ぽんぷくさん「どうぞお元気で!」
船福のたぬきさん、その名も、ぽんぷくさん。
あなたは、その深みある褐色に輝く身体で、この店前を、この暖簾を、長い年月、守り続けてきたのですね。
「お疲れさまでした。」
わたしは、店頭の看板たぬきにご挨拶をした。
なぜか、マツケンサンバばりの、金ピカ衣装。閉店する淋しさを吹き飛ばして、歌って踊ってみんなで楽しく笑おうってことかしらね?
レモンイエローの外壁のビルの前で不思議に思いながら、わたしはリンくんと店内へと足を踏み入れた。
ライオンのボブこです。
チーバは船橋で有名な海苔問屋「船福」さん。
今月末、2023年2月末で閉店するというから、本社ビルの店舗へご挨拶がてらお買い物に行ってきた。
決して広くはない店内に歴史を感じさせる木製の看板。
わたしたちの他にも数名先客がいて、みんな名残惜しそうに商品を手にとって会計を済ませていく。
贈答用なのか、見慣れた船福の紙袋でていねいに包装された箱を3つも抱えて出ていく人。
ご近所さんかな、おにぎりは今日はもうないの?とおしゃべりをしている人。
そんな中、わたしはリンくんと一緒に、ひとつひとつ商品を眺めて確かめながら、黒ぐろとした海苔の束をいくつか手に取った。
(コレ、お願いします。)
(ありがとうございます。〇〇〇〇円です。)
(袋は?)
(あ、結構です。)
(どうもありがとうございました。)
(・・・あの。閉店するって聞いたので、買いに来ました。ホニャララホニャララでホニャララで・・・、船福さんは思い出の海苔なんです。ありがとうございました。)
(まぁ。それはそれは・・・。ホニャホニャホニャホニャ・・・。)
「どうぞお元気で。」
女将さんとリンくんとの、ほんの何気ない短い会話。だけれども、嬉しかったな。
感謝と別れのご挨拶。
「どうぞお元気で。」
素敵な言葉とともに深々とお辞儀をする女将さんに見送られて、わたしたちは自動ドアを出た。
「ねぇ、リンくん。店を出るとき、胸がキュゥッて鳴ってたの、わたし気がついてたよ。」
「キュゥッ。あら、バレてた?」
今月末で閉店。ずいぶんと店頭の商品在庫も減っていたよ。あと半月弱できっとまた駆け込みの船福ファンがやってくるだろうから、みんなで少しずつ分け合っておいしくいただこうね。
思い出の海苔でした。ありがとうございました。
あ、たぬきさんにも、ご挨拶しなくちゃね。
また会える日まで、「どうぞお元気で!」
サァンバッビーバサァンバー!🎵
マァツゥケェンーサーンバァー!
オォレェィッ!
ボブこ & Rin
サンバ ビバ サンバ
松平健「マツケンサンバⅡ」
マ・ツ・ケ・ン サンバ
オレ!
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「のりのり!のりのり!のりのりチバのりー!」
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