沈みゆくココロ

「こうやってみどりテラスで夕日を見るのは久しぶりかもなぁ?」
空はちょうど夕暮れどき、マジックアワーってやつだ。
おれはリンくんの腕に抱えられている。カメラを構えるその両腕の間は、少々息苦しい。
「なぁ?聞いてる?」
こういうときのリンくんは、おれの話を聞いちゃいない。
多分、元気がないから、こうやって外の空気を吸いに出て、カメラのシャッターを静かに押す。
カ・・・シャッ
代わりに、スローシャッターが、返事をしてくれた。
1/25秒。つまり、1秒間の四分の一。
すごく遅いわけではないけれど、普通なら手ブレするくらいのゆっくり度合いだ。
年末年始の楽しくも慌ただしい日々がようやく終わって、日常が戻ってきた。
その途端、蓄積した疲れが出たのか、うちのリンくんは低空飛行気味。
そんなときは、せめて墜落しないように、おれは見守ることしかできない。
「・・・うん。」
何に対してかわかならいけれど、おれはひとつ相槌を打った。
沈みゆくお日さま、沈みゆくココロ、こうして夜が来て、そしてまた明日が来たら。
きっと元気にしておくれ。
ボブお


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