すずちゃんの野鳥にびっくりでSHOW – 番外編 姿を見せぬパリピウグイス
ここは、うっそうとした森の中。
ある日、森の中、クマさん・・・じゃなくてね、ウサギさんがおさんぽしてるんだ。
パタパタパタパタ!
・・・小声で失礼しまーす!
みんなー!こんにちわーに。
野鳥レポーターの、ウサギのすずこと、鈴之助でっす。
頭上では
ピィヨ、ピィヨ、ピヨピヨ
ヒヨドリたちがいつものようにはしゃいでいます。
足元では
ガサッ!ガサガサッ!
「ひゃぁあー!誰っ???」
あ・・・、キジバトでした。枯れ草をかき分けて歩みを進めています。
んーーー。お目当ての鳥さんはいないか、、、なぁ???
「ねぇねぇリンくん。すず、キツツキさんってやつ、見てみたかったんだけどなあ!コツコツコツコツって木をつつくんでしょ?すず、お耳おっきいからさーぁ、もしいたら、聴こえるよね?」
「そだねえ。去年、この森のこの辺りの木で見たんだけどね。今日はいないみたい。まぁ、今日は、鳥さんたちも活動するには暑すぎるよね。。。」
リンくんが首元をタオルでぬぐった。ただでさえ暑がりのリンくん、今日のまるで夏みたいな強い日差しのもと、髪の毛はびしょびしょで汗だくだ。
まだ4月だというのに、おかしな陽気だ。天気予報では、6月中旬並みの高温でしょう、といっていたの。
残念ながら、お目当てのキツツキのコゲラさんはいないどころか、他の鳥さんも全体的に少ない感じ。みんなどうしたのかな?どこに行っちゃったのかなぁ?
やけに森は、静かだ。
森の中にいると、木々に囲まれてすぅっと涼しい風が抜けてゆくんです。
すず、この森に来るのは初めてだけれど、どうぶつたちは好きな場所なんだろうなって、すぐにわかる。
だってすずもウサギさんだもの。
時折、ジョギングをするオジサマ、散歩するおじい、とすれ違う。
何人もいるのじゃなくて、小さな森の中をぐるぐると周回してるものだから、何度も同じニンゲンに出会うのだ。
だけれども、すずはね、ぼんやりと上を向いて鳥さんを探しているから、全然視線は合わないんだよ。
そのとき。
ホー・・・ヒゥィゴー!
「えっ!!!今の、なにー?!」
ホー・・・ヒゥィゴー!
「うふふ、すず、今さぁ、ウグイス、パリピみたいじゃなかった?」
「ぱりぴ?ってあのパリピ?」
「そうそう、パーティーピーポー(Party people)。ホー・・・の後、ヒゥィゴー!(Here we go!)って言ってたよね?」
ホー・・・ヒゥィゴー!
「ドコドコ?ヒゥィゴー、ドコ?めっちゃ近いはずなのに。ドコにいるのーパリピウグイスさん???」
すずはね、リンくんに抱っこされてジィっと木々の間を、目を凝らして耳を澄ましてその姿を探した。
ホー・・・ヒゥィゴー!
「いやいやいやいや。聞けば聞くほどそうとしか聞こえないわぁー。パリピがいるよパリピ!」
リンくんはカメラを最大望遠にして一生懸命探すのだけれど、やっぱりウグイスさんの姿は見つけられない。
「うぅぅぅ。今なら、新種として”パリピウグイス”って名付けるのにな―ぁ!!!姿が見えないんじゃぁダメかぁ・・・。」
ふふっ・・・リンくんてばさぁ、ほんっと適当だしくだらないトンチらしいトンチも全っ然きいてないけど、なんでも発見したら楽しくしちゃうんだよね。
ホー・・・ヒゥィゴー!
そんな話をコソコソとしてるすずとリンくんを小馬鹿にするかのように、パリピウグイスは軽やかに森の中でパーティーを続けていた。
ホー・・・ヒゥィゴー!!!
アハッ!今日も野鳥はおもしろかったの!びっくりびっくり!
あっ、以上、野鳥レポーターの鈴之助が現場からお送りました!
また次回お会いしましょう!
すず(鈴之助)