チーバくんのあたま、佐原でチーバくんに会えた
「ぬぉぉぉ!チーバくんが、いる!ホームにチーバくんがいるよ!!!エーッ!なんでー!うわうわうわ!」
ライオンのボブおです。
おれらがチーバは香取神宮のお参りを終えて、佐原の町をお散歩しつつ駅まで戻ってきたそのとき。にわかに駅構内が賑わっているような、そんな特別な雰囲気を感じたんだ。
駅舎にはめずらしい、「佐原駅」と大きく書かれた紺色ののれんの向こうに、見慣れない車両が停車しているのが見えた。明らかに、普通列車ではない、と一瞬でわかる。ベージュ色というべきかクリーム色というべきか、パール調に上品に輝く車体に、見事にデザインされた目を見張るほど大きな窓。どう考えても、豪華な観光列車のそれだ。
「へー?シキシマだって。」
駅の電光掲示板を見上げたケンイツエンチョーが、間の抜けた声を出している。そこには、「TRAIN SUITE 四季島、到着」と赤い文字で記されていた。
「えっ!四季島なの!」
プチ鉄のリンくんは、コーフンを隠しきれない。せっかくそこそこのカメラがリュックの背中に入っているのに、なんの準備もできていなかったものだから、リンくんは首から下げているスマホのカメラを即座にかざしたのだった。
その電車に向かって手を振っている、真っ赤なカタマリが見えたんだ。
「うっはー!チーバくん!チーバくん!チーバくんがいるぅぅぅぅぅぅっ!」
リンくんがはしゃぐその声を聞いて、今度はおれがトートバッグから飛び出した。
「うぉー!チーバくぅんっ!チーバくぅぅぅぅぅん!」
ふぅ・・・、つい大きな声を出しちゃったよ。
この状況としては、観光列車四季島のルート上に佐原駅での停車が組み込まれていて、そこでチーバくんグリーティングが含まれているのだと想像できた。チーバくんはピカピカに磨かれて曲線を描く大きな窓越しに、列車内の乗客に向かって丁寧に手を振っている。
停車時間はほんの5分もあったかどうか。あっという間に四季島は動き出して、チーバくんをはじめ駅にいるニンゲンたちはみんなでバイバーイバイバーイとお見送りをした。
おれらは入場することなく改札の外からホームを眺めていたのだけれど、どうやら撮り鉄のみなさんは四季島をお目当てに中にいらっしゃるようだった。お役目を終えたチーバくんは、今度はホーム内のニンゲンたちと撮影会をしているようで、見えなくなってしまった。
「ンー!わたしもチーバくんに近づきたぁい!先に改札入ってる!」
ガマンできないリンくんは、駅のコンビニでお買い物をしたいといっていたケンイツエンチョーを置いて、先に改札内へと入った。もちろん、おれも一緒にね。
ピッ
ICカードをかざしてホームに入った瞬間、残念なことに、逆にチーバくんが改札の外へと向かって行ってしまった。
「はうー!チーバくん改札の外行っちゃった・・・。あーん。。。」
おれらが残念がっていると、チーバくんのお付きの方がおれらに気がついてくれたみたいで、チーバくんが戻ってきてくれたんだ!
チーバくん、クルッと振り向いたかと思うと、ずん・・・ずん・・・ずん・・・!とゆっくり一歩ずつコチラの方へ近づいてきてくれる。
その瞬間。
ぺんぽーん!ぺんぽーん!
「うっはー!チーバくん自動改札通れないよぉ!アハハッ!」
サービス精神旺盛なチーバくん、そのでっかい房総半島のおなかを自動改札の幅ギリギリにねじこませて、こちらへ向かってきてくれたのだった。
「チーバくんアリガトねぇー!」
おれらはチーバくんにアリガトおと手を振ると、チーバくんは後ずさりして戻り、その後、駅員室へと去っていったのだった。
ふぅー!
あまりに突然のできごとに、おれは心臓がバックンバックンしてダイコーフンしてしまったのだった。だって、なぜなら四季島を見たのも初めて、動く生チーバくんに会ったのも、実は初めてだったから。日常、「我らがチーバ」とか「チーバくんだいすき」とかいろいろ言っておきながら、チーバ在住でありながら、動く生チーバくんに会える機会というのはなかなかないんだ。まさかこんな偶然があるなんて。
佐原っていう町はチーバ県の小江戸って言われていて、川沿いに雰囲気のいい商家の町並みが残っている。近くには香取神宮という由緒のある神社もあって、時折テレビでも街ブラをしていたりするくらいのちょっとした観光地なんだ。佐原市はチーバ県の北東部に位置していて、チーバくんで説明すると、あたまのてっぺんにあたるらしい。同じチーバ県内とはいえ、北西部(チーバくんのほっぺあたりかなぁ)に住むおれらのおうちからは、バスと電車を乗り継いで片道で約2時間半もかかるから、軽く日帰り旅っていう感じなんだよね。
午後1時半過ぎ。お昼ごはんはまだだから、おなかペコペコのはずなのに、チーバくんに会えたことでキモチが満たされちゃって、うれしさがあふれてしまって、なんだか落ち着かない。
これから一旦成田駅まで戻って、そこで開いているお店を探しておなかを満たすんだ。そのあとまた電車とバスに乗って、おうちに着く頃にはきっと夕方。
チーバくんのあたまでチーバくんに偶然会えた。
そんな貴重な経験をした今日イチニチを振り返ってみると、四季島とチーバくん以外にもね、ホントに濃厚な、いろんな景色を見た日だったんだよ。
その1 「前衛的なバラ」
朝7時半過ぎ。早起きしてバスに飛び乗って、電車の最寄り駅のホームに着く。北風が冷たかったから、それを避けるためにと階段裏へと逃げたんだ。すると、横をふと見ると、自動販売機のゴミ箱に、真紅のバラが一輪、挿さっていた。カンは捨てられるけどさ、ペットボトルのほうに刺さってたのよ。
「ペットボトルのゴミ、捨てられないね?」「へぇ?いやいや、もしかして何かのメッセージ性が込められた前衛芸術?」「いやぁ、さすがココはバラの町だもんね」、だなんていいながら、不思議なキモチになって電車に乗り込んだ。
その2 「じいの盆栽展」
今日の本来の目的地は香取神宮。風は冷たいけれどよく晴れていたから、おれらは佐原駅からてくてくと約50分かけて歩いて向かった。
無事にお参りも終えたところで、盆栽展に遭遇。なるほど、天皇が盆栽ファンだから、ということと関係あるのかな、天皇誕生日だし無料だし、ということで、興味があるわけではなかったけれど向かう。
入ってみればおどろきの連続で、本来あんなに大きな梅の木や桜の木がギュギュッと小さいのに、見事な花を咲かせているんだ。
「おれが前に立つと、花咲じいさんみたいだな?」なんてことを思いながら、天皇は子供の頃から盆栽が好きだなんてやっぱりじいだなぁってほほえましく思ったりした。
その3 「佐原の嫁入り舟」
香取神宮をあとにして、参道で名物の草だんごを買ったあと、同じ道をまた50分かけててくてくと歩いて戻っていく。途中、有名な小野川の川沿いに出ると、妙にきらびやかなドレスをまとった集団に出会ったんだ。あぁ結婚式かぁ、とは思ったけれど、橋の上でみんなカメラを構えて何かを待っている様子だった。
すると。青空のもと、ゆうっくりと向こうから小舟がやってきた。船頭さんがゆるやかに手を動かすその奥には、なんと、白無垢と羽織袴のおふたりの姿が。
うぉぉー!縁起のいいもの見せてもらったぁ!と思って、思わず手を振って言ってしまった。
「おめっとーございます!」
なんだかココロがほっこりあったかくなったんだ。
ふぅー!
ってことで慌ただしくこんなことに遭遇してきたなかで、最後に出会ったのが、豪華観光列車の四季島であり、生チーバくんだったっていうわけさ。
あー、おれ、もうキモチはいっぱいだよぉー。佐原旅、すんげー盛りだくさんで、楽しかったなー!
さー、また2時間半かけて、おうちまで帰ろーっと。
そのとき。
ピッ!
「おう、ボブおー!チーバくんとちゃんと撮れたか?おれも何枚か撮っといたぞ。あっ、そうそう、帰る途中さ、成田に寄って蕎麦食ってから帰ろうぜ!」
あ。ケンイツエンチョーがようやく改札に入ってきて、合流できたよ。
チーバくんのあたま、佐原、まった来るねー!
アハッ!
ボブお
帰宅後。
お留守番してくれてたスイーツ番長勘九郎に、草だんごを手渡したよ。
チーバくんの広場 千葉県庁公式ホームページ内
https://www.pref.chiba.lg.jp/kouhou/miryoku/chi-ba-kun/index.html
TRAIN SUITE 四季島 公式ホームページ
https://www.jreast.co.jp/shiki-shima/
「旅なび!佐原」 水郷佐原観光協会 公式ホームページ
https://www.suigo-sawara.ne.jp/
香取神宮 公式ホームページ
https://katori-jingu.or.jp/
「”チーバくん”の志津(しづ)かなる情熱 – オトモダチとゆくチーバ観光 その1」
https://bobingreen.com/2024/01/26/7910/