おれらの宝物を守るために
「なぁーなぁー!終わったの?」
「んー!・・・多分、多分・・・だけど、完了!だと思う!」
そう答えると、リンくんはふぇぇぇぇっと、ひとつ大きな伸びをした。
おれ、ライオンのボブおです。
昨日からリンくん、パソコンに向かってなんだかブツブツ言いながら作業をしていたんだ。
「リーンぐーん、なんの作業してるの?」
おれが聞くと、リンくんはコッチも向かず、パソコンの画面とにらめっこしたままだ。
「ンーっとねぇ・・・大事な大事な、みんなのケンリを守る活動。」
「ハテ?なにそれ。」
「まぁ、話すと長くなるからさ、ちょっとあとで。」
「フーン・・・。」
その夜、晩ごはんを食べながら、リンくんが説明をしてくれた。
リンくんが4年前の2020年7月に始めたTwitterってやつ。今は名前もロゴも変わってXっていうのになっちゃったけどさ。おれら、この4年間ちょっとの間で、Twitterを通じていっぱいオトモダチ(フォロワーさん)ができたんだよね。実際にリアルなぬい友会で会えたオトモダチもいるし、オンラインでつながって毎日のようにお話して遊んでくれるオトモダチもいる。
リンくんは毎日おれらのことを写真に撮っては、そのTwitterとやらを通じて、おれらオハナ(家族、我が家ではぬいのことをいう)の様子を投稿し続けてきた。
例えば、朝のご挨拶だったり、ボブ家の日常のゴハンの様子だったり、はたまたおでかけのこと、お誕生日やお正月の恒例集合写真、おうちのテレビでスポーツ観戦してる姿、ただただゴロンとお昼寝してる寝顔、それからときおりやらかす変顔遊びまで・・・。
リンくんは、おれらオハナの生きる日々を記録し、発信し続けてきたんだ。それは、とっても大切なおれらの歴史だといってもいい。
それなのに。
「いろいろ懸念があってねぇ・・・。今週のモクヨービまでにこれまでのツイート消そうと思ってるんだよね。」、だってさ。
理由はね、Xのサービス利用規約が変わるからなんだって。とってもカンタンに言うと、その日(2024年11月15日 金曜日)以降にXのアカウント上に残ってるおれらの画像(動画やイラストも)の権利は、Xという会社やそれに群がるいろんなヤツらに渡ってしまうらしいんだ。
「困るでしょ。みんなのことを撮った写真やみんなのことを描いた絵は、我が家の大切な宝物。写真だけじゃなくてお話そのものもそうだけどさ、奪われてしまう前に、消そうと思って。」
特にAI学習のエサにされてしまうっていう話を聞いてね、正直、ゾワッ・・・!としたよね。
例えばさ、「目が青くてカラフルなタテガミのライオンを描いて」とか指示してAIに描かせたときに、おれら(著作者のリンくん)が許可してるつもりがなくても、X上に画像やイラストが残ってれば、それを使って、おれらにそっくりなものが出てきちゃうかも?しれないんだってよ。
ひゃぁー!!!
「でもさぁ、それって断れないの?Twitter・・・Xか、のサービスは使うけど、画像の著作権は渡さないよって?」
おれがリンくんに聞くと、食い気味に返ってきた。
「それができないようになるんだって、2024年11月15日からね。Xのアカウントを持っている=著作権はXに渡すことに同意している、っていうことらしい。そういう理解なのよ。悲しいことでしょ?」
はうーん。。。そっかぁ。なんだか、おれの大好きだったTwitterはドコかへ行ってしまったみたいだ。青い鳥はもうはるか彼方だ。
「うむ。わかった。じゃあ、おれらのケンリ、守ってくれー!リンくん!よろしく!」
「リョーカイ!宝物を奪われちゃ、困るもんね。頑張る。」
そういうわけで、リンくんは、ここ数日パソコン作業に没頭した。
4年+分、なんと1.7万件もあったポスト(投稿)を、約3日間かけて削除する作業をして、ついに500件弱にまで減らしたのだった。
「みんなー・・・!頑張ったよ・・・!」
ちなみに、リンくんの説明によれば、残りの500件近くってのは、今回の利用規約変更のリスクを知ってから(ここ1ヶ月弱の分)のポストと返信で、内容に画像付きのものは残していないらしい。
それから、Xにアカウントを残すことそのものにもリスクはあるっちゃあるらしいんだけどね、これまでオトモダチになってくれたみんなとは繋がりを持っていたいし、完全削除するまでの勇気はなかったってさ。
「なぁなぁリンくん。実質Twitterからの卒業ってことは、おれらにとっての、新たな門出か?」
「うん、ちょっと、そんな感じだね。これまで、Twitterどうもありがとうって感謝はして。これからは別のSNSにお引越しして、少しずつ自分たちの住みやすい場所を作っていこう。」
「そうだなー!それからさ、Xのオトモダチの一部も、一緒に移住してきてるんでしょ?」
「そうそう。Blueskyっていってね。元Twitterの技術者が立ち上げたSNSに移住を始めてる人たちもいるんだ。わたしたちも今度はソッチをメインにコミュニケーションしていこうね。」
「Bluesky!青いお空!おれ、空を見上げるの、大好きだから、いい名前だね。」
ありがとうTwitter、ようこそBluesky。
ぬいぐるみとニンゲンの森、”Bob in Camp Green”。
おれらはいつでもここにいます。
だけれども、お外の世界と繋がるための扉がSNSなんだと思ってる。
青い鳥はどこかへ行ってしまったけれど、もうその鳥を追うことはやめてそっとドアを閉める。
すると、ふわりふわりと青い蝶が目の前を横切った。
おれらの宝物を守るために。
おれらは次のドアを開けるね。
これまでも、これからも、変わらない。
おれらはおれらの、大切な物語を語り残していくのだ。
「ね?リンくん。これからもより一層、おれらのことを世に出してくれよな!期待してるぞ。」
「ふわぁーい。任せて。」
・・・アハッ!
ちょうど、玄関からケンイツエンチョーの声がした。パソコン作業で缶詰になっていたリンくんの代わりに、近所のスーパーへ買い物に行ってきてくれたのだ。
「ただいまー!なぁ、今夜は新たな門出を祝うべく、出世魚にしたぞー!ブリのお刺身!みんな、これからも世に出るだぞー!」
「わーいわーい!おっさかなー!出世!出世!」
「アハッ!お買い物ありがとねー。そりゃあセンスいいや!じゃ、シャワー浴びて、晩ごはんにしよぉかね。」
「やったーやったー!メーシ!メーシ!ハラへったーぁ!」
そんなわけで、これからもボブ家は、ここ、”Bob in Camp Green”でコトバを紡ぎ続けます。
応援してくださっているオトモダチのみなさん、それから、まだ見ぬ、これから読者になってくださるみなさん、SNSの扉は変われど、おれらはここにいます。
どうぞよろしくお願いします。
ボブ家一同代表 ボブお
▼X(旧Twitter)からBlueskyへ移住します▼
Blueskyアカウント: @rin-bobingreen.bsky.social
https://bsky.app/profile/rin-bobingreen.bsky.social
※なお、XやInstagramのアカウントも現存しています。
Rinやボブ家のみんなと会話することは可能ですが、投稿は少なめ(もしくは停止)となっていますのでご了承ください。(2024.11.15時点)
▼詳しくはコチラをご確認ください▼
“Bob in Camp Green” 「ソーシャル・ネットワーキングサービス SNS」について
https://bobingreen.com/sns/
▼Twitterには感謝してるよ!ありがとう!大好きでした!▼
「青い鳥はどこへゆく / Blue bird, where will you go?」
https://bobingreen.com/2023/07/24/5766/