ボブ家のお伊勢参り2025 — “細乃川たかし之助”に導かれて

オトモダチのみなさん、こんにちわーに。
ライオンのボブおです。

「あぁーとなぁーんじっかんかでぇー ことしもおわるからぁぁぁぁぁ♪」

いやいやいや。本日は2025年12月31日。
奥田民生が歌う通りあと何日か…ではなくあと数時間で今年が終わる。

おれらはね、年に一度のお伊勢参りを無事に終えて帰宅したのだ。今年の年の瀬のチーバはいつになく暖かで、なんだか空気がぬるくさえ感じる。

さぁ、忘れないうちにいっとこう、我がボブ家のお伊勢参り2025。毎年恒例のお伊勢参りだけれど、今年は新たな発見もあって、なかなか良かったのだよ。

ボブ家のお伊勢参り2025 旅程(目次)

【1日目】
・熱田神宮(愛知県名古屋市)
名古屋市内泊

【2日目】
名古屋→伊勢市へ移動
・外宮(三重県伊勢市)
・月夜見宮(三重県伊勢市)
伊勢市内泊

【3日目】
・猿田彦神社&佐瑠女神社(三重県伊勢市)
・内宮(三重県伊勢市)
・おはらい町(三重県伊勢市)
伊勢市→名古屋移動

【さいごに】
2025年御礼

【1日目】 熱田神宮(愛知県名古屋市)

“熱田神宮(愛知県名古屋市)”

さぁさぁ到着。トーキョーから東海道新幹線に乗ってやって来ましたは、ナーゴーヤッ!名古屋!
とにもかくにも、名古屋に到着したら、まずは寄っておきたい場所があるんだよね。

それは、熱田神宮。

通称、熱田さん、それは、おれボブおにとって大事な場所でもあるし、そもそも日本国内屈指の繁華街を有する大都会にして、歴史上重要な文化財を有する名古屋という街において、やはり欠かせない観光すべき場所のひとつであるとは思う。

名古屋城or熱田神宮でいったら、我が家なら間違いなく、熱田さん!

やはり、この旅の目的地、伊勢の天照大御神のいらっしゃる伊勢神宮へ行くその手前で、三種の神器の一つである草薙神剣のチカラを、感じておきたいのである。

昼前に名古屋駅に到着すると、まずはホテルへ大きな荷物を預けてから紫色の地下鉄名城線に飛び乗る。ぐるりと環状線を反時計回りに乗って「熱田神宮伝馬町駅」で下車。他にもいくつか利用可能な駅はあって、名鉄の「神宮前」がいちばん栄えてはいるのだけれど、うちはこの駅を使うの。

なんでかって?

それはねぇ、正面鳥居からいちばん近いから!普段からね、神社へお参りするときはできるだけ正面からお邪魔するように心がけているのだよ。

“熱田さん、参道正面の鳥居からお邪魔します”

「ン?鳥さん・・・っていうか鶏さん!」

境内にはいってすぐ、軍鶏が境内を闊歩していた。人が近づいても逃げる気配もなく、のうのうと歩き回っている。

神域で暮らしているので神鶏(しんけい)ともいわれている。毛並美しいその軍鶏さんにご挨拶をして、おれらは拝殿を目指した。

“境内を闊歩する軍鶏”
“熱田さんには何度も来ているけれど神鶏に会ったのは初めてだ”

熱田神宮のご神祭は、日本の神さまオブ神さま、天照大御神(アマテラスオオミカミ)だ。おれらが明日行く伊勢神宮のご神祭と同一なのだけれど、一緒に祀られている神さまが他にいる。

それはかのスサノオ伝説で有名な素盞嗚尊(スサノオノミコト)だ。天照大御神の弟である素戔嗚尊が八岐大蛇(ヤマタノオロチ)を退治したその剣は、日本の三種の神器のひとつ草薙神剣(クサナギノミツルギ)と言われ、今でもこの熱田神宮に祀られているのだ。

熱田さんの参道を歩くことで、伊勢神宮への心の準備ができるようなそんな気がして、いつしかお伊勢参りには熱田神宮へもセットで訪れるようになったんだ。

古札納め所で昨年いただいた御守をお返ししてから、手水舎でお清め。

右手に柄杓を持ちスゥっとすくうと、左手、右手、それから左手で水をすくって口を清め、その手を清め、最後に柄杓の柄を清める。

おれの両手のフワフワの毛並が美しくキラキラと水を弾き、それを見ていると、ココロまでスゥっとする。

拝殿の右手横には御守授与所がある。お参りする前にいただくか後にいただくかはいろんな作法や諸説があるかもしれないけれど、我が家ではお参り前にいただくようにしているの。2025年はケンイツエンチョーが、いわゆるツーフー(痛風)ってやつで足が痛くて辛い時期があったから、健康を願って「身体守」をいただいた。

いよいよ。この旅最初のお参りだ。気を引き締めていこう。

おれは同行しているオハナ(ぬいぐるみ家族のことだ)のみんなを代表して、お参りをする。…といっても実際には神さまにいちばん近い場所である神聖な拝殿の前では、ライオンが顔を出すことは叶わない。

ココは出たい気持ちをぐっとこらえ、ニンゲンのリンくんにお参りを任せることにしている。ココロはおれも一緒に、タイミングを合わせて、二礼二拍手一礼をするのだ。

拝殿を前に、スゥ…とひといき大きく息を吸う

そうしてぐっと姿勢を正してから。

ペコッペコッ…パンッ…パンッ

じーっとしばらく唱え言葉を唱え、それから

…ペコッ

しっかりと一礼をした。

踵を返し拝殿から十分に距離を取ってから、おれはようやくリンくんの抱えるトートバッグから顔を出すことを許された。

“熱田神宮拝殿前で遠景にて”

カシャッ

おれは参拝記念の撮影を手早く済ませると、その途端、腹の虫がぐぅるるるると鳴いたのに気がついた。

さぁ。熱田さんといえば宮きしめんの時間だな。

クンクン…

参道を戻る道すがら、濃厚なかつお出汁の香りがおれの鼻をくすぐった。丼からのぼる湯気の景色を思い出すと、口のなかにヨダレが充満してきてたまらなくなったのだった。

なんだ、朝からなんも食ってなかったもんな。

さ、昼メシ昼メシ。

“神楽殿横でサザンカが美しく咲き誇っていた”
“愛知県内酒蔵の奉納酒樽”

▼熱田神宮名物、宮きしめんのお話はコチラ

「ボブぞのお昼ごはーん(2025.12.23 Tue)」

https://bobingreen.com/2025/12/23/18463/

【2日目】 外宮(三重県伊勢市)

「ありゃーやっぱり雨かぁ。」

昼12時過ぎ。伊勢市駅に降り立ったおれらは、どんよりとした灰色の空を見上げた。

名古屋・伊勢旅行2日目。

朝10時のチェックアウト時間に合わせてホテルを出発。近鉄特急に乗り込んで約1時間20分、揺られてやってきたよ。

車中では朝昼ごはん兼用で、名古屋名物の天むすとうまい駅弁を広げて、なかなか楽しい時間を過ごしたぞ。

▼名古屋の「元祖めいふつ千寿天むす」と駅弁「なごや」のお話はコチラ

「ハンペンのお昼ごはーん(2025.12.24 Wed)」

https://bobingreen.com/2025/12/24/18513/

伊勢市駅は、伊勢神宮の外宮(げくう)の最寄駅だ。近鉄だけではなくJR参宮線も通っているがいずれも、お伊勢参りのために敷かれた路線だと言われている。

そうそう、伊勢神宮のことをごく簡単に説明しておくね。

伊勢神宮というのは伊勢市内にある大小さまざまな125社ある神社の総称で、正式には「神宮」という。そのなかでも正宮(しょうぐう)と呼ばれる最高の位のお社は2つあり、そのひとつが外宮(げくう)、もうひとつが内宮(ないくう)だ。

外宮と内宮は2つでセットのようなもので、どちらかひとつしか回らないことを片参りと呼ぶ。参拝者はできるだけ両方をお参りするのがよいとされ、片参りは避けるべきだと言われている。

というのも、外宮に祀られている神さまと内宮に祀られている神さまは異なるからだ。

今からお参りする外宮の神さまは豊明大御神(トヨウケノオオミカミ)といって、平たくいえば、食事を司る神さまだ。一方、内宮の神さまは、昨日熱田神宮でもお参りした、天照大御神(アマテラスオオミカミ)。神さまオブ神さま、日本の神話のなかではトップの神さまで、太陽の光を司るこの世を照らし出す神さまだと言われている。

豊明大御神は天照大御神のために食事を用意する神さまで、食いしん坊でグルメな天照大御神のために毎朝夕、食事を奉納しているという。

外宮と内宮の二社を回る順番にも推奨があり、先に外宮の豊受大御神を、次に内宮の天照大御神をお参りするのがよいとされている。

おれらは毎年この12月の年末にお伊勢参りをしているんだけど、ここ数年はその順番を守って、伊勢に着いたらまずは外宮へ、そして一泊して翌朝に内宮へお参りするというのを慣わしとしているんだ。

「さて、では参りますか。」

駅に降り立ったときにはさぁーっと降っていた雨が、外宮参道を歩いているうちに弱まってきた。

うちのニンゲンたち(リンくんとケンイツエンチョーのふたりだ。そういえば言い忘れていたが昨日の熱田さんはケンイツエンチョーはオシゴト中だったので欠席して、リンくんだけだった)は折りたたみ傘をたたみ、ポケットに突っ込んだ。

…ペコッ

鳥居をくぐる時には必ず一礼を。それもおれはこのお伊勢参りで学んだことだった。

「豊受さん、1年ぶりです。ボブおです。こんにちわーに。」

敬虔な方からすればおれのこんなカジュアルなご挨拶には眉をしかめられてしまうかもしれないが、まぁ、最初の鳥居をくぐるときはそれくらいでも許してほしい。このあと、二の鳥居、三の鳥居とくぐるたびに空気がビリリとして、おれは顔を出せなくなってしまうのだからね。

“外宮の一之鳥居の前にて「豊受さん、こんにちわーに」”

昨日の熱田さんでも神鶏を見たが、なんと今年は外宮でも鶏さんに会うことができた。コチラは白い羽毛のコだ。やはり参拝客に驚くこともなく、アチラコチラのニンゲンからスマホのカメラを向けられ、ちびっこたちにはキャッキャと追いかけられていた。

“あ!外宮では白い神鶏に出会ったよ”

外宮の域内は左側通行。ちなみに内宮は右側通行だ。それぞれ異なるのは、身体を清めるための手水舎の位置に由来しているという。

砂利の感触を足裏で感じとるようにゆったりと歩を進め、耳では鳥たちの声を聴く。おれの鼻先には雨上がりのしっとりとした空気がまとわりつき、何百年いや千年超えかもしれない森の木々の枝先から水滴がしたたりそれがおれのたてがみを濡らした。

“しっとりと雨の恵みをたたえた外宮の森”

さぁ、いざ、豊受大御神の祀られている正宮の拝殿の前へ進む。

おれはケンイツエンチョーの抱えるトートバッグのなかでジィっとココロ静かに目を閉じる。

ペコッペコッ…パンッ…パンッ…ペコッ

ふぅ。今年もイチネン、食べるものに困らず日々を過ごすことができたことに感謝を申し上げた。

“豊受さんの目前にて、ちょいと離れたところで記念撮影”

そのときだ。

おれがお参りを終えてひと呼吸置いていると、その真横から、ひときわ天に響くような力強い柏手(かしわで)の音が聞こえた。

…パンッ…パンッ…

…パンッ…パンッ…

…パンッ…パンッ…

…パンッ…パンッ…

二拍手を4セット、ゆったりとした、間違いのない心地のよいリズムで鳴らすと、途端にその周囲には、静寂が訪れた。

チラと視線をやると、そこには、白装束の神職の方が袴の膝をつくようにしてお参りをしている姿が目に入った。

「ほぅ?禰宜さん?いや、宮司さん?詳しくはわからないけど…。」

「ねぇねぇ、二拍手じゃなかったよね?もっと多く…4つでも6つでもない?二拍手を何セットか叩いてたように聞こえたんだよね。」

ケンイツエンチョーとリンくんがひそひそと小声をかけ合っている。

その白装束の神職の方は、上下とも白の和装を身に着け、傘までもが白かった。背筋がシャンとしていて、アタマの上からつま先まで1本の白木のようだった。

外宮の正宮に向かって八拍手を鳴らし深く礼をするやいなや、スタスタと傘を開いて歩いて行ってしまった。

(Rin注: 日本最高峰の神社である伊勢神宮では、神職の方々は正式な作法として八拍手するそうです。ちなみに一般の参拝客は二拍手でよいそう。)

“白装束の神職らしき方、スタスタと歩いて行ってしまった”

「む。後をついて行ってみようか。正しいお参りの順番とか作法がわかるかも?」

ケンイツエンチョーがそう言うので、うわぁ確かに、と同意をして、我々も歩みを速めた。

スタスタスタ、スタスタスタスタ

後方30mほどの距離を空けて、後ろから眺めるその歩き姿はまるでアレだね。

「細川たかし」

「いやいやいや!神職の方に対して不謹慎な?!いや、まぁ、でも細川たかしっぽい?」

…ハァ。うちのニンゲンふたり、神聖な伊勢神宮の域内でふざけるでないよ。まったく…!

「あの白い方…呼び名を決めよう、うーんと???細川たかしっぽいから…細乃川たかし之助(ほそのかわたかしのすけ)でどうだ?」

「おぉ、之助(のすけ)、いいね。んじゃ、細乃川たかし之助の後をついて、彼に倣ってお参りをしてみよう。」

“スタスタと石段を登ってゆかれる「細乃川たかし之助」氏”

この外宮の敷地内には、豊明大御神をお祀りする正宮以外にもいくつかお社が存在する。別宮(べつぐう)と呼ばれていて、重要な神さまたちがそれぞれ祀られているのだ。

細乃川たかし之助の歩みは、その別宮のある順路を辿っていた。

豊受大御神の荒御魂(あらみたま)をお祀りする「多賀宮(たかのみや)」、土の神さまをお祀りする「土宮(つちのみや)」、風の神さまをお祀りする「風宮(かぜのみや)」、と主要な別宮を順番にお参りしている様子だったので、ひとつ遅れで我々もそれらの神さまたちにご挨拶をしていった。

伊勢神宮の敷地には、あちらこちらに神域や建物が存在している。正宮、別宮などは案内板があるが、それ以外にも縄や紙垂(しで)で明確に線引きされていて、ニンゲンは立ち入ることのできない場所がたくさんあるのだ。

当然そのすべての前で柏手を打ち礼をすることはないのだけれども、一箇所だけ、細乃川たかし之助がスルーせずに真正面に回り込みお参りをしている小屋があった。

「ハテ?こんなところにお参りすべき神さまがいらっしゃるんだねぇ?」

リンくんたちはアタマのなかにハテナマークをたくさん浮かべつつも、とにかく細乃川たかし之助の真似をしよう、とスタンプラリーのように回ってきたので、そちらもお参りした。(※リンくんがあとから観光ガイドを見たけれど、やはり載っていなかったらしく、よほど一般的ではないみたいだ)

昨年までもできる限り別宮へもお参りするように心がけてはいたものの、改めて、細乃川たかし之助にガイドツアーをしてもらっているようなそんな気分で、迷いなくお参りすることができたように思うな。

一之鳥居まで戻ってきたら、そこにはまだ白い神鶏が参拝客の間で自由気ままに歩き回っていた。

そして、白装束の神職さん”細乃川たかし之助”のことはすっかり見失ってしまった。

「細乃川たかし之助…もしや白い鶏さんの化身だったかも?」

「信じるか信じないかは、アナタ次第ってか?!アハッ!」

やれやれ。

ニンゲンたちが面白がって言うことはまぁさて置いて、何度来ても不思議な体験をするのがこの伊勢という場所なのだ。

【2日目】 月夜見宮(三重県伊勢市)

本日は伊勢市駅近くのビジネスホテル泊予定。だけれどチェックイン時間まであと小一時間あったので、えいやと足を延ばしてみた。

それが、別宮「月夜見宮」(つきよみのみや)だ。外宮の敷地とは隣接していないものの、徒歩で15〜20分程度の場所に鎮座している神さまだ。

「月」の文字が示すようにお月さまを司る神さまであり、天照大御神の弟だと言われている。お姉さんがお日さまの神さま、弟はお月さまの神さま、というわけだ。

「おれ、お月さま眺めるの、好きなんだよな。」

「月夜見宮」の神域に足を踏み入れると、そこには厳かな空気が流れていた。苔にまとわりつかれた太い御神木たちが敷地をうっそうと取り囲み、その真中にお社があった。

参拝客は、我々のほかには二組ほどしかいない。しかもそのうちのひとりは地元の方と見受けられ、慣れた様子で、ぐるりと敷地内の神域(外宮のところでも説明したが、縄と紙垂で囲まれたところ)を回って去っていった。

不思議なことは続くもので、さきほど30分前に外宮の一之鳥居を出たあとから、急に雨粒が落ちてきたんだ。そのしっとりとした湿気をすべて抱え込んだような小さな森には、外宮にはない静けさと重さがあり、まるでタイムスリップしたような、古代から変わらず守られてきたその領域に触れることができた。

そうそう、この「月夜見宮」、あまりに濃密な空気すぎて、「これは写真に撮っちゃいけない気がするんだ」とはリンくん曰く。だから月夜見宮での写真はほぼ無しなのでした。

【3日目】 猿田彦神社&佐瑠女神社(三重県伊勢市)

さぁいよいよ3日目、今日がメインイベントと言ってもいい。

昨晩は(正しくは昨晩「も」だけど)近所のスーパーで買い込んだお惣菜で、ホテルの部屋で大宴会を催した。世の中はクリスマスイブだったからね。
(くわしくはコチラ「ボブ家のクリスマスディナー(2025.12.24 Wed)」)

そして本日はクリスマス当日。特に狙ったわけではなくて旅行の予定を立てられる日がここしかなかっただけなのだけれど、それにしてもクリスマスにお伊勢参りとはなかなか珍しいかもしれない。

さて。出発は朝9時前。伊勢市駅前から内宮行きの路線バスに乗り込み、最初に目指すのは「猿田彦神社」だ。

本来は内宮さんに先にお参りしてから行くべきなんだとは思うけれども、立地上、我が家は先に猿田彦神社へお参りするのを慣わしとしているんだよね。そのあたり、ユルユルですんません…テヘッ。

「猿田彦神社」は天照大御神降臨の土地に伊勢を選択する際にお導きをしたといわれている猿田彦命(サルタヒコノミコト)が祀られているお社だ。なので、お導きの神さまとして信仰されていて、進むべき道をお示しくださる(あるいは進む道筋をお見守りくださる)、という意味合いがある。

まずは拝殿前で二礼二拍手一礼。ここまでの2日間同様、できるだけいい音で柏手を打つように心がける。

“古殿地。巳酉丑、寅午戌、我が家の願い受け入れてくださるかな?”

「古殿地」についてのお話はこれまでにもしてきているので省略するね。(お参りの仕方が気になるひとはコチラ「ライオンと、とらとうまといぬ」

そして「猿田彦神社」の隣に合祀されているのが、猿田彦命の妻である「天宇受売命」(アメノウヅメノミコト)をお祀りしている「佐瑠女神社」(さるめじんじゃ)だ。この神社は芸事の神さまと言われているよ。

ここで、我が家のオハナ(ぬいぐるみ家族)、スズメのうづめが登場。うづめ、という名前はこの天宇受売命からいただいているのだ。

(うづめのお話はコチラ「うづめ、1年ぶりにオットの猿田彦さんに会う」

「猿田彦神社」と「佐瑠女神社」でお参りを済ませたら、拝殿の裏型へと抜けられる小路へ。裏手には神さまに捧げるための米を作る田んぼがあるんだ。今の時期は既に稲刈が終わってしまっているからただの土肌しかないけれど、やはり神域を示す注連縄(しめなわ)と紙垂(しで)で守られている。ここでもしっかり二礼二拍手一礼。大地の恵みのおすそわけに感謝するの。

ここまで回ってきたら再度正面の鳥居まで戻るよ。

さぁ、いよいよ、アマテラスさんに会いに行こう。

【3日目】 内宮(三重県伊勢市)

「猿田彦神社」からゆっくりと歩いて20分ほどだろうか。よくテレビなどでも見る伊勢神宮の一之鳥居の前に到着する。いつ来てもニンゲンたちがたくさんいて、記念写真を撮っている。

まずはとにかくお参り!というわけで横目にスルーしつつ、おれは、ひとつ大きく深呼吸をした。

ここまで回ってきた神社のなかで、「内宮」はいちばん敷地が広い。一之鳥居をくぐり、五十鈴橋(いすずばし)を渡ってからもまだまだ境内は広い。聞くところによると、以前は境内のなかに宿(しゅく)や店が立ち並んでいたそうだ。現代ではそのような様子は全くなく、老若男女、国籍問わず、参拝客がそぞろに歩いている。

「ねぇねぇ、こないださぁ伊勢神宮の番組で、大正天皇お手植えの松があるってやってたんだけど、どれかなぁ?看板がないらしいんだけどね。」

リンくんがそんな話を持ち出す。伊勢神宮の境内には松の木は何百本…いや千本の単位で生えているだろう。その一本一本は年齢も違えばそれぞれの歴史があるだろうと思う。伊勢神宮では、あえてひとつひとつの由緒をくどくど説明をするようなことは控えていて、最小限の道案内のための案内板程度しか目に入ってこない。

「内宮」では手水舎の規模もたいそう大きいが、それとは別に五十鈴川(いすずがわ)のほとりにも出られるようになっている。参拝客はココでお清めをしてから、お参りの歩を進めるのだ。

長い長い参道を歩いているうちに、おれらはすっかり黙り込んでしまっていたのだけれど、ケンイツエンチョーがふと声をもらした。

「今年は雨上がりだから、砂利から砂ぼこりが上がらないね。」

確かに、そうだ。昨日の「外宮」さんといい、今日の「内宮」さんといい、なぜか鳥居をくぐったあとは雨が上がっている。偶然でしょ、と言われてしまうかもだけれど、ホントなんだもん。

「んだな。ライオンのおれも歩きやすいな。フハッ!」

リンくんが代表して、御守授与所で御守をいただいてきた。今年はね、白い鈴守にしたんだって。

「あれ?今年は白なんだ?」

リンくんが列から戻ってくる間、おれがケンイツエンチョーにそう聞くと、こう返ってきた。

「おう。だって、白装束の細乃川たかし之助に導かれてるだろ?」

そうだった、そうだった。これからのイチネンは、白に縁があるかもしれないな。

いよいよ、正宮下まで到着。やはりココでもたくさんのひとが記念撮影をしている。

おれらは撮影はあとにして、先にお参りに向かった。

一段、二段、三段…

ゆっくりと石段を上がってゆく。一歩一歩ごとにアマテラスさんの気配に近づいてゆく、そんな気がして、ちょっと緊張する。

「さぁ、じゃあ、いくよ。」

ケンイツエンチョーの声かけに合わせて、おれらは姿勢を正す。そう、あの細乃川たかし之助がやってみせてくれていたように、ライオンだって、カッコよくお参りをしたいのだ。(まぁそう言ったところで、実際のところはおれらはトートバッグから顔を出すこともできない。じぃっと静かにニンゲンたちの動きを見守っている。)

ペコッペコッ…パンッ…パンッ…ペコッ

今年もお伊勢参りに来られたことに感謝して。ありがとうございます。

…ふぅ。顔を上げると、そこには霧がかった神さまの山が目に入った。

“内宮の正宮階段下にて。この先は撮影禁止エリアだよ”

正宮にて天照大御神をお参りしたのちは、外宮同様に敷地内の別宮へ。天照大御神の荒御魂をお祀りする「荒祭宮」と、それから、外宮でもお参りした風の神さまのいらっしゃる「風日祈宮」(かざひのみのみや)へ。

“「風日祈宮」へ向かう橋”
“三重県内酒蔵の御神酒”

ぐるりと広い境内を歩ききり、五十鈴橋まで戻ってくると、神宮の山々には深く霧がかかり、それは幻想的な景色が広がっていた。

“見えるところすべて伊勢神宮の敷地の山々”

「あ、シラサギ!」

おそらくコサギだろうか。五十鈴橋の上から出口の一之鳥居へと向かって渡っている最中、右手に白い鳥さんが見えた。

「うーん、やはり、いるねぇ…細乃川たかし之助の化身…か?アハッ!」

“五十鈴橋を渡るときに白いサギを発見!”

名古屋の熱田神宮から始まったお伊勢参り、終始白い方々に導かれ、ここまで今年も無事にお参りを終えることができました。

ありがとうございました。

そう、ココロで静かに唱えながら、おれらは最後の鳥居に向かって一礼をしたのだった。

その瞬間、大きな雨粒が、ぽつり、とおれのほおに当たったのをおぼえた。

それさえもアマテラスさんからの祝福なのだと思える、おれって結構敬虔なライオンなのかもしれないな、とつくづく感じたのだった。

【3日目】 おはらい町にて御神酒

ここからはおまけ!

お伊勢参りといえば、おはらい町とおかげ横丁の散策だよねー。さまざまな飲食店や土産物店、郷土品などのお店がひしめき合っている商店街のことで、歴史のある古いお店から最新のキャラクターショップまでいろんなお店があるんだよ。

我が家はねぇ、例年、大体お参りを終えるのが11時前後。そのあとはササッと名古屋へ戻りたいので、実はそこまで長居はしないんだ。

それでも必ず寄るのが、ココ、伊勢萬酒造!

何がなんでも、ココで一杯御神酒をいただかないことにはお伊勢参りを済ませたとは言えないんだなぁ。

この伊勢萬酒造で有名な銘柄といえば「おかげさま」。まぁ、なんて素敵な名前なんでしょう。

「おかげさま」で。自然と言えるようにまりたいものですな!

というわけで、今年も道中無事に、お伊勢参りを終えることができました。ありがとうございました。

では、カンパーイ!

“伊勢萬酒造「おかげさま」”
“「おかげさま 神の穂」と酒蔵限定の「しぼりたて生原酒」”
“角打ちサイコーぉっ!”
“お留守番組へのお土産は「虎屋ういろ」”
“あ!スヌ発見!伊勢のおはらい町では「スヌーピー茶屋」も人気だよ”

今年もボブ家のお話を読んでくださり、ありがとうございました!

以上、2025年の我が家の恒例お伊勢参りを振り返ってみました。読者のオトモダチのみなさん、長々とおれの記録にお付き合いいただきありがとうございました!

来年も、オハナ(家族)全員健康で、伊勢へ参じることができるようにと願いまして、この日記を締めたいと思います。

そして、オトモダチのみなさん、読者のみなさん、今年も誠にお世話になりました。

ボブ家一同、心より感謝しています。

来年のイチネンがみなさまにとって良い年になりますように。

「おかげさま」のココロを忘れずに、静かに年神さまをお迎えしようと思います。

2025年、ありがとうございました!

また来年もどうぞよろしくお願いいたします。

ペコッ!(礼)

ボブ家一同より 代表ボブお
(執筆 リン)

“オトモダチのみなさん、読者のみなさん、2025年も誠にお世話になりました”

伊勢神宮 公式ホームページ
https://www.isejingu.or.jp/

熱田神宮 公式ホームページ
https://www.atsutajingu.or.jp/

猿田彦神社 公式ホームページ
https://www.sarutahikojinja.or.jp/

株式会社伊勢萬 (「おかげさま」)公式ホームページ
https://www.iseman.co.jp/

虎屋ういろ 公式ホームページ
https://www.torayauiro.co.jp/

あと何日かで今年も終わるけど

世の中は 色々あるから どうか元気で お気をつけて

ユニコーン『雪が降る町』 作詞、作曲: 奥田民生

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Rin(リン)

ぬいぐるみブロガー、Rin(リン)です。 ライオンのボブ家と愉快な仲間たち、そしてニンゲンのケンイツ園長と一緒に、みどりキャンプ場で暮らしています。 ボブ家の日常を、彼らの視点でつづっていきます。

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