ハチまるは空から海へ

「ア・・・アァーーー！うぅみぃー！」

「ハチ、どした？」

「うぅみぃー！」

「ふふ。海ね。うん、ハチは空から海に来たのかな？」

「うん、うぅーみぃー！」

うちのハチまるは、世界一有名なビーグル犬で、しかもフライング・エースというパイロットの姿でやってきた。黄緑色のヘルメットと、黄色い縁のゴーグルが特徴だ。

だけどね。
ハチまるのアタマを守るその大切なヘルメットの、裏側がモケモケのボロボロになってしまった。経年劣化ってやつかなぁ。

「ハチ、最近、その黒いお耳にいっぱい黄色いホコリみたいなゴミがつくとおもったら、ヘルメットの裏側がボロボロになっちゃってたんだね。」

「？？？アー？？？」

うちのハチはおしゃべりは得意じゃないから。でも、意思の疎通はできる。

（エー・・・？気に入ってるんだけどなぁ。）

「うん、気に入ってるのは知ってるけど、こりゃどうにもならないな。何か別の帽子、探してくるね。」

“（エー・・・？気に入ってるんだけどなぁ。）”

ゴソゴソ。ゴソゴソ。

ある日、エンチョーが、自分の洋服の取り外し可能なフードを手に持ってやってきた。

「ハチに、コレ、どうかなって。コレにゴーグルつけてあげたら？」

「ほぅ！いけそうかも。やってみよ。」

さっそく、元の黄緑色のヘルメットからゴーグルを取り外してから、エンチョーの持ってきたフードに縫い付けてみる。

“ヘルメットからゴーグルを取り外してっと”

“取り外して不要になったフードにつけてみることにする”

チクチクチクチク
チクチクチクチク

「でーけた！！！しかし、紺色だけど、どうかなぁ？ハチ、かぶってみてよ？」

“できた。エンチョーの不要になったフードにゴーグルをつけ直してみた”

「アァ―！！！（うれしい！）」

「うん、うん。サイズはいいね。しっかし、なんか、水泳帽みたい・・・？」

「うぅみぃーーーーーー！」

そんなわけで、うちのハチまる（スヌーピーのフライング・エース）は、空を飛ぶスヌを引退して、海を泳ぐことになりました。

「うぅみぃーーーーーー！ニィーッ！！！」

嬉しいみたい。良かった、良かった。
うん、良かったね。

リン

きょうもだれかをうれしくしたい

H&M ― 黒帽子の二人組、ハチまる&もっつ

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