夢見心地のはらはらはら
盛りを過ぎた、さくらがはらはら。
うっすらうすい黄緑色が目にやさしく。木々はほのかに笑ってる。
はらはらはら。
はらはらはら。
そう、はらはらはらと舞う花びらは、夢見心地。
わっし。もっつ。
うたた寝だいすき。
わっし。もっつ。
今朝、だいすきなおとっさんのお墓参りをして、そしたら、たくさんのはらはらはらに出会えた。
春。
桜がこんにちはして、桜がさよならする。そんな季節に、わっしは、おとっさんのことを想う。
あれから、10年経ったらしい。
おとっさん、わっしのこと、覚えてるかな?
よく手を振ってくれるおとっさんだった。
だから、わっしも手を振るよ。いつだって、たくさん。
おうい、くう太、元気かい?
いっつもそんな感じで、わっしに、みんなに、手を振ってくれた。
元気なときも、元気のないときも、いつだって、手を振ってくれた。
やあ。
おうい。
なあ。
そうやって、おとっさんも、元気を出してたんだと思う。
おうい、くう太、元気かい?
リンくんが8才のとき、きらびやかな街からチバにやってきて。
いろんな、いろんなことが、あったけれど。
いま、また、チバのちょっといなかで、のんびりと、さくらを眺めている。
あ、改名したんですよ。くう太、から、いまは、もっつといいます。
わっし。夢見心地。
はらはらはら。
おうい。
いつだって、手を振り続けるのだ。
もっつ。
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