ライオンの小学校見学

ギーンゴーンガーンゴーン・・・・・・
ギーンゴーンガーンゴーン・・・・・・

ライオンのボブおです。

今朝はチャイムの音で目が覚めたんだ。

ここは、「保田小学校」という場所。小学校と名はついているけれど、でも、ここに登校する小学生はいない。先生もいない。
廃校になった小学校を活用した、道の駅なんだよ。
駐車場とお手洗い、それから、特産品を扱う商業施設やレストランがあるんだ。それからね、温泉もあったり、教室で宿泊だってできるんだって。あ、二宮金次郎さんと、あと、そのそばでエサを喰らうでっぷりした三毛猫もいる。

おれらはというと、愛車のモビスケでこのチーバは内房の旅の途中、しばしの休憩のために、ここ「道の駅 保田小学校」に立ち寄ったってわけさ。

ひとしきり車内で、モビスケナイトのおもてなしを楽しんだあと、おれらは早々に寝床に入った。

グゥ・・・。

そう。おれらは、ハンモックに揺られたり、寝袋にくるまったり、運転席を倒してモーフをかぶったりと、三者三様のスタイルで仮眠をとるの。
だけれども・・・。

バタバタバタバタ・・・
バタバタバタバタ・・・

夜が更けるにつれて、モビスケの背中(屋根のことだ)を、雨粒が激しく叩きはじめた。

やはり普段のおフトンとは違ってどうしても眠りは浅いから、ちょいちょい目が覚めてしまう。

パチッ・・・パチッ・・・。

目を開けても、夜が明ける前はほとんど車内の様子は見えない。真っ暗で、ニンゲンたちのイビキと、雨音しか聞こえない。駐車場にはおれら以外にも何台かクルマが停まっていて、やはり同じように仮眠をとっている様子だったのだけれど、だれしもがクルマのエンジンをつけていないから、すごく静かな夜だ。雨音だけが、ただ、響いている。

そんな感じの特別な夜の雰囲気が、おれは好きなんだ。

びしょぬれになっておれらオハナ全員を守ってくれてるモビスケハウスに感謝して、もう一度眠りに落ちる。

気がつけば、夜が明けていた。
シェードのすき間から、朝の白い光の細い筋がすぅっと射し込む。残念ながら、窓の外は曇り。雨はやんでいたことだけが幸いだ。
モビスケの窓は結露でびっしょり汗をかいている。

“シェードのすき間から、朝の白い光の細い筋がすぅっと射し込む”

「ふわぁぁー!ボブお、おはーに。早いね。」

「うん、リンくん、おはーに!」

「まだ早いよ?もうちょっと寝ててもいいよ。」

「えー!ワクワクが止まらないんだよ!だってさ、ココ小学校でしょ?おれ、小学校探検したいの。だからさ、早く起きてよ、探検しに行こうよ!」

「わかったわかった。じゃあ、エンチョーのことも、起こしてきて。」

おれは運転席でぐがぁぐがぁイビキをかいているケンイツエンチョーの横に立って、大きい方の小声で、そぉっと耳元でこう言ったんだ!

「ギーンゴーンガーンゴーン!朝だよー!遅刻するよー!ホラッ!授業がはじまるよー!」

小学校で目覚めた朝。おれらは連れ立って、小学校内を見学しに行くことになった。
職員室が観光案内所になっていたり、そこに校長先生のイスがあったりして、そこかしこに、この建物が小学校だったという名残があった。

“保田小の校章!”
“校長先生のイスだったらしいぞ!”

「あ!おれ、これ座ってみたいー!ボブぞ、一緒に座ろうぜ!」

テレビとかでみる、小学生の座る木のイスがろう下に並べられていた。
あれ、意外とニンゲンってちっちゃいのなー?おれらにピッタリサイズでびっくりした。

“小学校の木のイス!わぁいわぁい!”

それから、おれは弟のボブぞと一緒にわちゃわちゃと小学校内を遊び回ったんだ。とび箱を飛んだり、教室の中をのぞきこんだり(教室の中には残念ながら入れなかったんだ)。それからおっきな掛け時計も見つけたぞ!
ホンモノの小学校には通ったことないけれど、小学校の中を探検してまわって、おれ、なんだかちょっとおニーさんになった気分になったよ!

“とび箱!ライオンだもん、軽々飛べるさ!”
“おれの顔よりおっきな掛け時計ー!”
“給食ってうまいのかなー?”

「なーなーニーちゃん!ランドセル背負って、毎日小学校通ったら、楽しそうだよなぁ!オトモダチいっぱいできるかなー!」

「そうだなぁ・・・・。アッ、でもそんなことしたら、うちのリンくんがさ、おれらのこと心配して、ひとりでシクシク泣いちゃうかもよ。なによりも、リンくん、自分がさみしいもんだから、毎日小学校までおれらと一緒についてきちゃいそうだなぁ。。。」

そんな会話をしていたら、リンくんが口を挟んできた。

「アハッ!正解。わたしがおうちで先生するからさ、みんなはニンゲンの小学校には行かなくて大丈夫だよ。毎日おうちで遊んで、おうちで学べるよ。」

「ひぃー。いったいリンくんから何を学べと・・・!ニーちゃん、逃げろーぉ!」

広い校庭があるわけじゃないけど、おれらはバタバタとかけまわってリンくんとかけっこした。おれらはなんてったってライオンだから、ぶっちぎりで速いのだ。運動音痴のリンくんがまさかおれらに追いつけるわけもなく、ゼエゼエと背中を丸めて歩いていた。

そんなんで、小学生ライオンの先生がリンくんに務まるわけがないよなぁ。まったく。

「みんなー!そろそろ帰るよー!」

「ハーイッ!」

イップクを終えたケンイツエンチョーに呼ばれて、おれらは校舎を後にした。

小学校見学、ちょっぴりおニーさん気分を味わえて、とっても楽しかったなー!

道の駅 保田小学校、また来るねー!

ボブお

“保田小学校、遊びに来るねー!

「モビスケナイトのおもてなし」
https://bobingreen.com/2023/02/27/3982/

「チーバくんのお”ひざ”もと、保田の色」
https://bobingreen.com/2023/03/01/4001/

都市交流施設・道の駅 保田小学校 公式ホームページ
https://hotasho.jp/

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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