきっと見られるよ、お風呂つかりながらさ、日が沈むの眺めよう。」
「ママちゃんは、どうする?」
「わたしはお部屋でのんびりしているわ。ころちゃんとふたりで行ってらっしゃい。」
「じゃ、そうするねー。」
リンくんに連れられて大浴場へ向かうと、完全貸切状態だった。本当に他にお客さんが少ないらしく、全然気配がなかった。
あぁ、この旅、ここまでの3日間、どの場所も印象深いし、何食べてもおいしいし、そして、このホテルはまたゆったりして素晴らしい。何よりも、リンくんも、リンママちゃんもケラケラケラケラずっと笑ってる。
あぁ、来てよかったなぁ、って。
おれは、でかい風呂にチャポンと浸かりながら、沈みゆくお日さまに話しかけた。
おれ、旅のお伴してちょっといい思いしちゃって、お留守番してくれてるほかのオハナ(家族)のみんなには悪いけれど、でも、いいよな。だって、おれ、ちゃんと頑張ってる。
リンくんは、おれの横ですっぱだかでストレッチをしていたけれど、それが今宵のディナー前の準備運動だということはナイショだ。
牛窓の海に、夜がやってくるよ。
ころすけ
お世話になったホテルはコチラ。お部屋も食事もリンくん&リンママちゃんの好みにぴったり↓↓↓
ホテル・リマーニ (岡山県瀬戸内市)
https://www.limani.jp/
「近くて遠い”日本のエーゲ海” – ころすけの旅日記(山陰&山陽編)その6」
https://bobingreen.com/2023/11/18/7061/