たてがみとプリズムのフシギ
「アッ!虹、発見ー!」
「どれどれ・・・?あっホントだ。プリズムだぁ。」
ライオンのボブおです。
真っ青な空。今日はおさんぽ日和だ。
駅舎に入ってホームへとつながるエスカレーターで下っている途中、そこには小さな虹がかかっていた。
おれが階段の踊り場あたりの壁面をジィっと見ているのに気がついたのか、リンくんが言う。
「電車、まだ来ないよね?ボブお、もっかい見に、戻ろ!」
トントントントン・・・
トントントントン・・・
エスカレーターでホーム階に下ったのだけれど、すぐに踵を返して今度は階段を上る。リンくんにしては軽快な足取りだ。
「ぷりずむ?コレ、虹じゃないの?」
「えーっとえーっと・・・。虹っていうのは気象現象でしょ、プリズムっていうのは、光が屈折して虹色に分かれる現象のことを言うんだよ・・・と、思う、多分。多分、だよ。合ってるかわかんないけど。」
しどろもどろのリンくん。なんだよ、その説明、合ってるの?語尾がかなり、弱いけど。。。
「なぁなぁ、おれのたてがみもさ、虹色みたいなもんだろっ?もしかしてさーぁ、お日さまの光があっちゃこっちゃに屈折してるのかもしれないなぁ!そうだったら、おれのたてがみ、めっちゃカッコイイなぁ!」
「ボブお、それカッコいいよ!わたしの目にはね・・・えーっと、赤、青、黄色、緑・・・、4色に見えるんだけどね。もしかしたら、見る人が見たら、紫とか橙とか藍色も混じって7色に見えるのかも???」
「おうおう、そういうこと!おれのたてがみはレインボーゥ!虹色プリズム、イエイイエイ!」
「いよっボブお!虹色のたてがみを持つライオン、めっちゃイケてる。さすが我が家オハナのリーダー!」
おれとリンくんが階段の踊り場でわちゃわちゃしゃべっていたら、ホームの下からケンイツエンチョーの声がした。
「おーい!ボブお、リンくーん、もう電車来るよ。下りておいでー。」
「おっと!そうだった!ハァーイ!」
トントントントン・・・
トントントントン・・・
おれはリンくんに抱っこされて、ちょっとニヤニヤしながらエンチョーの待つホームへと戻った。
「なぁ、ボブお。さっき、なに見てたの?」
「ン?プリズムってやつ?ほらほら、おれのたてがみも!エンチョーの目には何色に見える?」
「おー?赤、青、黄色、緑・・・4色だな?プリズムか、科学のお勉強したのな!すごいなー、ボブおっ!」
あれ、エンチョーの目にも4色なのか・・・。
もーちょっとおニーさんになったら、あと3色、増えるかも・・・ね!
おれらのおさんぽは、いつでも道草だらけだ。
飯を食わねど、道草を食わないなんて、全然無理。
ほんの小さな、なんてことのない発見が、とってもとっても楽しくて、そして愛おしいのだ。
(おれのたてがみはレインボーゥ・・・!ニヤニヤ)
ボブお
※参考にさせていただきました↓↓↓
「プリズムと虹 (Prism and Rainbow)」(大阪教育大学 天文学研究室 ホームページ内)
https://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/colorworld2010/law/prism/prism.htm